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《紙ジャケ》イセベルグ ICEBERG《Papersleeve》

 2019-10-25
2019年11月25日予定

ツタンカーメン組曲
ツタンカーメン組曲
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イセベルグ
ベル・アンティーク (2019-11-25)
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コセス・ノストレス
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イセベルグ
ベル・アンティーク (2019-11-25)
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センチメンツ(感傷)
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イセベルグ
ベル・アンティーク (2019-11-25)
売り上げランキング: 58,110

マーキー/ベル・アンティーク提供。スペインのプログレッシヴ~ジャズ・ロック・バンド、イセベルグの1975年発売のデビュー作以下、3作。価格は¥3,457円。買います。

#0894 Iceberg / Sentiments (1977) ottonwoodhill 別別館

YouTube - Iceberg / Tutankhamon (Álbum completo)
YouTube - Iceberg / Coses nostres (1976) - FULL ALBUM
YouTube - Iceberg / Sentiments [1977] (Full Album)


《紙ジャケ》アッティラ(ATILA)《Papersleeve》

 2019-07-25
2019年8月25日予定

終焉の兆し
終焉の兆し
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アッティラ
ベル・アンティーク (2019-08-25)
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インテンシオン
インテンシオン
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アッティラ
ベル・アンティーク (2019-08-25)
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復活
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アッティラ
ベル・アンティーク (2019-08-25)
売り上げランキング: 28,580

マーキー/ベル・アンティーク提供。スペインのプログレッシヴ・ロック・バンド、アッティラの1st〜3rdアルバム。価格は¥4,536円、3,394円、3,394円。

YouTube - Atila / The Beginning Of The End (1975)
YouTube - Atila / Intención (Álbum completo)
YouTube - Atila / Reviure 1977 Full Album wmv

#1374 Rockcelona / La Bruja (1978)

 2011-01-03
01. La bruja
02. Lovespell
03. Colt 45
04. Magbalino
05. Hombre triste
06. Tierra de fuego
07. Buscándote Rock 'n' Roll
08. Queen, Friend and Dread

Rockcelona / La Bruja

今回紹介するバンドはスペインのロック・バンド。しょうこりもなく今回もアルバム1枚限りで消滅してしまったバンドである。連中の名前はロックセロナ(ROCKCELONA)。オリジナルは1978年のアルバムを1枚だけ。ジャンル的にはガレージ・ロックともプロト・パンクとも。『まて、1978年でガレージ・ロックとかプロト・パンクなんておかしいじゃないか』と言う人、確かにごもっとも。だが、これもスペインの国政事情をよく調べるとなんとなく理解出来る。これまでスペイン出身のロック・バンドを紹介する際に度々触れてきたが、念のため再度触れておく。ロックの先進国米英では1960年代前半にビートルズがデビュー、ローリング・ストーンズやアニマルズらが続いて俗に言うブリティッシュ・インヴェイジョンなるムーヴメントが巻き起こってアメリカのポップス・シーンに衝撃をもたらす。1967年にモンタレー・ポップ・フェスティバルが開催。これ以降、米発のサイケデリック・サウンドが世界中を席巻。

フラーワー・ムーヴメントの中から登場したヒッピー達の中には純粋に音楽に目覚めた連中が台頭、やがて彼等はアート・ロックと呼ばれる、よりアート志向の強いロックを演奏し始める。そしてジャズ・ロックやブルース・ロックの台頭。1969年にウッドストック・フェスティバルの開催。1970年を前後してハード・ロックやプログレッシヴ・ロックと呼ばれるジャンルの音楽が台頭。1970年代前半にはハード・ロックやプログレッシヴ・ロックの全盛期、そしてグラム・ロックと呼ばれる、よりエキセントリックな音楽が台頭する。この後、米英では急速にロック市場が肥大化して、ビック・セールスを記録するアルバムが数多く出現するが、これらの動きに対応するアンチテーゼの如く、パンク・ロック、そしてニュー・ウェーヴ(若しくはポスト・パンク)と呼ばれる音楽が若者の支持を受ける事になる。1970年代後半の特にイギリスにおけるパンク・ロックの台頭の陰には当時のイギリス国内の経済問題や政治問題が大きく影響を及ぼしていたのだが、まあこの辺には今回は余り触れない。

