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benri-navi by myhurt

《紙ジャケ》スヴェン・ワンダー SVEN WUNDER《Papersleeve》

 2020-09-21
2020年10月21日予定

イースタン・フラワーズ
スヴェン・ワンダー SVEN WUNDER
ディスクユニオン(2020-10-21)

WABI SABI わびさび
スヴェン・ワンダー SVEN WUNDER
ディスクユニオン(2020-10-21)

ディスクユニオン/THINK! RECORDS提供。北欧の鬼才、スヴェン・ワンダーの2作品が紙ジャケットCD化。価格は¥2,860円。

YouTube - Sven Wunder / Magnolia
YouTube - Sven Wunder / Onsen

《紙ジャケ》ワイルド・ハヴァナ「ワイルド・ハヴァナ」《Papersleeve》

 2018-08-19
2018年9月19日予定

ワイルド・ハヴァナ
ワイルド・ハヴァナ
posted with amazlet at 18.08.26
ワイルド・ハヴァナ
Pヴァイン・レコード (2018-09-19)

Pヴァイン・レコード/PSYCHEDELIC FLOATERS提供。1977年、オランダの自主制作盤のCD化。価格は¥2,592円。これはいいね。

YouTube - Wild Havana (Holanda, 1977) - Wild Havana

《紙ジャケ》フレンズ・オブ・ザ・ビートルズ《Papersleeve》

 2016-05-29
2016年6月29日予定

サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド オリジナル・サウンドトラック(紙ジャケット仕様)
アリス・クーパー アース・ウィンド&ファイアー エアロスミス サンディ・ファリーナ ジェイ・マッキントッシュ ジョン・ホイーラー ドナルド・プレザンス バリー・ギブ ビリー・プレストン
ユニバーサルインターナショナル (2016-06-29)
007/死ぬのは奴らだ(紙ジャケット仕様)
B.J.アーノウ ウィングス
ユニバーサルインターナショナル (2016-06-29)
アーキオロジー(紙ジャケット仕様)
ザ・ラトルズ
ユニバーサルインターナショナル (2016-06-29)
ザ・モンティ・パイソン・インスタント・レコード・コレクション(紙ジャケット仕様)
モンティ・パイソン
ユニバーサルインターナショナル (2016-06-29)
ザ・フール+2(紙ジャケット仕様)

ユニバーサルインターナショナル (2016-06-29)

ユニバーサルインターナショナル提供。ビートルズ関連作品の紙ジャケ化。これは全部買うしかないでしょう。価格は二枚組のサントラが¥3,909円(税込み)、他が¥2,448円(税込み)。

YouTube - Aerosmith / Come Together
YouTube - - PAUL McCARTNEY & WINGS / Live and Let Die
YouTube - The Rutles / Archaeology
YouTube - Monty Python's Flying Circus Intro
YouTube - The Fool / The Fool (1969)

#1332 Bruce Haack / The Electric Lucifer (1970)

 2009-06-06
01. Electric To Me Turn
02. Word, The (Narration)
03. Cherubic Hymn
04. Program Me
05. War
06. National Anthem To The Moon
07. Chant Of The Unborn
08. Incantation
09. Angel Child
10. Word Game
11. Song Of The Death Machine
12. Super Nova
13. Requiem

14. Silent
15. Bruce Haack Interviewed On Canadian Radio Ckua
16. Canadian Radio Ckua
17. Bruce Haack Interviewed On Canadian Radio Ckua
18. On Canadian Radio Ckua
19. Bruce Haack Interviewed On Canadian Radio Ckua
20. Bruce Haack Interviewed On Canadian Radio Ckua
21. Bruce Haack Interviewed On Canadian Radio Ckua
22. Bruce Haack Interviewed On Canadian Radio Ckua
23. Bruce Haack Interviewed On Canadian Radio Ckua
24. Electric To Me Turn (Alternate Take)

