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#1281 Hojas / Mis Sueños Piden (1973)

 2008-06-06
01. Lo Has Pensado Tú
02. Sincero
03. Mis Sueños Piden
04. El Mundo Es una Flor
05. Mi Ciudad a Través de La Ventana
06. Somos Extraños
07. Hazlo Ya Amigo
08. Tan Solo un Dia de Amor

09. Yo Solo Estoy (Bonus Track)
10. Caminar en La Iluva (Bonus Track)
11. Sin Ti (Previously Unreleased) (Bonus Track)
12. No Pierdas La Fé (Bonus Track)
13. Cado Uno (Bonus Track)
14. Imaginate en el Mundo (Bonus Track)
15. Un Buen Día (Bonus Track)

Hojas / Mis Suenos Piden

"Hojas"と書いて”オハス”と読む。インターネットで検索してみるとやたらスペイン料理の店ばかりがヒットするのだが、それもその筈、"Hojas"とはスペイン語で英語に直すと"Leaf"の複数形。意味は勿論植物の葉とか花弁、或いは花びらといった意味。で、今回紹介する辺境ロック・バンドの名前はオハス(Hojas)と言うのだが、スペイン語なのだから、スペインのプログレシッヴ・ロック・バンドかなにかと思った人、残念。彼等は実はウルグアイ出身のロック・バンド。幾つかのサイトやブログに跨って1200枚以上のアルバムを取り上げてきた私であるが、ウルグアイ出身のロック・バンドを取り上げるのは後にも先にも今回が初めて。南米、といっても南米大陸は過去、海を超えてやってきたスペイン人やポルトガル人など、欧州人によって植民地化された歴史がある為、何処の国でも国民の大多数はヨーロッパ系の人達。だから欧州の地でポップスが盛んになった様に南米の地で白人向けのポップスが盛んになったとしてもなんら不思議な事ではないのである。

南米国家を見渡すと、例えばブラジルなんかはポルトガルの植民地時代が長かった為にヨーロッパ系ブラジル人の多くが元ポルトガル人。なので公用語はポルトガル語が採用されている。後、ハイチなんかは先にハイチを植民地化したスペインをフランスが追い出して植民地化してしまった歴史がある為、公用語がフランス語若しくはフランス語系のハイチ語が採用されているが、後の大半の国はスペイン語が大方公用語となっている。ウルグアイ(ウルグアイ東方共和国)もそうだ。ウルグアイは南米大陸の南東部に位置する小さな国。過去、スペイン、ポルトガル、イギリスなどの欧州諸国による占領時代を経て19世紀にブラジルに併合されるも、後にブラジルとの独立戦争に勝利して独立を勝ち取っている。国民の多くはヨーロッパ系。特に独立戦争の時に国民が沢山死んでしまったので、独立後ヨーロッパからの移民を多く受け入れている。ポルトガルやイギリスからの入植もあったが一番多かったのがやっぱりスペイン。なので現在同国の公用語はスペイン語となっている。
今回紹介するオハスは1970年代に1枚のアルバムを発表しただけで消えてしまったロック・バンドだ。ロック・ミュージックの成長にとって大事な世代だった1970年代、ラテンアメリカ諸国の多くで軍政が敷かれていた過去があったのだが、ウルグアイも同様。戦前にウルグアイの大統領に就任したホゼ・バジェ・イ・オルドニュスの尽力によって比較的安定した民主主義体制を敷いていた時代もあったのだが、戦後、特に1950年代以降から徐々に政情が不安定な状態となる。1960年代後半から1970年代前半にかけて台頭した極左武装組織ツパマロス(Tupamaros)によるテロ活動によって政情は更に不安定化して一時的に内戦状態に陥っている。1976年、この状況に対抗すべく時のボルダベリー大統領は国会を閉鎖して軍事政権に突入、1985年に民政へ移行するまで軍事政権時代が続く事になる。オハスの当時のメンバーの政治的立場なんぞ、調べようにも資料がないので判らないが、まあ常識的にいって自由気ままに演奏活動が出来ていた訳ではないだろう。

ウルグアイ、capital city郊外で結成されたオハス。結成はどうやら1971年頃。メンバーは Gustavo Badin(ヴォーカル、ギター)、Julio Zabaleta(ヴォーカル、ギター)、Jorge Ricca(ヴォーカル、ベース)、César 'Cacho' Badin(ヴォーカル、ドラムス)。リーダーはどうやら Gustavo Badin という人物で2008年4月現在で58歳というから恐らく1950年前後の生まれか? 前進バンドは Fire Birds といい、1968年頃にオハスの4人に Carlos Berreta という専属ドラマーを加えた5人構成で活動を開始している。César 'Cacho' Badin は当初ヴォーカル専属だった。1年程この構成で活動するもドラマーの Carlos Berreta が脱退。その為誰かがドラムを叩かねばならず、やむを得ず楽器演奏を担当していなかったヴォーカリストの César 'Cacho' Badin がドラマーを兼ねる事となったようだ。1971年にタクアレンボーで開催された音楽祭にはFire Birds 名義で参加、だが直ぐにオハス(Hojas)へと改名している。

