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#1451 Loredana Bertè ‎/ Original Album Classics (2010)

 2014-01-04
[Normale O Super]
1.Sei Bellissima 2. Serenade 3. Per Effetto Del Tempo 4. Gli Orologi 5. L' Attrice 6. Meglio Libera 7. Indocina 8. Aiutami 9. Adesso Che E Mattino 10. Brucerei 11. Piccola Io 12. Spiagge Di Notte

[Bandaberte]
1. ... E La Luna Bussò 2. Robin Hood 3. Peccati Trasparenti 4. Colombo 5. Prendi Fra Le Mani La Testa 6. Folle Città 7. Agguato A Casablanca 8. Dedicato 9. Macchina Del Tempo

[Loredana Berté]
1. In Alto Mare 2. Un Po' Di Tutto 3. O Angelo Mio 4. Prima O Poi 5. Io Resto Senza Il Vento 6. Buongiorno Anche A Te 7. Dicembre 8. Diverse Libertà 9. Bongo Bongo

[Made In Italy]
1. Movie 2. Ninna Nanna 3. Lontano Da Dove 4. Amica Notte 5. La Goccia 6. La Tigre 7. Cantero 8. Number One

[Traslocando]
1. Per I Tuoi Occhi 2. Stare Fuori 3. Madre Metropoli (Les Caves De L'Amour) 4. I Ragazzi Di Qui 5. Stella Di Carta 6. Traslocando 7. Non Sono Una Signora 8. Notte Che Verrà 9. J'Adore Venice 10. Una

Original Album Series

ビョルン・ボルグ(Björn Borg)って、知ってますかね。知っている人はもう結構な年だと思いますけど、かつて1970年代、私はテニスの試合を見るのが好きでウィンブルドン選手権なんか欠かさず見ていた時期がありました。 アメリカのジミー・コナーズやジョン・マッケンロー、ルーマニアのイリ・ナスターゼ、アルゼンチンのギリェルモ・ビラスらが当時の有名選手でしたが、そんな時代の頂点に立っていたのがスウェーデンのビョルン・ボルグでした。通称”アイス・マン”と呼ばれる冷静沈着なプレイが真骨頂の選手で、当時の女子の有名選手でもあったクリス・エバート・ロイド選手も”アイス・ドール”と呼ばれていました。静のビョルン・ボルグやクリス・エバート・ロイドと動のジョン・マッケンローやマルチナ・ナブラチロワとの白熱した試合は今でも脳裏にやきついています。で、そのビョルン・ボルグの私生活についてですが、彼は1980年にルーマニアの女子テニス選手、マリアナ・シミオネスク(Mariana Simionescu)と結婚しています。

彼女は1980年のジャパン・オープン・テニス選手権でオーストラリアのネリダ・グレゴリー選手を破って優勝した事もある女子選手でしたが、この年を最後に引退。よき伴侶として夫を支えようと考えたのでしょうが、4年後の1984年に離婚。この後、ボルグはスウェーデン・モデルの Jannike Björling との間に子供を授かった後、ロレダーナ・ベルテ(Loredana Bertè)というイタリア人女性歌手と1988年に婚約、1989年に結婚している。今回の主役はこの女性。ロックからポップス、レゲエ、ファンクと様々なジャンルの音楽を渡り歩いてきた、いわゆる問題児的存在。男性関係もお盛んで、昔からゴシップネタを振りまいてきたという。画像検索すれば分かると思うが、近年はどうやら整形を繰り返して、言葉は失礼だが、なんだか妖怪か鬼婆みたいな風貌になってしまっている。若い頃は綺麗な顔をしていたのにね。なんで女性って、こんな事を決断してしまうのだろうか。もともと綺麗なのだから、年を重ねても綺麗な壮年女性になると思うのだが、整形する女性って、そうは考えないのかね。

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#1450 Randy Pie / Highway Driver + Fast/Forward (1974, 1977) (2007)

 2014-01-04
[Highway Driver] 1974
01.Microfilm
02.Super Sid YouTube
03.Highway Driver  YouTube
04.Winter Song
05.It's A (Civilised) World
06.Sophisticated
07.Time Machine