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《紙ジャケ》エスプレンドー・ジオメトリコ Esplendor Geometrico 第二弾《Papersleeve》

 2010-02-11
2010年3月15日予定

エスプレンドー・ジオメトリコ(Esplendor Geometrico)
エン・ディレクト・マドリード&トロサ En Directo: Madrid Y Tolosa
コスモス・キノ Kosmos kino
メカノ・ターボ Mekano-Turbo
マドリード・V '89 Madrid Mayo '89
ライヴ・イン・ユトレヒト Live in Utrecht

E.G.Box 1
E.G.Box 2

エン・ディレクト・マドリード&トロサ En Directo: Madrid Y Tolosaコスモス・キノ Kosmos kinoメカノ・ターボ Mekano-Turboマドリード・V '89 Madrid Mayo '89ライヴ・イン・ユトレヒト Live in Utrecht

CAPTAIN TRIP RECORDS 提供。スペインのインダストリアル・ミュージック・バンド、エスプレンドー・ジオメトリコの初期10タイトルが二回に分けて復刻される模様。今回はその第二弾。詳細はここをどうぞ。価格は¥2,500円(税込み)。

《紙ジャケ》エスプレンドー・ジオメトリコ Esplendor Geometrico 第一弾《Papersleeve》

 2009-11-10
2009年12月10日予定

エスプレンドー・ジオメトリコ(Esplendor Geometrico)
Eg1
政党の鉄則
栄光のコミッサー Comisario de la Luz
1980-1981アーリー・レコーディングス
エン・ローマ En Roma

Eg1政党の鉄則栄光のコミッサー Comisario de la Luz1980-1981アーリー・レコーディングスエン・ローマ En Roma
esplendor geometrico

CAPTAIN TRIP RECORDS 提供。スペインのインダストリアル・ミュージック・バンド、エスプレンドー・ジオメトリコの初期10タイトルが二回に分けて復刻される模様。詳細は上のリンクをどうぞ。価格は¥2,625円(税込み)。

《紙ジャケ》イトイス、イツィアール SHM-CD《Papersleeve》

 2009-09-23
2009年10月25日予定

イトイス/ファースト
イトイス/エゼキエル
イトイス/アルコレア
イツィアール/イツィアール

ファーストエゼキエルアルコレアイツィアール

マーキー/ベル・アンティーク提供。スペインのプログレッシヴ・ロック 2種。SHM-CD仕様。価格は¥3,300円(税込み)。異国情緒さ含むスパニッシュ・ロック。個人的にも嬉しい発売ですが、私の場合、彼等はCD時代になってから知ったので、この価格を出して紙製のケースを買うべきかは悩む所です。アナログ・レコード自体に思い入れはないし、、、、、。発表年は順に1978年、1980年、1982年、1978年。

#1250 Miguel Ríos / Al-Andalus (1977)

 2008-03-23
01. Al-Andalus
02. Azahara
03. Un dia en Mojacar (Parte 1 "Con Chipo" - Parte 2 "La muerte verde")
04. Balada de la alondra y el gavilan
05. El cinco a las cinco
06. Guadalquivir
07. La blanca oscuridad

Miguel Ríos / Al-Andalus

2007年12月、A&Mのカタログから1960年代~1970年代のヒット曲に的を絞ったコンピレーション・ボックスが登場した。タイトルは「A&M 60's&70's シングル・ボックス」。CD5枚に計100曲が収録されたものだったが、同時代に多感な青春時代を過ごした世代にとってはどれも懐かしい気持ちに浸れる様な曲ばかり。さて、この中に「歓喜の歌 (A Song Of Joy)」という曲が収録されている。歌っているのはスペインの国民的歌手のミゲル・リオス(Miguel Ríos)。どんな曲かと言えば、毎年年末が近づいて来ると至る所から聞こえてくるルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンの交響曲第9番ニ短調作品125、通称”第九”の第4楽章の主題『歓喜の歌』を大胆不敵にも歌ってしまったもの。指揮はポップ・クラシック系の分野で数々の業績を残したアルゼンチン出身の作曲家/指揮者のワルド・デ・ロス・リオス(Waldo De Los Rios)で演奏はワルド・デ・ロス・リオス・グランド・オーケストラ及び合唱団。