Electric Lucifer

私が洋楽のレコードを聴き始めた1970年代には全く知らなかったアーティストの名前。その名もブルース・ハーク(本名:Bruce Clinton Haack)。1931年、カナダはアルバータ州(Nordegg)の生まれ。1970年代にこの人の音楽を真剣に聴いていた人は電子音楽の歴史を探求するその筋の評論家や音楽家を除けばそう多くは存在しなかったと思うが、1990年代以降CDの普及が本格的になるにつれて実は再評価を受ける様になっている模様。今ではエレクトリック・ミュージック(シンセサイザー・ミュージック)、若しくはテクノの先駆者的存在として一部の人の間で高い評価が与えられているそうだが、そんな動向は彼に伝わらない。彼は既に1988年に心不全でこの世を去っているからだ。自分の才能が若い世代の音楽家やマニアな人達から高く評価される事を知る前に鬼籍入りしてしまったのは本当に残念だが、まさか、過去に”ルシファー”なんて物騒な言葉をアルバムのタイトルにしてしまったから早死になってしまった訳じゃないと思うけど。

ちなみにルシファーとはキリスト教に登場する堕天使でサタンの別名とも。俗に地獄の大魔王。ダンテの『神曲』やジョン・ミルトンの『失楽園』なんかに登場する。元々は神に仕える天使であったがある事がきっかけで神と対立、天を追放されて天界を追放された、のだとか。悪役を演じる悪魔とは立場が違う。傲慢になって神に反逆して堕天した、というエピソードを持つルシファーを大胆不敵にもアルバムの題材にもってきた当り、ブルース・ハークの生前の性格がなんとなく判りそうだものだが、発表当時(1970年)のサタニズム・ブーム(あえてブームと書く。当時、アントン・ラヴェイなる神秘学者が『悪魔の聖書(The Satanic Bible)』なる本を1969年に出版、これが当時大ベスト・セラーとなって多くの文化人・著名人に多大なる影響を与えた時代背景があった。但し、現在ではアントン・ラヴェイの本は学問的には評価は芳しくない模様。)も作品制作になんらかのインスピレーションを与えた事は想像に難くない。ただ、ブルース・ハークの視点は可也斜めだったと思けど。

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#1326 Gandalf / Gandalf (1969)

 2009-03-30
01. Golden Earrings
02. Hang On To A Dream
03. Never Too Far
04. Scarlet Ribbons
05. You Upset The Grace Of Living
06. Can You Travel In The Dark Alone
07. Nature Boy
08. Tiffany Rings
09. Me About You
10. I Watch The Moon

Gandalf

灰色のガンダルフ 。これはJ・R・R・トールキンの有名な小説『指輪物語』に出てくる登場人物で魔法使いのこと。映画ではサーの敬称を得ている舞台出身のイギリスの俳優イアン・マッケランが演じきってみせた。戦前から戦後にかけて執筆された『指輪物語』はファンタジー文学に対する影響だけでなく、映像や音楽、ゲームの世界にまで多大な影響を及ぼした。ロールプレイングゲーム 、即ちRPGと呼ばれるジャンルのゲームもトールキンの小説がこの世に存在しなかったら、今とは違ったものになっていたに違いない。音楽の世界でもそう。まあ大方アーティストと呼ばれる人はファンタジーの世界に憧れるものでこれまで少なからず『指輪物語』に影響を受けたと思われる作品が存在している。過去にも取り上げたがスウェーデンのボ・ハンソンによる、『指輪物語』を原作とした1970年代のアルバム「Lord of the Rings」はプログレシッヴ・ロック・ファンにも比較的知られた存在だろう。