[Fast/Forward] 1977
08.Stand Up YouTube
09.Hijacked
10.Back Street Boy
11.Star Attraction
12.Name Of The Game
13.Work It Out
14.Hot Afternoon
15.Trust
16.Fast Forward

Highway Driver
(注:2作目のジャケのみ表示)

ドイツはハンブルグ出身のバンド、ランディ・パイ(Randy Pie)。初めて、このジャケットを見た時には、どうせドイツのバンド、それも1970年代前半デビュー組のバンドなのだから大方ドロドロやさぐれ系のよくあるジャーマン・ロック・バンドなのだろう、とタカを括っていたが、なんの事はない、ある意味でドイツらしからぬAOR風情のジャジーでファンキーなロック・バンドだった。日本のロック・ファンは1970年代前半のドイツのバンド、などと書くと熱心なユーロ・ロック・ファンに限ってアモン・デュールとかカンとかファウストとかノイとかクラスターといったバンドを安直に連想してしまいがちだが、実際にはそうしたバンドは少数派で実際には米英のチャートと然程変わらない様相であったらしい。なのでランディ・パイというバンドも(多分)当時は主流のバンドのひとつとして音楽シーンの中で動き回っていたのだと思う。それに彼らはシングル1枚やアルバム1枚で短命に終わった一発屋ではないのだ。1970年代に6枚、1980年代に再結成して1枚ものアルバムを発表しているのだから立派なバンドである。

彼らの結成は1972年だが、歴史を遡ると1960年代当時のドイツで活躍していたラットルズ(The Rattles)というバンドに起源を置く。ラトルズじゃないよ、ラットルズ。このバンド、日本では馴染みの薄いバンドだが、驚くなかれ、1960年に結成されて西暦21世紀を超えても尚、活動を継続しているバンドなのだ(今も現役かは不明)。更に結成当初のメンバーにサイケデリック/ドローン系の大家、アキム・ライヒェル(Achim Reichel)がいた事でも知られている。このラットルズはイギリスのビート・バンド・ブームに触発されたビート・グループで、「Sticks and Stones / Johnny Be Good」「Baby, That Is Rock'n Roll / Everybody Loves a Lover」「Do Wah Diddy Diddy / Betty Jean」「Memphis Tennessee / Twist and Shout」などのロックンロール・シングル(タイトルからして、あまりオリジナル志向のバンドではなかったようである)を多数発表した後、1960年代後半に解散。その後、1970年に再結成を果たし、「The Witch / Get Away」というシングルをフォンタナから発表した後、商業面で新たな成功を掴んだようだ。

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#1449 Joanne Vent / The Black And White Of It Is Blues (1969)

 2013-06-16
01. God Bless The Child YouTube
02. Bet No One Ever Hurt This Bad
03. Love Come Down
04. You Can’t Change
05. Ninety Nine And A Half
06. It’s Man’s World YouTube
07. Weak Spot
08. I Love You More Than You’ll Ever Know
09. Stormy Monday
10. Can’t Turn You Loose
11. Gloomy Sunday

The Black And White Of It Is Blues

なんの先入観もなく、ディスクユニオンの店頭で手にして購入を決断した1枚。彼女の名前はジョアン・ヴェント(Joanne Vent)。生年月日などはわからないが、1960年代後半にアルバム・デビューを飾っていることから、恐らく1940年代後半の生まれ当りなのではないだろうか。ジャンルはソウル、R&B、ゴスペル、スワンプ、ホワイト・ブルースなどのカテゴリーに含まれる白人女性歌手で言うなれば、ブルー=アイド・ソウルのジャンルで語るべき歌手であろう。デビュー作がA&Mなので、ゴテゴテのブルース・ロックというよりは、軽めのスワンプ・ロックという雰囲気の快作だ。彼女の記事を書くに当り、なにげなくアルバムの表裏を見てみたが、アルバムのプロデュースにラリー・マークス(Larry Marks)の名前があった。ラリー・マークスは1939年、米ロス出身でバーバンク人脈のプロデューサー、作曲家。日本のソフト・ロック・ファンにはお馴染みの名前で、ソングライターとしても、あのロジャー・ニコルスに「Love Song, Love Song」を提供している。