ミゲル・リオスが歌う「歓喜の歌」はスペイン発のシングルでありながら1970年当時、全米シングル・チャートで最高14位、アダルト・コンテンポラリー部門では堂々1位を獲得してしまった逸話を持つ。また、当時日本でも「よろこびのシンフォニー<第9>」の邦題でシングル化され、オリコンのヒット・チャートで最高75位をも記録している。まあ正直やったんも勝ち、とった感がしないでもない曲だが、この曲を聴いて1970年当時を懐かしく思う人も多いだろう。ところでこの人、今ではスペイン国内におけるロック/ポップスのパイオニア的存在として知られている、言わばスペインの国民的歌手というべき存在だそうで、この人が作品を発表したりツアーを行なったりすると音楽系サイトだけでなく、国際ニュースを扱うサイトなんかでも時々名前が踊る程だという。通常ならプログレッシヴ・ロックの好きな方から注目を浴びる様な人ではないのだが、一時期この人、プログレッシヴ・ロック系のサウンドに接近してその筋のファンに好かれそうな作品を発表していた時期があったのだ。

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#1112 Gualberto / Vericuetos (1976)

 2006-12-24
1. Luz De Inverno
2. Continuando El Dialogo
3. !Corre, Vuela, Que Pillo!
4. Noche De Rota
5. La Manana Siguente

Vericuetos

一般的には情熱の国とか或いはフランコ政権による軍事独裁政権が長く続いていた国といったイメージで語られるケースも多い、ヨーロッパ大陸の南西部、イベリア半島の大部分を占めるのがスペインという国。ポルトガルとフランスに挟まれた同国からも他の欧州諸国に負けず劣らず素晴らしいロック・アルバムが沢山排出されているが、言葉の問題なのかこれまでスパニッシュ・ロックが表だって音楽メディアなどで積極的に取り上げられる機会は多くはなかったと思う。スペイン出身のロック・バンドといえばトリアナやグラナダ、ゴシック(ゴティック)といったバンドがこれまでプログレッシヴ・ロック・ファンの間で語られてきたが、スパニッシュ・ロックの歴史に名を残してきた彼等の名作でさえイギリスやアメリカのロック・バンドの作品が語られる機会に比較すると圧倒的といっていい位に機会が少ないと思う。同じ欧州の中でも例えばオランダやデンマークなどは地理的にイギリスと近接しているため、ブリティッシュ・ロックの影響を受けたバンドも少なくはなかった。

オランダなら初期のアース&ファイアやショキング・ブルー、そしてフォーカス、ゴールデン・イアリング、カヤック、トレース、デンマークならエイク、カルペパーズ・オーチャード、ミッドナイト・サン、分裂以前のサヴェイジ・ローズなど、ブリティッシュ・ロックや英プログレッシヴ・ロックからの影響を大なり小なり引き継いだ彼等のようなバンドは一般のロック・ファンにも抵抗なく受け入られるような音楽性を内包していたのである。だがスペインはどうだろうか。ご承知の通り、スペインでは戦前から1970年代半ばまで独裁者フランコによる長き軍事政権が続いていた。イギリスやアメリカでビート・サウンドやサイケデリック・ミュージックが盛んになり、ロックが誕生した時でさえ、スペイン国内では軍事政権が続いていたのである。勿論軍事政権の目を逃れるようにロックを演奏していた若者もいたとは思うが、そうした国の状況もあって同国で活動するロック・バンドが音楽雑誌などを通じて私達の前に紹介される機会は殆どなかったのである。

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#0939 Granada / Valle Del Pas (1978)

 2005-02-26
1. No se si debo
2. Brave silueta de color carmin
3. Noches oscuras, ocas contentas
4. Himno del sapo
5. Valle del pas
6. Calle betis (Altardeciendo)
7. Ya llueve