『指輪物語』に登場する魔法使いガンダルフだが、音楽の世界でもこの魔法使いの名前を拝借して音楽の世界に身を投じた例があり。最も有名なのは1952年、オーストリア出身のマルチ・インストゥルメンタリスト、ハインツ・ストロブル(Heinz Strobl)によるプロジェクトだろう。 マイク・オールドフィールドの影響下にあると言われている同氏によるガンダルフは1980年に「Journey to an Imaginary Land」を発表。1980年代には俗に言う、ニューエイジ・ミュージックと呼ばれる音楽の台頭があった訳だが、ハインツ・ストロブルによるインタラクティブな作品群は当時の音楽界における追い風を受けて高い評価を得るに至っている。まあ、彼の音楽ならシンフォニック・ロックとして捉えても言い訳だが、こんなガンダルフもいたと言う訳。他にガンダルフを名乗った例と言えば Hansa Band(スウェーデン)の Johan von Feilitzen によるガンダルフ、フィンランドのガンダルフ等々。クリス・ウィルソン(米)がガンダルフ・ザ・グレイと名乗って制作した「The Grey Wizard Am I」(1972年)なんてアルバムもある。

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《紙ジャケ》ボウ・ストリート・ランナーズ Bow Street Runners《Papersleeve》

 2008-09-03
2008年9月19日→10月3日予定

Bow Street Runners ボウ・ストリート・ランナーズ(紙ジャケット仕様)
「ボウ・ストリート・ランナーズ(紙ジャケット仕様)」
 [CD]
 アーティスト:ボウ・ストリート・ランナーズ
 レーベル:P-VINE
 発売日:2008-10-03
 by ええもん屋.com

P-VINE レコード提供。サイケ特集企画。オリジナルは1972年に米レーベルの B.T. Puppy より発売された米サイケ・アルバム。価格は¥2,625円(税込み)。

《紙ジャケ》ストーン・サーカス Stone Circus《Papersleeve》

 2008-09-03
2008年9月19日→10月3日予定

Stone Circus ストーン・サーカス(紙ジャケット仕様)
「ストーン・サーカス(紙ジャケット仕様)」
 [CD]
 アーティスト:ストーン・サーカス≪完全限定生産盤≫
 レーベル:ブルース・インターアクションズ
 発売日:2008-10-03
 by ええもん屋.com

ブルース・インターアクションズ/P-VINE レコード提供。米サイケ、ストーン・サーカスの1969年の唯一作?が紙ジャケ化。海外では2007年にFallout Recordsよりリマスター済み。価格は¥2,625円(税込み)。

#1287 Merrell Fankhauser & H.M.S. Bounty / Things (1968)

 2008-06-21
01. Things (Goin' Round in My Mind)
02. Girl (I'm Waiting for You)
03. What Does She See in You
04. Lost in the City
05. Your Painted Lives
06. Drivin' Side Ways (On a One Way Street)
07. In a Minute Not Too Soon
08. Visit With Ashiya
09. Big Gray Sky
10. Rich Man's Fable
11. Ice Cube Island
12. Madame Silky

13. I'm Flying Home (Bonus Track)
14. Everybody's Talkin' (Bonus Track)
15. Tampa Run (Bonus Track)

Merrell Fankhauser & H.M.S. Bounty / Things

日本のメジャーな音楽雑誌で紹介された事が過去あるのかどうかは知らないが、1960年代から今日に至るまで手を替え品を替え音楽活動を継続し続けている人が今回の主役。実は私はつい最近アルバムを入手したばかりの人間なので1960年代から今日に至るまで彼の音楽がどの様に聴かれていたのかを全く理解していないのだが、まあ要するにカルト的な扱いを受けている事には違いないのだろう。彼の名前はメリル・ファンクハウザー(Merrell Fankhauser)。1943年、米ケンタッキー州の工業都市ルイビルの生まれ。主に1960年代から1970年代にかけて複数のバンドに在籍して問題作や怪作を発表してきた人のようだ。しかもこの人、1973年には米本土からハワイに引っ込んでしまって現地で音楽活動を継続したらしい。なんでもケンタッキー州からカリフォルニア州サンルイスオビスポに引っ越して多感な10代を過ごした経験があったかららしいのだが、それにしても意思強固というか行動力のある人だったようだ。