残念ながら今年(2013年)の2月に死去してしまった人なのだが、ソングライターとして1950年代後半にジュリー・ロンドン、サム・クックなどに曲を提供する傍ら、1960年代後半以降はプロデューサーとしてチャド&ジェレミー、メル・トーメ、ジーン・クラーク、フィル・オクス、リー・マイケルズ、ライザ・ミネリ、フライング・ブリトー・ブラザーズ、メリー・ゴー・ラウンド、ディラード&クラーク、リー・ヘイゼルウッド、ヘレン・レディ、サーティー・デイズ・アウト、バーバラ・キース、ジミー・ウェッブなどのアーティスト達のアルバムを手掛けている。ハーパーズ・ビザールのデビュー・アルバム「Feelin' Groovy」にも彼の名前がクレジットされている。また、1968年には自らもソロ歌手として「L.A. Breakdown (And Take Me In) / Country Woman」というフォーキーなシングルをA&Mに残している。余談だが、ドリス・デイ出演の映画、『おしゃれスパイ危機連発(Caprice)』(1967年)にも彼の曲が使われている。

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#1448 Television / Adventure (1978)

 2013-05-06
01. Glory
02. Days
03. Foxhole YouTube
04. Careful
05. Carried Away
06. The Fire
07. Ain't That Nothin' YouTube
08. The Dream's Dream

09. Adventure (Bonus Track)
10. Ain't That Nothin' (Single Version) (Bonus Track)
11. Glory (Early Version) (Bonus Track)
12. Ain't That Nothin' (Instrumental) (Bonus Track) (Run-Through)

Adventure (Television)

かつて知性派ロック・バンドとして一世を風靡した米ニューヨーク州ニューヨーク市出身のアート系パンク・ロック・バンドがやってくる。私が彼らの音楽を聴いていたのは1970年代限りだったので、来日というニュースを耳にしても、正直なんだかピンとこなかった。今だに現役バンドとして活動継続中だなんて、頭の片隅にもなかったから。日本公演を行なうのはテレヴィジョン (Television) という名前のバンドだ。この来日のニュースを知ってから大急ぎで彼らのバイオを調べてみたが、どうやら過去に度々再結成を繰り返していたらしい。まったく知らなかった。個人的にも彼らは私にとっては1970年代に誕生したアメリカ産パンク・ロック/ニュー・ウェーヴ・バンドとしてはトーキング・ヘッズに次ぐ様な存在だったから、元メンバー達とヨリを戻していたなんて知らなかった。トーキング・ヘッズのデヴィッド・バーンの様に解散後は自己の道をひたすら突き進んでいたと勝手に想像していたからね。

で、その日本公演は5月2日から同8日までの間に下北沢(GARDEN)、吉祥寺(CLUB SEATA)、福岡、大阪で行なわれるらしい。来日予定のメンバーはトム・ヴァーレイン、フレッド・スミス、ビリー・フィッカ、ジミー・リップの4人。彼らの来日を実現させたのは英国音楽 / VINYL JAPANの皆さん。創設以来からのメンバーでギタリストのリチャード・ロイドは2007年に脱退していたらしい。で、その来日公演とテレヴィジョン結成40周年を記念して登場したのが初期2作の紙ジャケ・タイトル。紙ジャケとは言っても当時のオリジナル・レコードを忠実に再現したものではなく、今流行りの海外デザインによるデジパック仕様となっている。2004年に発売された時にはあっという間に完売してしまった為、今回はなんとしても買いたいと思っていたのだが、幸運にも手にする事が出来た。2013年になってクールで知的なパンク・ロックを再び聴く事になって、なんだか個人的に感傷に浸ってしまった。

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#1447 Panta Rei / Panta Rei (1973)

 2013-03-22
1. Five Steps
2. White Bells
3. Five O'Clock Freak
4. The Knight
5. The Turk YouTube

