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#0892 Errobi / Ametsaren Bidea (1979)

 2004-09-09
1. Alboka
2. Ametsaren Bidea
3. Andere
4. Oraino

Ametsaren Bidean
「Ametsaren Bidean」
 [CD]
 アーティスト:Errobi
 レーベル:Boa
 by ええもん屋.com

Alboka(パーカッションの一種)やTtun-Ttun(撥弦楽器?弓奏弦楽器?)といったスペインはバスク地方に伝わる古典的な民族楽器、更にアコースティック・ギター、ピアノ、ハーディガーディ、モロッコやアンダルシア地方の民族楽器などを組み合わせてフォークロアな音楽を生み出すスペイン出身のインストゥルメンタルなアンサンブル、Bidaia というバンドに現在在籍しているマルチ・インストゥルメンタリストのミクセル・デュカ(Mixel Ducau)が1970年代当時に在籍していたバンドがプログレッシヴ・ロック/ユーロ・ロック・ファンにも知られた存在であるエロビ(Errobi、エロッビ?)という名のバンドだ。
なんとなくエロティックなイントネーションなのが気になるバンドであるが、このエロビは1973年にミクセル・デュカと現在ソロとしてスペイン国内で結構な知名度を誇るというアンジュ・ドゥアルデ(Anje Duhalde)の2人のギタリストを中心に結成された、バスク地方出身のロック・バンドとしては古参的存在のバンド。プログレッシヴ・ロック(シンフォニック・ロック)やジャズ・ロック、フォーク・ロック、バスク地方の伝統音楽などを織り交ぜて活動していたユニットで現役として活動していた当時は、結構な成功を収めていたバンドだったらしい。
エロビの作品が発表されたのは1975年から1979年までで、この期間にライヴ盤を含め4枚のアルバムを発表している。この時期は英米ではプログレッシヴ・ロック系サウンドの受難期に当たるが、英米程の洋楽中心地ではなかった事が幸いしたのかもしれない。まずエロビは1975年にデビュー作となる「Errobi」を発表、2年後の1977年には通算2作目となる「Gure Lekukotasuna」を発表している。1978年には初のライブ盤となった「Bizi Bizian」を発表、翌1979年には一般的にエロビの最高傑作と呼ばれている「Ametsaren Bidea」を発表しているが、この通算4枚目に当たる作品を最後にエロビは解散してしまっている。
その後1984年にエロビは復活、「Agur T'Erdi」という復活アルバム(ジャケットはとてもプログレ。・バンドとは呼べない代物)を発表しているがバンド継続は続かなかったようだ。その後メンバーのデュカとドゥアルデはソロ・アーティストとして音楽活動を継続、今日も現役の音楽家として活動を続行している模様。彼等が発表した作品はライブ盤と復活作を含め計5枚だが、今日ではその全5作を収録した「1975-1984」なる編集盤が存在するので、バスクのプログレッシヴ・ロック史に残るバンド、エロビの過去作を一気にコレクションしてしまうのに好都合かもしれない。

■ Mixel Ducau - Vocals, Acoustic & Electric Guitar, Soprano Sax, Txirula
■ Anje Duhalde - Acoustic & Electric Guitar, Alboka, Percussion, Vocals
■ Jean Paul Gilles - Bass
■ Benat Amorena - Drums, Percussion, Tabla, Vocals

本作「Ametsaren Bidea」は1979年に発表されたエロビ通算4作目の作品。かつて本サイトではバスク地方の民族楽器トリキティシャとロック/ポップスとを融合させた新世代の為のバスクのポピュラー・ジャンル《トリキ・ポップ》を取上げた事があったが、1979年に発表された「Ametsaren Bidea」はそうした類の流行作品ではなく、プログレッシヴ・ロックのフィールドで語るべき作品だ。1980年代以降、CD時代になってこうした英米以外のバンドの作品が取上げられる機会も増えてきたが、エロビのようなマニアックなバンドの過去の作品が全て入手出来る現況にある日本は本当に素晴らしい国だね。
アルバムは冒頭いきなりの妙な奇声から始まるが、直ぐにジャズ/フュージョン系のサウンドに演奏がシフトする。これだけなら単なるジャズ/フュージョン作品なのだが、エロビのユニークな所はジャズ/フュージョン系の演奏だけに留まらず、叙情的なプログレッシヴ・ロック(シンフォニック・ロック)のエッセンスやフォーク・ロック、そしてバスク出身らしいフォークロアなエキスがサウンドの中に混在されているのがミソだ(早弾きギターと手数の多いドラミングの絡みは、一瞬キング・クリムゾンの出来そこないみたいだが、深く突っ込まない事にしよう)。

アコースティックな楽器とエレクトロニクスな楽器を巧みに使い別け、独自のサウンドを展開しているエロビの作品。1979年(発表年)という時代を考えると当時でも既に旧態依然な表現スタイルだったと思われるが、ロック先進国英米を舞台としたバンドではなかった事、温かみのあるフォークロアな味わいを持ち込んでいる事、等の理由により「Ametsaren Bidea」を汎用なジャズ/フュージョン・ロック作品と明確に区別出来るだろう。さらにエキゾチックで哀愁溢れるフレーズを耳にする度に迫害と抑圧が繰り替えされてきた嘆きのバスク民族問題とオーバーラップしてしまう。
個人的なベスト・テイクは3曲目の「Andere」。13曲を超える本曲ではソフト・マシーンを彷彿とさせるジャズのインタープレイ的な展開が見られ大変心地良い。アコースティックな質感が抜群の最終曲の出来も素晴らしい。そうそう、アルバムのジャケットは、まるで未確認の宇宙人写真みたいなので、CDを手にとっても内容が全く想像出来ない。本作を評価する上でのマイナス材料の一つだ。事前の予備知識なく購入するのは正直怖い作品だが、エスニック/フュージョン色の強いジャズ・ロック系作品が好きな方なら文句無くとは言わないが薦められるだろう。コレクター向け作品。
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