カリフォルニア移住後、ほどなくしてギターを弾き始めたメリルは10代の内から音楽の世界に身を投じる事になる。最初に参加したのは地元カリフォルニアのバンド、インパクツ(Impacts、1960-1664)。「Wipe Out!」という当時のアルバムのタイトルが物語る様に、このバンドはベンチャーズの影響を受けたバンド。メリルはここでリード・ギターを担当する。このバンドでの活動の後、メリルはカリフォルニアの内陸部ランカスターに両親と共に移住。そこで後にキャプテン・ビーフハートのバンドに参加する事になるギタリストのジェフ・コットンと出会いメリル&ザ・エグザイルス(Merrell and the Exiles)というバンドを結成した。ちなみにこのランカスター時代、メリル・ファンクハウザーはフランク・ザッパやキャプテン・ビーフハートと出会っている。フランク・ザッパもキャプテン・ビーフハートもまだ音楽の世界で名声を獲得していない時代だったが、さぞや才能溢れる2人の若き才人に大いに感化された筈。想像するだけでもゾクゾクする。

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(US)December's Children / December's Children (1970)

 2007-01-30
2806.jpg

01. Trilogy
02. Sweet Talkin' Woman
03. Jane's Song (The Slow One)
04. Hide the Water
05. Afternoon
06. Slow it Down
07. Too Early to be Late
08. Last Monday Night
09. Back Road Rider
10. Livin (Way too Fast)

ディッセンバーズ・チルドレンというバンド名の唯一の作品「December's Children」(1970年)を入手した。世界的に有名なローリング・ストーンズのアメリカでの第5弾アルバムに相当するロンドン盤もタイトルは「December's Children (And Everybody's)」だが、あちらと異なり、こちらは絶望的といってもいい程の知名度しか持ち合わせていないロック・バンドです。見るからにサイケデリック/ガレージの最後っ屁みたいな安直なジャケットに包まれたディッセンバーズ・チルドレンの唯一の作品が発表されたのが1970年(1968年発表という記事もあり)。メンバーはバルザー兄弟を中心とする5人編成でアルバム1枚の他、1枚のシングルも存在する。

バンドのメンバーの顔写真もないので性別すら判らないのだが、ブルース(BRUCE BALZER)とクレイグ(CRAIG BALZER)のバルザー兄弟が共にギター担当(クレイグはキーボードとヴォーカルも担当)。恐らく彼等2人がバンドの中心的存在なのだろう。他にベース担当のビル・ペッティ(BILL PETTI)、ドラムス/パーカッション担当のロン・パパルド(RON PAPALED)、それにヴォーカル担当のアリス・ポポヴィッチ(ALICE POPOVIC)なる人物。名前からして恐らく女性。東欧系の女性だろうか。他に「Afternoon」という曲でミスター・トラップス・リズミック・アンサンブルというグループが参加、タンバリン、マラカス、コンガ、テンプル・ブロック、カウベルといった楽器を担当してる。

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#0964 Under Milkwood / Under Milkwood (1970)

 2005-05-18
1. Empty Room
2. Changing Seasons
3. Tell Me
4. Forgotten Bridge
5. Parade
6. Sandwiches Rock'n'roll
7. Lost Youth
8. Ballad Of The Spirit Of The World
9. Final Song

Under Milkwood
Under Milkwood
posted with amazlet on 06.08.31
Under Milkwood
Akarma (2000/04/17)