Panta Rei

ハード・ロック? サイケデリック/アシッド・ロック? それともプログレッシヴ・ロック? 或いはジャズ・ロック? それともスペース・ロック? ジャケットを見ただけではなんだか全く内容が想像出来ない異国のロック・バンドが今宵の主役。名前はパンタ・レイ(Panta Rei)。北欧はスウェーデン出身のロック・バンドである。グーグルで検索するとギリシアのホテルの名前ばかりが引っかかってしまって、調べるのにも苦労してしまったが、このバンドは1970年代前半の一時期にひっそりと存在していたバンドである。意味のよく判らないバンド名なので、似た様な名前のバンドなんて彼ら以外にないだろうと思いきや、これが結構存在する。スペルは一文字違うが、1974年結成(1982年解散)のハンガリーのプログレッシヴ・ロック・バンド、Panta rei。ドイツにも Panta Rhei という名前のジャズ・ロック・バンドが存在していた(1973年にセルフ・タイトルの唯一作を発表)。1980年代にはオランダに Panta Rhei、それから1990年代のベルギーに、2000年代以降にはコロンビアやスロバキアに存在している。

私の様な学のない人間には全く馴染みのない、パンタ・レイ(Panta Rhei、今回のバンドは ”h” の抜けた Panta Rei であるが、、)という言葉であるが、この言葉にはちゃんとした意味がある。パンタ・レイとは[万物は流転する]、という意味だそうです。ギリシア語で書くと Τα Πάντα ῥεῖ (Ta Panta rhei)となるらしい。この言葉は、「暗い哲学者」「泣く哲学者」とも呼ばれる、紀元前540年頃 - 紀元前480年頃?のギリシアの哲学者ヘラクレイトスのものだそうだ。万物は流転している、自然界は絶えず変化している。物事は常に変化するという意味で、仏教の世界の『この世のあらゆるものはすべて移ろい行く』という諸行無常、はたまた平安時代末期から鎌倉時代にかけての日本の随筆家、鴨長明の有名な随筆『方丈記』にある、『ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。よどみに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし』といった言葉と同意語のようだ。プラトンが引用している事でも知られるパンタ・レイだが、実際にはヘラクレイトスの著作では触れていない可能性もあるのだという。まあ、どっちにせよ、哲学とは無縁の生活を送っている私のような人間には無縁の言葉でもある。

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#1446 Improved Sound Limited / Improved Sound Limited (1971)

 2013-03-14
01. Doctor Bob Dylan
02. Pink Hawthorn
03. Johanna YouTube
04. If You Want To
05. Oedipus YouTube
06. Fudd McGorges
07. Thingamannalime
08. An Old Army Poem
09. Where Will The Salmon Spawn YouTube
10. To My Son
11. Shining Brightly In The Sun
12. It Is You (You Belong To Me)
13. Columbines, Violets And Daisies
14. I Am The Wolf
15. A Well-Respected Man
16. Drunken Mr. Hyde
17. A Soldier's Songbook  YouTube
18. ***

Improved Sound Limited

見るからにスター性皆無の暑苦しい野郎どもによるドイツ産ロック・バンド、インプルーヴド・サウンド・リミテッド(Improved Sound Limited)。1970年代前半に存在したロック・バンドらしい、寄せ鍋状態のごった煮ロック・バンドだ。音響改善株式会社などという、訳の判らない意味不明なバンド名だが、このような掴み所のないジャンル不明瞭なバンドが数多く存在していたのも1970年代前半当時のロック・シーンの特徴でもある。余程ジャーマン・ロックに詳しい人でもないと彼らの名前の名前にピンとこないだろうが、これでも結構長い期間、活動を展開していたバンドでもある。彼らの歴史を遡ると、(アマチュア・バンド時代からの計算だが)なんと1961年まで遡るというから驚きだ。1961年というと、ビートルズやローリング・ストーンズが大手レコード会社からデビューする前の話である。そんな息の長い(その割には知名度C級であるが)彼らの経歴を簡単に紹介してみたい。

