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(独逸)Wallenstein / Stories, Songs & Symphonies (1975)

 2006-12-03
Stories, Songs and Symphonies
「Stories, Songs and Symphonies」
 [CD]
 アーティスト:Wallenstein
 レーベル:Pilz
 by ええもん屋.com
[DISC1]
1.Priestess
2.Stories, Songs and Symphonies
3.Banner
4.Your Lunar Friends
5.Symphany for Bela Bartok


ジャーマン・シンフォニック・ロックの代表格、ヴァレンシュタインといえば1973年の「Cosmic Century」が最も有名だろう。私が過去、旧サイトで取り上げた1972年のばああジャケ「Mother Universe」や、ハード・ロックの影響下にあるデビュー作「Blitzkrieg」(1972年)を好きな人もいるだろう。ご存知のようにヴァレンシュタインは1972年から1981年までの間に9枚のアルバムを発表しているが、ジャーマン・ロック・ファンから支持される初期4作、ボロクソ・ゴミ屑扱いの後期5作という風に扱われるのが常。そんな中、あえて今回は通常初期4作の中では常に無視されるべき存在「Stories, Songs & Symphonies」(1975年)を紹介してみたい。初期4作の中にあって最も評価の分かれる作品かもしれないが。

彼等は1618年にドイツ(ボヘミア)で勃発した、いわゆる'30年戦争に傭兵部隊を組織して参加したべーメンの旧教貴族ヴァレンシュタイン( Albrecht Wenzel Eusebius von Wallenstein)の名をバンド名として、キーボード奏者のユルゲン・ドラゼ(Jurgen Dollase)を中心に1971年に結成。当初は”Blitzkrieg”がバンド名であったが同名のバンドが存在していた為、バンド改名を余儀なくされている。彼等は1972年に Pilz(OHR と共に1970年代前半のジャーマン・ロックを底辺で支えた名レーベル)からアルバム・デビュー、翌1972年に名作「Mother Universe」を発表するに至っている。彼等のシンフォニック・サウンドはレーベルを Kosmische Musik に移してからの「Cosmic Century」で見事に開花、1970年代前半を代表する名ジャーマン・ロック・バンドとしての地位を獲得するに至っている。

「Stories, Songs & Symphonies」は1975年に Kosmische Musik から発表された最後の作品。彼等を裏で支えた OHR-Pilz プロダクション(ロルフ・ウルリッヒ・カイザー主宰)が1970年代半ばに崩壊してしまった為、ヴァレンシュタインもそれに引きつられるように1度は解散してしまった。この後バンドは復活を遂げて「No More Love」「Charline」「Blue Eyed Boys」「Frauleins」「Ssssssstop!」といった作品を発表しているが、世間の相場ではこれらの作品の評価は恐ろしく低い。これまでそうした評価が気になった今の今まで復活後のヴァレンシュタインの作品は1枚も手にした事がないが、そうした後期の評価に引きづられて「Stories, Songs & Symphonies」の評価まで低くなってしまうのは悲しい事だ。

メンバーは Bill Barone(ギター)、Jurgen Dollase(ヴォーカル、キーボード)、Harald Groskopf(ドラムス)、Jurgen Pluta(ベース)、Joachim Reiser(ヴァイオリン)の5人。ベースが Dieter Meier から Jurgen Pluta(彼は再結成ヴァレンシュタインにも参加している)に代わっている他は前作「Cosmic Century」と同様。ギター、ドラムス、キーボードは結成当初から不動。この点からしても後期ヴァレンシュタインとはしっかり別物と区別したい。前作がジャーマン・シンフォニック・ロック史上、最高の部類に属する評価を受けているだけに影が薄くなったり、評価がイマイチになるのは仕方がないとしても、本作は本作でしっかりと構成された、なかなかの出来栄えである作作品であると言えよう。

「Mother Universe」で展開されたシンフォニック路線のサウンドは「Cosmic Century」で見事に花開いた訳だが、そこでサウンドの一端を担って「Cosmic Century」完成に一役買ったのが前作から参加したヴァイオリン奏者だった。本作でもそのヴァイオリン奏者の参加が「Stories, Songs & Symphonies」の構築に一役買っている。本作で特徴的に感じるのがアメリカナイズされた部分。ギタリストの Bill Barone はアメリカからやって来た男。彼からの影響かどうかは定かではないがスワンプ・ロック/サザン・ロックしたレイド・バックした匂いが随所に感じられる一方、ドイツらしい混沌としたカオスティックな味わいも失われはいない。後期ビートルズのようなブリティッシュ・ポップ・サイケデリア的なエキスもある。いかにもドイツ産バンドらしいごった煮的なサウンドはB級ジャーマン・ロック・ファンならたまらない部分であると言える。

古典派やロマン派に属するクラシック音楽に造詣の深いキーボード奏者。ハード的なアレンジを引き受けてきたギタリスト。OHR-Pilz プロダクションに属するアーティストに共通の、精神性や神秘主義的なる部分に傾倒したサウンド。ルーツを土台をとしたアメリカン・ロック。更にプログレッシヴ・ロックや音楽市場を席巻してしったポップ・サウンド。「Stories, Songs & Symphonies」のジャケットにはバンド名に併記する形でザ・シンフォニック・ロック・オーケストラとの別名称があるが、こうした一見異なるエキスを消化して新たに噛み砕いた形式でヴァレンシュタイン流オーケストラを構築しようとユルゲン・ドラゼは考えたのかもしれない。一見するとジャンル分けに困るような捉え所のない「Stories, Songs & Symphonies」であるが、このアンビヴァレントな作風もドイツ産ロックらしいと言える。

《過去の記事》
Wallenstein / Mother Universe (1972)

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BlitzkriegMother UniverseCosmic Century

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