2178.jpg

1970年代のスパニッシュ・ロックを代表するプログレッシヴ・ロック・バンドと言えば先日取り上げたトリアナ、そして1970年代の中~後半に3枚の作品を発表したグラナダ(Granada)が代表格だろう。共にスペインの風情を取り入れた味わいのある作品を発表したバンドであり、両者とも南スペインのアンダルシア地方の都市名をバンド名としてしまったバンド。郷土の歴史や文化をこよなく愛する音楽家によって結成され、共にスタート当初民族音楽色豊かな味わいを特色としていたが、時代の変化と共にロック的なアプローチやプログレ的な色彩感覚を強くしていき、垢抜けた作品を発表するようになっていったが、1983年にメンバーの事故死によって解散するまで不動のメンバー体制を形成していたトリアナとは違い、作品の発表毎ごとにメンバーが変わっていたのがグラナダ。故に鉄壁の布陣とはゆかず、バンドの歴史自体はトリアナよりも短命に終わっている。
世界遺産の古い町並みがある事で広く知られる、スペイン随一の観光スポットといえる都市グラナダの名前をバンド名としてしまっただけに、彼等もまたアンダルシア地方の末裔かと思いきや、実は北スペインのカンタブリア地方出身のバンドだそうだ。カンタブリアはカンタブリア海を見渡す地域にある事もあってか過去スペイン王室御用達の避暑地だった事もあり、現在ではリゾード地としても有名らしい。アンダルシア地方ともバスクとも違う、これまたカンタブリアならではの地域性があるようだ。リゾード地として名高い地域出身のバンド、と思いながらグラナダのサウンドを聴くと彼等の音楽性の一片が見えてくるかもしれない。こうして考えてみると、一つの国であっても出身地域によって随分と文化背景も違うようだが、遡り過ぎるとスペインの血生臭い歴史に突き当たるので、これ以上の詮索はやめよう。

さて1975年に最初の作品を発表したトリアナ同様、グラナダも最初の作品は1975年。グラナダというバンド自体はどうやら1970年代の前半から活動を開始していたようだが、最初の作品を発表するまでは時間がかかっている。だが、これも当時のスペインの国内情勢を考えれば合点がいく。スペインは1939年にフランコ政権が確立してからは民主主義を否定した保守的・伝統主義的なイデオロギーを背景とした独裁政治体制が長く継続するのであるが、1975年にこの独裁者フランコ将軍(晩年は痴呆症、ようするにボケ老人)が死去した事を契機に自由化・民主化が進む事になる。この当時の時代の流れがスペイン国内のプログレッシヴ・ロック・バンドだけでなく、クリエイター/アーティスト達の活動の追い風となった事は想像に難くない。
フルート、バイオリン、キーボードなどを担当するバンドのリーダー格カルロス・カルカモ(Carlos Carcamo)率いるグラナダは民主化の追い風を受けて1975年に最初の作品となる「Hablo De Una Tierra」を発表している。当時のメンバーはカルカモの他、Michael Vortreflich(ギター)、Antonio Garcia Oteyza(ベース)、Juan Bona(ドラマー)で、デビュー作では曲によりゲスト奏者としてヴォーカル、ギター、マンドリン、スパニッシュ・ギターなどを担当する演奏家が参加して作品の完成に寄与している。当時の音楽世界における流行を背景としたジャズ/フュージョン系のサウンドをバックとしたジャズ・ロック寄りの傾向で、更にスパニッシュ・ロック・バンドらしくスペインの土着的なフォーク・サウンドが絡み合うなど、荒削りながらもなかなか聴き応えのある作品。

次回作となる「Espana Ano 75」は翌1976年に直ぐ発表されている(ギタリストが交代している)。前作ではヴォーカリストが参加した為、一部の曲で歌詞有りの歌曲物があったが、本作ではオール・インストのインストゥルメンタル・ロック作品として成り立っている。ゲスト奏者はサックス奏者のみだ。火山が噴火したジャケットを担当したのはトリアナの「Hijos del Agobio」のジャケも手がけたマキシモ・モレノ。前作から1年しか経過していないのだが、スペイン民主化の波はグラナダの音楽性にも影響を及ぼしたのか、よりスタイリッシュなジャズ・ロックへと音楽性を変貌させている。ヴォーカリスト抜きのインストゥルメンタル・ロックとなった事も影響したのだろう。ちなみに片面(旧A面)は4部構成による組曲形式の大作。

■ Carlos Basso - Acoustic & Electric Guitar
■ Julio Blasco - Bass
■ Antonio Rodriguez - Drums, Percussion
■ Carlos Carcamo - Keyboards, Flute
■ Joaquin Blanco - Gaitas, Bassoon