結成は1961年、ドイツ連邦共和国バイエルン州のミッテルフランケン行政管区に属する郡独立市で、リヒャルト・ワーグナーの楽劇『ニュルンベルクのマイスタージンガー』の舞台としても知られるニュルンベルクにて。当地のヴィルシュテッター・スクールで結成された学生バンドで、当時のバンド名は Pyjamas Skiffle Group。バンド名にスキッフルとある事から大方判る通り、1950年代にイギリスでブームを巻き起こしたスキッフルを演奏するバンドであったとのこと。勿論、コピー元はロニー・ドネガンだ。ちなみに、スキッフルとはジャズやブルース、カントリー、フォークなどの音楽の影響を受けたアメリカ生まれの流行音楽の事で、1950年代中盤以降、イギリスで大きなブームを巻き起こしている。このブームの中から、アレクシス・コーナーが登場、更にビートルズやその後数多くのビート・グループが登場してきた事から、スキッフル・ブームなくして今のブリティッシュ・ロックは存在し得なかった、というのが一般的な定説でもある。

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#1445 Sue Foley / Walk in the Sun (1996)

 2013-03-07
01. Try to Understand
02. Give It to Me
03. Walk in the Sun
04. The Snake
05. Wayward Girl
06. The Wind
07. Lover's Call
08. Better
09. Train to Memphis
10. Love Sick Child  YouTube
11. Long Distance Lover YouTube

Sue Foley / Walk in the Sun

洋楽ロック自体が最早日本ではあまり売れないという状況の中、こんな事を買いても仕方のない事かもしれないが、女性ブルース・ギタリストって、日本ではあまりメジャー扱いを受けていない様に感じる時が多々ある。男性の場合だと、(白人に限って言えば)エリック・クラプトン、ロリー・ギャラガー、ポール・コゾフ、ミック・テイラー、ジミー・ペイジ、ピーター・グリーン、ジョニー・ウィンター、デュアン・オールマン、スティーヴィー・レイ・ボーン、エルヴィン・ビショップ、マイケル・ブルームフィールド、エイモス・ギャレット、アル・ウィルソンといった人達の名前が昔からロック・ファンの間で語り継がれてきたが、こと女性に限ってみると、これがどうして、語られる機会はそれ程多くはなかったと思う。しいて名前を挙げるとするならば、グラミー賞アーティストのボニー・レイット。次に誰?と問われてすらすら第2第3の名前が出てくる人はかなり洋楽に詳しい人の筈だ。

ロック・ギタリストと言うと、バンド・アンサンブルの華というか、派手なパフォーマンスと攻撃的な演奏を披露して観客にアピールするというポジションを誰もが想像すると思う。女性だけのロック・バンドは別として、ロック・バンドに女性が在籍していたとしても、まあ大体がヴォーカリストかキーボード奏者が定番のポジション。仮にベースの担当でも、普通の人は「お!」と思う筈だ。だからどうしても、普通の男性は女性のギタリスト、ましてブルース・ギタリストなんて想像だにしない。女性は男性に比べて体力がないと思うから、弦を弾き続けるのも大変なんじゃないかと勝手に想像してしまうのだ。まあ、こんな発想も古臭い女性差別の一つなのかもしれません。ごめんなさい。だが実際には世の中には男性ブルース・ギタリストも顔負けの女性スペシャリストも(事実確かに多くはないだろうが)存在する。今宵紹介する女性、スー・フォーリー(Sue Foley)というギタリストもそんな一人である。

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#1444 Deuter / D (1971)

 2013-03-03
1. Babylon YouTube
i. Andantino
ii. Allegro 138 A
iii. Andante
iv. Allegro 138 B
2. Der Turm/Fluchtpunkt
3. Krishna Eating Fish And Chips
4. Atlantis
5. Gammastrahlen-Lamm

