#0959 Seals & Crofts / Summer Breeze (1972)

 2005-05-07
01. Hummingbird  
02. Funny Little Man  
03. Say  
04. Summer Breeze  
05. East of Ginger Trees  
06. Fiddle in the Sky  
07. The Boy Down the Road  
08. The Euphrates  
09. Advance Guards  
10. Yellow Dirt  

Summer Breeze
Summer Breeze
posted with amazlet on 06.09.04
Seals & Crofts
Warner Bros. (1995/05/09)
売り上げランキング: 29,101


1960年代以降限定だが、男同士によるポップ(フォーク)・ユニットとして最も大きな成功を収めたコンビといえば、それはもうサイモン&ガーファンクルが最高峰だろうが、1970年代以降に限ってはどうだろうか。1970年代の前半に淡い青春時代を過ごした世代の人達なら、必ず名前が挙がるであろう男性デュオの一つが元チャンプスのジム・シールズとダッシュ・クロフツによって結成されたテキサス出身のシールズ&クロフツ。《想い出のサマー・ブリーズ》という邦題で有名な「Summer Breeze」を初め、「Diamond Girl」「Hummingbird」「Unborn Child」「Get Closer」「We May Never Pass This Way (Again)」「I'll Play for You」「You're the Love」などのスマッシュ・ヒットを1970年代を通じて放ったかつての人気デュオだ。

このコンビ、正式なアルバムは1980年の「The Longest Road」が最後かと思われていたが、実は1998年にメンバーの一人ダッシュ・クロフツがソロ作「Today」を、更に2004年にシールズ&クロフツ名義としては24年振りとなる新作?「Traces」を発表している。「Traces」は彼等の1970年代ののヒット・ナンバー「Summer Breeze」「Hummingbird」「Diamond Girl」「Get Closer」「We May Never Pass This Way Again」などの再録音に加え、新曲も追加した復活作品。流石に20年も間隔が空いてしまっては全編オリジナル作品でアルバムを製作するのは無理だったのでしょうが、アルバムの幾つかのナンバーではシールズ&クロフツ2人の子供達(子供といってもかなり成人な筈だが)も録音に参加したのだとか。
共にテキサス州出身。1941年生まれのジム・シールズと1940年生まれのダン・クロフツ。中学生時代から友好関係にあったという2人が音楽の世界に身を置いたのは非常に早く、共に1950年代から音楽活動を開始している。ディーン・ベアードのバック・メンバーとしての活動の後、1958年に「Tequila」で全米シングル1位を獲得した1発屋バンドのチャンプに加わり1965年頃まで身を置き音楽活動を展開している。その後自作曲を他人に提供したり、あるいは幾つかのバンドに籍を置くものの1969年には2人はデュオとして再出発を図る事を決断する。チャンプ時代のインストゥルメンタル路線ではなく、彼等2人の歌とハーモニーで聴かせる路線でだ。最初の2枚は TA から発表された「Seals and Crofts」「Down Home」。だがこれはさっぱりだった。その後1971年にワーナー・ブラザースに移籍すると俄然シールズ&クロフツに追い風が彼等に吹く事になる。

1972年から1976年頃までが彼等の全盛期だった。1972年に発表された4作目「Summer Breeze」は全米で最高7位を記録、彼等の最初の代表曲となったシングル「Summer Breeze」も最高6位を記録する最初の大ヒットとなる。その後も彼等はAORやライト感覚なソフト・ロックが持て囃される時代を背景に「Diamond Girl」「Unborn Child」「I'll Play For You」「Greatest Hits」「Get Closer」とヒット作を発表し続ける。だが1970年代も後半になると彼等のような音楽では真に部が悪い時代となってしまった。1980年の「The Longest Road」を最後に彼等はなんとバハーイ教(イスラム教系列のバーブ教から分派した新宗教)に没頭する為に音楽活動を停止してしまうのである。ジム・シールズはコスタリカのコーヒー農場に引っ込んでしまう有様だ。この後も2人は時にバハーイ教の集会で歌うという元スターにあるまじき地味な活動を行っていたようだ。この手の話題には触れたくないので割愛する。

Greatest Hits

■ Jim Seals - Vocals, Fiddle, Guitar, Violin, Saxophone
■ Dash Crofts - Vocals, Mandolin, Piano, Electric Guitar