「Espana Ano 75」の2年後、グラナダは通算3作目となる作品「Valle Del Pas」を発表するが、結局これがグラナダ最後の作品となってしまった。メンバーは自身がグラナダそのものと言ってもよいカルロス・カルカモ以外は前作からすっかり一新され、バンド自体はガイタ(スペインの民族楽器でバグパイプの一種)やバスーンを担当するメンバーを含めた5人編成となっている。ちなみに新ドラマーのアントニオ・サミュエル・ロドリゲスは1960年代後半から1970年代前半の間にスマッシュというサイケデリック・ロック・バンドの一員として、更にスペイン・セビリア出身のイエス抵牾のゴマ(ゴーマ)というバンドのドラマーとして1975年の作品「14 de Abril」に参加した人物でもある。本作も前作同様、歌詞無しのオール・インストゥルメンタル・ロック。
グラナダの音楽的ベースである、ジャズ・ロック的なアプローチはグラナダの最終作でもある本作「Valle Del Pas」でも勿論邁進されている。そして欧米のジャズ・ロック系バンドと差別化を図るような、ユーロ・ロック独特のエキゾな色彩感覚も充分に盛り込まれた粋な作品だ。僅か約1年しかインターバルがなかったにも関わらず、グラナダの1作目と2作目の間では随分と洗練性の度合いが変わっていたが、本作でも同様。ごった煮の1作目、ジャズ・ロック的なアプローチがより強く現れた2作目も視点ポイントを変えればいずれも秀作として評価できようが、本作ではジャズ・ロック的なアプローチは勿論の事、オーケストラを果敢に導入したクラシカル(シンフォニック)なアレンジが施されている。

クラシック(オーケストラ)とロックの融合、といえば「Valle Del Pas」以前にも多くの作品が製作されているが、その殆どが大編成のオケの前にロック・サイドの演奏が他愛もなく埋没してしまっているが、本作「Valle Del Pas」ではクラシカル・パートが見事なまでにグラナダのサウンドの一部として溶け込んでいる。非常に心憎いばかりだ。プロデュースを受け持ったゴンサロ・ガルシアペレイオの力量の成せる技であろうか。私もこれまでオケとロックの融合を試みた作品を随分と聴いてきたが、水と油の関係のように大概は互いを受け入れる事なく相互に演奏を披露してしまう事に終始してしまうのであるが、本作での演奏は稀に見る溶け込み具合。これもカルロス・カルカモが特定のジャンルに拘る事のない幅広い音楽見識を持っていた事の証でもある。
仮に欧州産のオケ入りのプログレッシヴ(シンフォニック)・インストゥルメンタル・ロック系作品でランク付けをしたとして、「Valle Del Pas」はかなり高い位置にランク付けされる作品と言ってもよいだろう。カルロス・カルカモ一人のワンマン・バンドといっても過言ではないバンドだけに、彼の個人的な趣味が全開した作品なのだろう、ジャズ、ロック(プログレ、シンフォ、エレクトロニクス)、クラシック、フォーク/トラッド、ロックンロールなどのエキスが半ば強引に展開される様は個人的には痛快と感じた。だが時にキャメルを彷彿とさせるような叙情的なアレンジが登場するなど、演奏テクニックの有らん限りを披露した類の作品ではない事は付け加えておきたい。スペインの風情を反映したエキゾチックな観点ではデビュー作を採りたいが、プログレッシヴ・ロックとしての出来栄えは本作が屈指の出来。名作。

#0937 Triana / Hijos Del Agobio (1977)

 2005-02-17
1. Hijos Del Agobio
2. Rumor
3. Sentimiento De Amor
4. Recuerdos De Triana
5. Ya Esta Bien!
6. Necesito
7. Sr.Troncoso
8. Del Crepusculo Lento Nacera El Rocio

