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#0910 Widowmaker / Too Late to Cry (1977)

 2004-11-06
1. Too Late to Cry
2. The Hustler
3. What a Way to Fall
4. Here Comes The Queen
5. Mean What You Say
6. Something I Can Do Without
7. Sign The Papers
8. Pushin' and Pullin'
9. Sky Blues

Widowmaker / Too Late to Cry (1977)

過去の名のあるバンドに在籍していたメンバーによって結成されたバンドをロック界では俗に《スーパーバンド》だの《スーパーグループ》などと称するが、今回のバンドもそんな一つ。ウィドウメイカー(Widowmaker)なるブリティッシュ・ハード・ロック・バンドはその活動期間が1975年から1977年までと、短命に終わったバンドだが在籍していたメンバーの過去の履歴はなかなか華々しい。ヴォーカリストとして参加したスティーヴ・エリスはかつてラヴ・アフェアーというバンドに在籍していた人物。ベーシストのボブ・デイズリーはチキン・シャックやマンゴ・ジェリーに在籍、更にウィドウメイカー解散後はレインボウやユーライア・ヒープ、そしてオジー・オズボーンやゲイリー・ムーアの作品にも参加した人物。

そして1949年生れのアリエル・ベンダー(またの名をルーサー・グローヴナー)は1960年代にデイヴ・メイソインやジム・キャパルディらとヘリオンズという名のバンドで活動していたギタリストで、その後アートやスプーキー・トゥース、モット・ザ・フープルを経てウィドウメイカーに到着している。【アリエル・ベンダー】の名前は一時期使用していた変名だ。もう一人のギタリストのヒュー・ロイド・ラントンはホークウィンドウ、ドラムスのポール・ニコルはリンデスファーンのメンバーとしても知られている。ヴォーカルのスティーヴ・エリスは1作のみで脱退したが、2代目ヴォーカリストとして参加したジョン・バトラーはのちにディーゼル・パーク・ウェストというバンドを結成して一時期名前を売った人物だ。
スティーヴ・エリスやアリエル・ベンダーら中心に結成されたウィドウメイカーはハード・ロックやグラム・ロックがブームとしては既に下火になっていた時期である1975年に結成されている。ジェット・レコーズと契約したウィドウメイカーは1976年2月のシングル「On The Road / Pin A Rose On Me」でデビュー、翌月にはデビュー作となる「Widowmaker」を発表している(北米での発売はUA)。その後シングル「When I Met You / Pin A Rose On Me」「Pin A Rose On Me / On The Road」を発表、同年末には新作の録音に突入し、翌1977年には2作目となる「Too Late To Cry」を2代目ヴォーカリストのジョン・バトラーを迎え入れて発表している。だがウィドウメイカーの歴史はここで終わり。

解散後のメンバーの足取りもなかなか華々しい。ベーシストのボブ・デイズリーはリッチー・ブラックモアに追われるようにレインボウを脱退したマーク・クラーク(元コロシアムやユーライア・ヒープ、テンペスト)の代わりにレインボウに加入して「Long Live Rock 'n Roll」に参加、その後はオジー・オズボーンやゲイリー・ムーア、ユーライア・ヒープの作品に参加している。アリエル・ベンダーは現在ではスプーキー・トゥース時代のルーサー・グローヴナーの名前へ戻して音楽活動を展開、1996年にはソロ作「Floodgates」(ジェス・ローデンやジム・キャパルディら参加)を発表している。

■ John Butler - Lead Vocals, Keyboads, Harmonica, Harmony Vocals
■ Ariel Bender - Guitars, Voice Bag, Harmony Vocals
■ Huw Lloyd Langton - Guitars
■ Bob Daisley - Bass, Harmony Vocals
■ Paul Nichols - Drums, Percussion

ウィドウメイカーの作品は2枚。ジェット(北米ではUA)から発表された「Widowmaker」「Too Late To Cry」だが、印象度抜群の猫のジャケットが印象的な2作目の「Too Late To Cry」は当時日本盤も発売されたし、多分こちらの方が比較的知られているのではないでしょうか。私自身もこれしか持っていないので2作目の方を取上げたい。収録は全部で9曲だがアリエル・ベンダーが4曲、そしてデイズリーが5曲に名前を連ねている事から、音楽面でのリーダー・シップは2人が発揮していたのであろう。作詞/作曲面でのデイズリーの活躍は目覚しく、この後オジー・オズボーンやユーライア・ヒープのアルバムでもその能力を発揮する事になる。

さて、本作が発表された1977年というとハード・ロックやグラム・ロック、プログレッシヴ・ロックの隆盛は既に下火となっており、代わりにセックス・ピストルズやクラッシュなどパンク・ロック勢が勢いよく飛び出してきた時期。米国では産業ロックやAOR、ディスコ・サウンドも持て囃されていた。そんな中途半端な時代を反映したのか、「Too Late To Cry」で聴く事の出来るサウンドは時代が5~6年遡ってしまったかのような典型的な1970年代前半のブリティッシュ・ロック然とした音楽と1970年代後半以降のブリティッシュ・ハード・ロック・サウンドが混在した作品だ。

アルバムの音楽性が一方向に固定していない理由は、ずばり、本作の作曲を担当しているアリエル・ベンダー(ルーサー・グローヴナー)とボブ・デイズリーの趣向性の違いだ。ルーサー・グローヴナーは1960年代からヘリオンズやアート、スプーキー・トゥースというバンドに在籍、一時期はアイランド・レーベルの顔の一人として活動してきた人物。1960年代後半から1970年代初頭にかけて、英国ではローリング・ストーンズやトラフィック、エリック・クラプトンなどを筆頭に大勢の音楽家が米南部のルーツ・サウンドの影響を受けたアルバムを発表する事になるのだが、アリエル・ベンダー(ルーサー・グローヴナー)の手掛けた曲に見え隠れする、米ルーツ志向の曲調は彼が生きてきた時代を象徴するものだろう。まさに1970年代初頭のブリティッシュ・ロックだ。

対してボブ・デイズリーの目指す音楽はルーサー・グローヴナーよりも先を見ている。レインボウ張りのアルバム・タイトル曲を例に出すまでもなく、デイズリーの手掛けた曲はディープ・パープルやバッド・カンパニーなどの影響を受けた第二次ハード・ロック世代の作風だ。キャッチーなギター・リフを多用したサウンドは動もすれば産業ロックになりかねないレベルだが、すんでの所でストップしているという具合。かようにして、アルバムはルーサー・グローヴナーによる1970年初頭のブリティッシュ・ロック・サウンドとボブ・デイズリーによる1970年代後半のハード・ロック・サウンドが同居した作風となった。短命に終わったのも当然といえよう。

ボブ・デイズリーはウィドウメイカー以前はチキン・シャックやマンゴ・ジェリーなどの渋いロック・バンドに在籍していたがウィドウメイカー解散後にレインボウに加入するなど、その後はHR/HM路線を突っ走している。作曲家としてのデイズリーの方向性が確定した記念すべき作品としてボブ・デイズリーの作品を追いかけているファンならウィドウメイカーの作品は見逃せないかもしれない。個人的な趣味からすれば「Too Late To Cry」ではアリエル・ベンダー(ルーサー・グローヴナー)作による曲の方が好みではあるが(特に「Here Comes The Queen」など)、1977年という時代を考えると、時代錯誤であった事はいうまでもないが。

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