■ Louie Shelton - Electric Guitar, Bass, Background Vocals
■ Red Rhodes - Steel Guitar
■ John Hartford - Banjo
■ Harvey Brooks - Bass
■ Joe Osborne - Bass
■ Wilton Felder - Bass
■ Robert Lichtig - Bass, Clarinet, Flute
■ Jim Gordon - Drums
■ John Guerin - Drums
■ Jim Keltner - Drums
■ Russ Kunkel - Drums
■ Milt Holland - Tabla, Tamboura
■ King Errisson - Conga
■ Larry Knechtel - Piano
■ Mike Lang - Piano
■ Larry Lichtig - Piano
■ Clarence McDonald - Piano
■ Michael Omartian - Piano
■ John Ford Coley - Piano
■ Jim Horn - Flute
■ Del Higgins - Background Vocals
■ Donnnie Shelton - Background Vocals

シールズ&クロフツが我が世の春を謳歌する時期はワーナー・ブラザース移籍後からパンク・ロックが登場するまでの時期。「Summer Breeze」は彼等にとっての最初のヒット作となった記念すべき作品。プロデュースを担当したルーイ・シェルトンはジム・シールズとはドーンブレイカーズ(チャンプからシールズ&クロフツ結成までの間の一バンド)時代からの仲間で架空バンド、モンキーズの録音にも関わっていたギタリスト。シールズ&クロフツのプロデュース業で実績を積み、後にアレッシーやアート・ガーファンクルの作品のプロデュースも担当した。他にボズ・スキャッグス、イングランド・ダン&ジョン・フォード、マーヴィン・ゲイ、ライオネル・リッチー、マイケル・フランクス、ホイットニー・ヒューストンらの作品に演奏家として参加している。

収録曲は全部で10曲。勿論全てジム・シールズとダン・クロフツの競作である。シールズ&クロフツの「Summer Breeze」はAORやアダルト・コンテンポラリーとった言葉が一般化するずっと以前に発表された先駆的意味を持つ作品でもあるが、単なる過去のヒット・ポップ作として評価するだけではなんとも勿体ないレベルの作品だ。職業作曲家が用意した曲を歌うだけのヴォーカリスト、あるいは生ギターを抱えて素朴な構成の歌を唄うハーモニー・デュオとは違い、アコースティック&エレクトリック・ギター、フィドル、マンドリン、ピアノ、ヴァイオリン、サックスなどを演奏するなど、演奏面においてまずは結構なマルチ・プレーヤーぶりを見せてくれる。若い時にインストゥルメンタル路線のバンドに長く在籍していた実績も生きているのだろう。

本作は単なるアコースティックなフォーク・サウンドとは一線を画する複雑なエキスが混じりあったサウンドが持ち味でもある。彼等はアメリカ合衆国の最南部に位置するテキサス州出身。そのため彼らのサウンドからは、ブルースやカントリー、ソウルなど南部の香り豊かなスワンピーなサウンドが味わえる。2人が提供した楽曲が粒が揃っている事もあろうが、これらのエキスをシールズ、クロフツ、そしてシェルトンは実に巧妙に、時に軽やかに時に湿っぽく料理するのである。まずはこれが基盤。更に余り触れたくはないが宗教からの影響だ。彼等は既に1969年に時点でバハーイ教に改宗していたそうだが、アメリカ人のフォーク・ポップ系作品からは通常余り見られない中近東風のメロディが隠し味として使われている。更にジャズやトラディショナルなどの要素も盛り込まれ、通り一辺倒のフォーク・ポップ作品として片付ける事の出来ない巧妙な作品として仕上がっているのが特徴だ。

演奏面でも「Summer Breeze」はまったく隙がない。マルチ・プレーヤーとして多くの楽器を奏でる2人やパートナーのシェルトンを初め、ウィルトン・フェルダー、ジム・ゴードン、ジム・ケルトナー、ジョン・フォード・コーリー、ハーヴェイ・ブルックス、ジョン・ハートフォード、ラリー・ネクテル、レッド・ローズ、ジョー・オズボーンら、渋めの音楽家/セッション・マンが大勢参加している事もあってか、アンサンブルもばっちりだ。勿論、男性ポップ・デュオとしてのハーモニーも天下一品。聴きこめば聴き込む程、彼等の高い音楽性が味わえる1970年代前半のアメリカン・ポップスを間違いなく代表する作品だ。ポップスとフュージョン、民族音楽の音階が混じりあったユニークでフォーキッシュな「East of Ginger Trees」など、はっきりいってフォーク・ポップ作品としての枠を遥かに凌駕している。迷うことなく「Summer Breeze」は名作と断言出来る。

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