得たいの知れないものを手に入れた。都内の某輸入CDショップの店頭で見つけたものだったが、輸入中古で800円程度。グロテスクで悪趣味なアルバムのジャケットが私の好みだった事もあり、レジに運んで購入したが、内容は1960年代末~1970年代初頭によくみられたガレージ風味のサイケデリック・ロック&アシッド・フォーク。時に調子外れのサックスが導入される素っ頓狂なジャズ・ロック風のアレンジもみられ、800円にしてはなかなかの出来だったので今回はこれを取り上げる。CD自体はイタリアの無骨な厚紙ジャケ・メーカーとして知られるアカルマ・レコーズ(Akarma Records)が復刻させたもの。ひょっとしてジャケットは当時のオリジナル・ジャケを復刻させたものではないかも?と思ったが、どうやらアカルマが当時のアンダーグランドな音楽シーンのイメージを勝手に連想して作ってしまったもののようだ。
彼等の名前はアンダー・ミルクウッド(Under Milkwood)。生まれは米カリフォルニア州サンフランシスコ。勿論、あの《サイケデリック》の発祥の地である。共同生活を行うヒッピー連中の中からグレイトフル・デッド、ジェファーソン・エアプレイン、クイックシルヴァー・メッセンンジャー・サーヴィス、ビック・ブラザー&ホールディング・カンパニーといった連中が飛び出して、ドラッグによるトリップ体験を基にした幻惑的な音楽を世に生産する訳だが、その一つにジェファーソン・エアプレインというバンドがあった。このバンドは1960年代中盤に元来フォーク・ロック・バンドとして結成されるも、時代の変化と共にアシッド色の強いサイケデリック・ロック・バンドへと変貌していったバンドだった。よってジェファーソン・エアプレインの初期の作品にはフォーク・ロック色的な色合いが見られるのが特色でもあった。

ジェファーソン・エアプレインに元グレイト・ソサエティのグレイス・スレック姉御がいたように、このアンダー・ミルクウッドにもクララ・マイルズという女性ヴォーカリストが存在していた。残念ながらアンダー・ミルクウッドでは彼女の出番はそう多くはないが、トラッド/フォーク・シンガーのような歌い方をする彼女の存在を聴くと、アンダー・ミルクウッドはジェファーソン・エアプレイン、あるいはフェアポート・コンヴェンションの音楽に刺激されて自らの音楽性を構築していったバンドのような気がする。1960年代の名残りのような音楽性も垣間見て取れる事から、バンドの結成は作品が発表された直前ではなく、アルバム発表の数年前から結成されていたのではないだろうか。いずれにせよ、アカルマからの復刻CDが超不親切なアイテムなので、結成からアルバム発表までの詳細が私には判らなかった。
いずれにせよ、アンダー・ミルクウッドはアルバムを発表する機会を獲得する事になる。1970年の事だ。しかも所属は大手レーベルのA&M。当時の編成はヴォーカル、ギター、ベース、ドラムス、キーボードの5人編成。メンバーの写真もCDには掲載されていないため、パーカッションも兼ねた女性ヴォーカリスト以外は性別も判らない。折角録音に漕ぎ着けたものの、残念ながら本作は当時正式に発表される事なく幻に終わっている。当時のレーベル、A&Mがゴー・サインを出さなかった訳だが、そりゃそうだろう。サイケデリックな時代には多少なりとも音楽的影響を受けたろうが、A&Mのカラーといえばソフトでメロウな音楽が専売特許。時代の後押しがあったとはいえ、トミー・リピューマやニック・デカロが幅を利かせていたA&Mではアンダー・ミルクウッドの出る幕は最初からなかったと言えよう。

■ Clara Miles - Lead Vocals, Percussion
■ John Thornam - Guitar, Vocals
■ Stephen Mallory - Guitar, Vocals
■ Robert Mickalsky - Drums
■ David Turner Jr. - Keyboards, Guitar, Vocals