Deuter / D

Deuter と書いて、これをドイターを読むとドイツの登山用バックパックメーカーの事を指してしまうので、今宵は Deuter と書いて、これをデューターと読もう(本来ならドイターと読むのが正解なんだが)。1970年代前半から今日に至るまで音楽活動を継続しているジャーマン・ミュージック・シーンの陰の重鎮、デューター。ジャンル的にはニューエイジ、アヴァンギャルド、エレクトロニクス、エスニック・フュージョン、ヒーリング、アンビエント、リラクゼイション、エクスペリメンタル、インストゥルメンタル、ワールド・ミュージックなどの言葉で表現される現代メディテーション・ミュージックの第一人者だ。40年という、非常に長い経歴を持ちながら、ジャーマン・エレクトロニクス、あるいは近年のニューエイジ・ミュージックの好きな(しかもかなり好きな)人意外への認知度ほぼゼロと言ってもいい人でもある。1970年代、1980年代、1990年代、2000年代と絶え間なくアルバム制作を続けてきた人であるにも関わらず、悲しい程、名前を知られていない人と言っても良いでしょう。

デューターはドイツが第二次世界大戦に敗北した1945年、下町ファルケンハーゲンの生まれ。出世時の本名は「Georg Deuter」。ギター、ハーモニカ、フルートなどの楽器演奏を独学で習得。1970年に自動車事故に見舞われるというアクシデントを経て、1971年に最初のアルバムとなる「D」を発表する。リリースは1968年にエッカルト・ラーン(Eckart Rahn)という人物によりバイエルン州ミュンヘンにて設立された、カッコウのレーベル・マークで知られるプログレッシヴ系レーベルの Kuckuck Schallplatten。初期ポポル・ヴーの自然回帰主義にも通じる、東洋志向のアンビエント・サウンドでデビューを飾る。今でこそ、こうしたニュー・エイジ志向のサウンドは特段珍しくもなんともないだろうが、1971年の時点でこうしたアンビエント・エレクトロニクス・サウンドといえば、他のドイツ勢を見回してもポポル・ヴー位しか見当たらない。ある意味、時代を先取りしていた存在であるといえよう。

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#1443 Junipher Greene ‎/ Friendship (1971)

 2013-02-24
01. Try to Understand
02. Witches Daughter
03. Music for Our Children
04. A Spectre Is Haunting the Peninsula
05. Sunrise / Sunset
06. Magical Garden
07. Autumn Diary
08. Maurice
09. Attila's Belly-Dance
Friendship 26:02
10. Prelude: Take the Road Across the Bridge
11. Friendship
12. Interlude
13. Mountain Voices
14. Land of the Foxes
15. Friendship That's Earned
16. Into the Cloudburst
17. Manitou's Skyland & Down to Earth
18. Friendship

Bonus Disc: Previously Unreleased Demo Recordings
Friendship 29:32
01. Prelude: The the Road Across the Bridge 02. Friendship 03. Interlude 04. Mountain Voices 05. Land of the Foxes 06. Friendship That's Earned 07. Into the Cloudburst 08. Manitou's Skylands & Down to Earth 09. Friendship

Junipher Greene / Friendship (Deluxe Edition, 2 CDs)

ジュニパー・グリーン(Juniper Green)という、似たような紛らわしいアコースティック・ロック・バンドが存在しているので、なんだが紛らわしいが、今回紹介するバンドもジュニパー・グリーン(Junipher Greene)という名前を持っていたバンド。過去形で紹介している事から判るとおり、過ぎ去った過去の時代に存在していたロック・バンドだ。何処に存在していたかと言えばノルウェー王国。ノルウェーは北ヨーロッパのスカンディナヴィア半島の西岸に位置する立憲君主制国家で、スウェーデン、ロシア、フィンランドと国境を接する国だ。かつて、「最も税金の高い国」としてギネスブックで紹介されたことがある国でもある。公用語はノルウェー語。北欧のロック、なんて書くと普段スカンディナヴィア半島出身のロック・バンドに関心のない人からすれば、『北欧のロックなんて米英のロックに比較してもレベル低いんじゃないの?』なんて偏見を持っておられる方もいるかもしれないが、それは大きな間違いだ。