2206.jpg

スペインのアンダルシア地方を発祥地とするロマ(ジプシー)の民族舞曲フラメンコを大胆にロック・ミュージックに取り込んだスペインを代表するプログレッシヴ・ロック・バンドの一つがトリアナ(Triana)。アンダルシア地方の中心都市の一つでもある地名をそのままバンド名としてしまっただけあって、郷土の民族音楽フラメンコのエキスがたっぷり詰まった彼等の音楽は他の追従を許さぬ程のレベルの高いサウンド。ギターX歌X踊りの三位一体で構成される事で有名なフラメンコの音楽を取り込んだロックの事をカテゴライズするのが好きな人達は俗にフラメンコ・ロックなどと呼ぶのですが、フラメンコ発祥の地であるアンダルシア地方の都市名をバンド名とするトリアナは流石本家本元というべきか、フラメンコ・ロックの頂点に立つバンドと言ってもよいかもしれません。
異国情緒なエキスを真骨頂とするトリアナの結成は1974年。ビスケー湾、そしてナント市(フランス)の向うに位置する大英帝国からのプログレッシヴ・ロック勢のサウンドに影響を受けて結成されたバンドであろう。トリアナは Los Payos や Tabaca といったバンドの元メンバーによって構成されたトリオ編成のバンド。トリオ編成のプログレッシヴ・ロック・バンドと言えば英国の ELP やELPの亜流バンドを含めたキーボード・サウンド主体のエキセントリックなロックを即座に連想するのであるが、こうしたバンドとトリアナが決定的に違う点と言えば、スパニッシュ・ギター(フラメンコ・ギター)を担当するギタリストが正式メンバーとして存在しているところだろう。他にキーボード/ヴォーカル担当者とドラム奏者。エレキ・ギターとベースは原則的にゲスト参加の演奏者でまかなっている点が非常にユニークな発想だ。

1974年に結成されたトリアナは翌1975年には早くも最初のアルバムとなる「El Patio」を発表している。メンバーそれぞれがトリアナ以前にバンド活動を展開していたからなのか、デビュー作らしからぬ手馴れた演奏が大変魅力的な作品だ。フラメンコという民族音楽を見事なまでにロックのフィールドに溶け込ませてみせた名作として名高いデビュー作を発表後、地方のクラブ周りを展開するなどの精力的な演奏活動を展開する。地方公演巡回中と書けば聞こえは良いが、ようするにドサ回りをデビュー直後から展開していたトリアナは1976年早々にはスペインの首都マドリードに乗り込み都会の観客の前でパフォーマンスを披露している。恐らくはこの公演はトリアナの連中にとっても大きなイベントだったに違いない。
一般的に我等がスペインという国の名前から短絡的に連想しまう《フラメンコ》。アホな私はスペイン全土でフラメンコが盛んで『オレ!オレ!』とスペイン人の誰もが陽気で明るく情熱的、と連想してしまうのであるが、このスペイン人に対する印象は本来ならば南スペイン、ようするにアンダルシア地方のみに対するものでしかない。スペインの首都マドリードが存在する中部地区やバルセロナ(北東部)、サラゴサ(北部)などが存在する地域の方がアンダルシア地方よりも遥かに国土面積が広いのである。スペイン北部の文化はフランスからの影響もあるだろう。だからアンダルシア《地方》に伝わるスペインの民族音楽を自らの音楽性のベースとした音楽が都会の観衆の前で受けるかどうかはトリアナのメンバーにとっても挑戦だったに違いない。

デビュー作から2年後の1977年にトリアナは2作目となる「Hijos Del Agobio」を、再び2年後の1979年には3作目となる「Sombra Y Luz」を発表する事になるが、一般的にはこの初期3作までが、プログレのフィールドで語られる作品との評価だ。地方巡業からスペイン全土での公演の機会が増えれば増える程、自らの音楽性に大衆性というか万人に判り易いポップなエキスが注入されるのはある意味必然だろう。トリアナが結成された1974年と言えばプログレがまだ旬な時代であったが、時代を追うごとにブームとしてのプログレは衰退し、AORなどの耳に心地良いメロウな音楽が台頭してきた時代背景も彼等の音楽性の変化に微妙に影響を与えたのであろう。時代の潮流を読んでのポップ化である故、当時の彼等の姿勢は今の感覚で責める事は出来ない。
この後、1980年に「Un Encuentro」、1981年と1983年に「Triana」「Liego El Dia」と3枚のアルバムをトリアナは発表する事になるが、キーボード奏者のヘスス・デ・ラ・ロサの事故死によって解散を余儀なくされている。ところで、この1980年代前半のトリアナの作品はプログレのフィールドで語られる事は殆どないが、異国情緒なエキスを盛り込んだスパニッシュ・ポップスとして聴けば、正直出来は悪くないと思う。事実大衆性を盛り込んだ後期トリアナの人気は母国においては不動の地位を築きあげたとか。私はトリアナの6枚組ボックス・セットで一気に聴いてしまったのだが、プログレ・マニアが陥り易い近視眼的な見方ではなく、一歩下がってスパニッシュ・ポップスの一部として受け止めれば出来はそう悪いレベルではないと思う。