■ Alphonse Barnet - Trumpet, Flute, Harpsichord
■ Mike Lewthorne - Tenor Sax

1970年にカリフォルニアのスタジオで録音が行われながらも、正式発売が見送られたアンダー・ミルクウッドのセルフ・タイトルによる唯一の作品がイタリアのレーベル、アカルマから発売。見開きの厚紙ジャケで収録は全部で9曲。全てメンバーのオリジナル曲。彼等が内包する音楽性とは場違いなレーベルと契約してしまったのがアダとなったのか、当時テスト・プレスのみで闇に葬られた作品。ちなみにバンド名《UNDER MILKWOOD》は英国のロマン派の詩人ディラン・トマス(Dylan Marlais Thomas、1914-1953)の死後発表された著作『Under Milkwood(ミルクの森で)』から取られたものだろう。読んだ事はないのだが、内容はどうやら長閑で牧歌的なものらしいのだが、悪趣味なジャケットはバンド名の由来とサイケデリック・サウンドを掛け合わせて考えられたものだろう。
兎に角、ジャケットからして正値で買うには勇気のいる作品だ。正味40分に満たない作品だが、1960年代末~1970年代初頭のなんでもありの様々なエキスが入り混じったごった煮の雑多な作品だ。正式なアルバム・デビューすら実現する事の出来なかったバンドのようだが、メンバーの手によるオリジナル曲の出来はそれ程悪くない。冒頭のナンバーはブルージーでラウドなテンポのよいガレージ・ロック・ナンバー。演奏のノリもいいし、冒頭の曲を聴いた限りでは本作が正式発表が見送られた内容の作品とは到底思えない。続いて曲はか細い声質の女性ヴォーカル、クララ・マイルズをメインとしたフォーキッシュなナンバーへと続く。前の曲とガラリとイメージが変わった、フェアポート・コンヴェンションのようなアコースティックなトラッド・ナンバー。地味な曲だが味わいのあるなかなかいい曲だ。

「Under Milkwood」のレビューを続けましょう。3曲目もクララと男性ヴォーカリストによるデュエットをフューチャーし、そしてブルージーで感傷的なアコースティック・ギターを伴奏とした曲。4曲目となるとゲスト奏者扱い(多分正式メンバーではないと思うが)のサックス奏者によるサックスとジミ・ヘンドリックスの影響下にあるようなファズのかかったギターとが交錯する、くたびれたナンバー。5曲はサックスとキーボード演奏、メンバーの声楽風コーラスが合体したけだるいナンバー。まったりとしたナンバーが続いた後、6曲目「Sandwiches Rock 'N' Roll」ではガレージ風にアレンジされたチャック・ベリーといった感じの演奏が披露される。2分にも満たない「Lost Youth」はかろうじてレーベル・カラーを思わせるドリーミーなポップ・ナンバー。
8曲目の「Ballad of the Spirit of the World」は本作中最も長大なナンバーでクララとキーボード奏者のターナーJRによる共作曲。ベースとドラムスによるファンキーなリズム・セクション(CDにはベース奏者のクレジットが何故かない)をバックに素っ頓狂なサックス演奏が加わるユニークなナンバーだ。ラウドなギターも加わるが、これがまるでギャング・オヴ・フォーのアンディ・ギルのような掻きむしるようなギター奏法。素っ頓狂なサックス演奏とエッジの尖ったギター演奏とのギャップがなんとも言えぬ味を出している。そしてアルバムはエンディングを迎える。文字通りの「Final Song」だ。サイモン&ガーファンクルやママス&パパスのような展開の曲をガレージ・サイケ調に無理やりアレンジしてみせたかのようなエンディングだ。纏まりの無さは流石は没になっただけの事はある。

レーベル・カラーと合わなかったにせよ、テスト・プレスだけで正式発売が見送られただけあって統率間の無さは当然だが、曲のレベルが結構水準レベルの出来なので、リスニング後の感想は悪くない。ブルース、フォーク、ジャズ、ロックンロール、ハード・ロック、サイケデリックアシッド・ロック、ガレージ、等々。こうしたサウンドのエキスがだらしなく入り混じった1960年代末~1970年代初頭の雑多な質感がたまらなく好きな人にはレアな作品であるには違いないと思うが、、、私は800円で買ったからなあ。
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未確認・不確定な事でも堂々と書いてしまう無責任洋楽ブログ。根は洋楽ミーハーCottonwoodhillは感覚派B型人間なので記事の整合性が欠ける場合多々有り。過去の記事への不快なコメントなどは問答無用で削除します。

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