私が今更書くまでもあく、北欧は今も昔も音楽大国。クラシック音楽の分野でもシベリウス、グリーグ、ゲーゼ、ニールセンといった作曲家が登場したし、ジャズの分野でもこれまで多くの有能な演奏家が登場している。そしてロックやポップス、フォークの分野でも多くの優秀な人達が登場してきた。北欧ロックの好きな方にとってはウィグワムやサムラ、アネクドン、アングラガルド、ボ・ハンソン、フラワー・キングス、カイパ、ケブネカイゼ、メイド・イン・スウェーデン、ムーン・サファリ、ノヴェンバー、パートス、ラグナロク、トレッティオアリガ・クリケット、ビョーク、ユッカ・トローネン、ペッカ・ポホヨラ、タブラ・ラーサ、タサヴァラン・プレジデンティといった名前はお馴染みの存在かもしれない。近年はメタルやゴシック・ロックの分野での成功も続いている。北欧のロックの特徴としては地理的に近いイギリスからの影響はもとより、ジャズやクラシック、トラッドなどからの影響も垣間見て取れる、ユニークでクール、そして個性的な形態が特徴でもある。

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#1442 David Byron / Take No Prisoners (1975)

 2013-02-19
01. Man Full Of Yesterdays YouTube
02. Sweet Rock 'N' Roll
03. Steamin' Along YouTube
04. Silver White Man
05. Love Song
06. Midnight Flyer
07. Saturday Night
08. Roller Coaster
09. Stop (Think What You're Doing)
10. Hit Me With A White One

11. Steamin' Along (Single Edit) {Bonus Tracks}
12. What's Going On (Outtake) {Bonus Tracks}
13. Silver White Man (Alternative Version) {Bonus Tracks}

Take No Prisoners

モスラのテーマ・ソングで知られるザ・ピーナッツの「オン・ステージ」というライヴ盤をご存知か。これは伊藤エミ&ユミの双子の姉妹による、リサイタル盤。面白いからいつか紹介したいと思いますが、彼女たちのヒット曲に紛れて取り上げられている洋楽のカバーが凄いんですね。キング・クリムゾン「エピタフ」、リンゴ・スター「バック・オブ・ブガルー」、キャロル・キング「イッツ・トゥ・レイト」、CCR「 プラウド・メアリー」等々。斬新と言われる今のアイドルでもこんな曲をカバーする人っていないでしょう。今でこそ、洋楽ロックは若い人には(ダンス・ミュージックやヒップホップ系のサウンドを除けば)馴染み薄いものに成り下がってしまいましたが、1970年代と言えば、洋楽ロックは日本人にとってはまだまだ憧れの存在だったもんです。だから、「オン・ステージ」みたいなアルバムが成り立った訳ですね。もっとも、1972年当時、ザ・ピーナッツのコンサート会場に駆けつけた人にどれだけキング・クリムゾンやCCRが知られていたかは疑問ですが。

ユーライア・ヒープ(Uriah Heep)。1970年代前半に人気の頂点に立っていたイギリスのハード・ロック・バンド。レッド・ツェッペリン、ディープ・パープル、ブラック・サバスと共に1970年代のイギリスのハード・ロック・シーンを牽引していたバンドでもあります。1970年代前半当時の彼等の勢いは物凄く、それはイギリスから遠く離れた我が日本でも同様だった。1973年3月に日本武道館で行なわれた初来日公演でも多くのファンが彼等の生演奏を聴こうと会場に訪れている。 今ではユーライア・ヒープなんて、かなり熱心なブリティッシュ・ロック・ファン以外には聴かれない存在になってしまいましたが、1970年代の時点までははっきり言ってブラック・サバスよりも人気はずっと上だった。冒頭で取り上げたザ・ピーナッツ「オン・ステージ」でもユーライア・ヒープの初期の人気曲「Look at Yourself」が取り上げられている。場違いの日本のアイドルのコンサートでも取り上げられる程、当時の彼等の人気は凄かったのだ。

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未確認・不確定な事でも堂々と書いてしまう無責任洋楽ブログ。根は洋楽ミーハーCottonwoodhillは感覚派B型人間なので記事の整合性が欠ける場合多々有り。過去の記事への不快なコメントなどは問答無用で削除します。

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