■ Eduardo Rodriguez - Guitar, Vocals
■ Juan Jose Palacios - Drums, Special Effect, Moog
■ Jesus De La Rosa - Vocals, Keyboards, Guitar

■ Antonio Perez - Guitar
■ Manolo Rosa - Bass, spanish guitar on 8
■ Enrique Carmona - Introduction Guitar

本作「Hijos Del Agobio」はトリアナ通算2作目の作品で1977年に発表された。トリアナの初期3作はプログレ・ファンを中心に何れも人気が高いが、やはり一般的な評価では本作のチョイスがベストだろう。ちなみに既に個人であるキーボード奏者のヘスス・デ・ラ・ロサは3人の中で一番若く、この「Hijos Del Agobio」の時点で29歳。収録曲は全部で8曲で大半が音楽面でのリーダーでもあったヘスス・デ・ラ・ロサの作品。デビュー作のジャケットのアート・ワークもこってりとしたイメージの作風であったが、本作では前作を上回る濃い作風のグロテスクなイメージ。悪魔の行進の向うに見えるのはキリストであろうか。スペイン語の意味が判らないのですが、なにか宗教的な意味合いを持つ作品なのかもしれない。
異形の悪魔達がジャケットに描かれたアート・ワークから誰が何を想像するのか判らないが、基本的には前作「El Patio」の内容を踏襲する、アンダルシア地方の民族音楽フラメンコの音楽性を盛り込んだスパニッシュ・シンフォニック・ロックという形態を本作でも保っている。トリアナ最大の特徴であるスパニッシュ・ギター(フラメンコ・ギター)の音色は本作でも健在で、この風土色豊かな生楽器サウンドが本作の哀愁さ・異国情緒を見事に演出している。それと前作から2年の歳月がトリアナの音楽性に微妙な変化を与えたのか、アナログな音色ではあるがエレクトロニクスな演出や、更に叙情性豊かなシンフォニック・サウンド、アヴァンギャルドなアレンジなど、アルバム発表までの2年の期間が無駄ではなかった事を証明する幅広いサウンドが展開する事になる。

フラメンコを生み出したロマ(ジプシー)達の歴史は迫害の歴史でもある。そんな逞しい生き様の一端を垣間見せるアンダルシア地方の民族音楽のエキスを取り込んだフラメンコ・ロックという言葉にあくまでも拘るのならエキゾチックな前作「El Patio」の方をまずは採るのが得策であろうが、よりインターナショナルな表現という意味ではやはり本作を採る。40分にも満たない収録時間が恨めしいが、個性的なサウンドは絶品。フラメンコ独特のメランコリックな色彩感覚は前作よりは減退しているが、ロック的な要素が盛り込まれた聴き易いアレンジが施されているのが特徴。オリジナルティの基本を何処に見出すかによって評価も分かれようが、何れにしてもスパニッシュ・プログレ・シーンを代表する名作である事には違いない。
アルバムを発表する事に減退していくアンダルシア地方譲りのサウンド・エキスとインターナショナルな表現手法とのバランスさ加減はアルバムを聴く事に変化する事になるのだが、個人的には作品の評価のマイナスの材料とはならない事は上でも書いた。情熱的でエキゾチックな色はどのアルバムでも根底は普遍だ。今回私はトリアナ全作を「Coleccion」(Fono Music)という6枚組ボックス・セット(結構安いのでお得だがジャケットの一部がトリミングされている)を聴いた上でレビューしているのだが、プログレ・ブームの栄枯盛衰がトリアナの音楽性にも影響を及ぼしたのか、作品が発表された時期によって表面的な音楽性は若干変化するものの、根底に流れる熱い血は同じと感じた。それとスパニッシュ・ギターに腕前はまあまあ。パコ・デ・ルシアのような天才とは比較してはならない。
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未確認・不確定な事でも堂々と書いてしまう無責任洋楽ブログ。根は洋楽ミーハーCottonwoodhillは感覚派B型人間なので記事の整合性が欠ける場合多々有り。過去の記事への不快なコメントなどは問答無用で削除します。

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