1971年から1973年までオハスはウルグアイのビーチリゾート、ピリアポリスのとあるホテルで演奏を継続、その間の1972年に最初のシングル「Mundo Es una Flor (The World is a Flower) / Yo Solo Estoy」をウルグアイのレーベル、Sondor から発表している。翌1973年には通算2作目となるシングル「Caminar en La Iluva / Tan Solo un Dia de Amor」を発表。この2枚目のシングル発表後に彼等は待望のデビュー作の制作に取り掛かる。まず彼等はアルゼンの CBSスタジオにてインストゥルメンタル・パートを録音、帰国後モンテビデオの Sondor のスタジオにてヴォーカル・パートを録音している。デビュー作「Mis Sueños Piden」は1973年8月に発表。Sondor レーベル在籍時代はここまで。1974年にオハスは新たに Clave(1986年にSondor によって買収される)というレーベルと契約を結んで1974年と1976年に「No Pierdas La Fé / Cado Uno」「Un Buen Día / Imaginate en el Mundo」というシングルをそれぞれ発表している。

Hojas

■ César 'Cacho' Badin - Lead Vocals, Drums
■ Gustavo Badin - Guitar, Vocals
■ Julio Zabaleta - Guitar, Vocals
■ Jorge Ricca - Bass, Vocals

この後オハスの活動がいつまで続いたかについては判らない。上の記事で触れた様に極左武装組織ツパマロスの台頭やそれに対応する政府の軍事体制に伴い、音楽活動を継続するのに困難な状態に陥ってしまった苦い経験もあったと思う。近年オハスが活動を展開しているという記事を何処かで見た様な気もするのだが、1980年代以降の彼等の足取りに詳しい人がいたら是非ご教授願います。さて、オハス。本作は1973年に発表された彼等の唯一作のオリジナル完全復刻。実は過去、Sondor から "30 ANOS DE MUSICA" という、1960年代~1970年代のウルグアイのクラシック・ロックにスポットを当てたリマスター復刻シリーズがあって、その時にもオハスの本作が取り上げられているのだが、2枚のアルバム(しかも別のバンド同士)を1枚おアルバムに纏めてしまった、所謂2in1仕様で登場している。今回は装いも新たに別のレーベル(Lion Productions)から登場した物で、オリジナルが完全復刻。パチパチ。

個別の曲に触れてみる。「Lo Has Pensado Tú」は哀愁のギターが背後で響き渡るメロディアスなバラード・ソング。ヴォーカルの César 'Cacho' Badin の歌がウリの一つだったバンドだけに、彼の声を浮かび上がらせるリマスタリングも良好。リード・ヴォーカリストがドラマーも兼務していた都合上、演奏パートとヴォーカル・パートの吹き込みの切り分けも当時の事情を考えれば仕方がなかったのもかも。続く「Sincero」は2分半程度の軽快なロックン・ロール・ナンバー。ガレージな雰囲気を醸し出そうとする歪んだギターとは裏腹のメロディック・ロック・サウンド、今風で言うならビートの効いたラヴ・ロック風の曲構成の方にどうしても目を、じゃなかった耳を奪われる次第。ビーチ・リゾートの観光ホテルでの演奏活動の経験もあるオハスならではの心地良さと書いておこう。「Mis Sueños Piden」はアルバムのタイトル曲。ブルージーなバラード・ソングだが、雰囲気はなんだか1960年代後半の日本のロックみたい。

「El Mundo Es una Flor (The World is a Flower)」は1972年発表の彼等のデビュー・シングルの再録ヴァージョン。アングラなロックを連想させるジャケットのイメージとは異なる、ポップなラヴ・ロック。バッドフィンガーの曲をスペイン語に翻訳して取り上げている方向性からして、”南米のビートルズ”との異名を誇るペルーのウィ・オール・トゥギャザーと比較しても面白そうだ。「Mi Ciudad a Través de La Ventana(My city through the window)」もメロディアスな味わいをベースとした味わい深い感傷的なポップ・ソング。ポップ・ソングとしても一級品レベル。時折登場するヘヴィなブルース・ロック仕立てのアレンジも曲の雰囲気を壊す事なく控え目に盛り込まれている。「Somos Extraños」はサンタナみたいなギター・フレーズから一瞬意表を付くヘヴィ・ロック調に転身するかと思ったが、やはりラヴ・ロック風のポップ・ソングに終始する。演奏が軽いし、例えるなら日本でのGSからニュー・ロックへの過渡期みたいな雰囲気も感じるんだよね。

続く「Hazlo Ya Amigo」もアルバムの統一イメージに沿った感傷的でソフトな艶のあるポップ・ソング。この手のメロディは日本の音楽ファンには受ける筈。彼等の音楽が今よりもっと知られる様になれば今後彼等の評価も上昇するに違いない。続く「Tan Solo un Dia de Amor」はアルバムの最終曲。彼等がラテン産のロック・バンドである事を改めて知らさせる(本作の中では比較的)熱いロック・サウンドだが、やはりここでも言い意味でスカッっとした爽やかさが感じられる。ここまでで本編はお終い。アングラ・ロックやサイケデリック・サウンドを彷彿とさせるジャケット・イメージとは裏腹のメロディ重視のポップなサウンドが全篇に渡って披露されているのが本作の特徴。アングラなイメージやサイケ染みたアレンジもある事にはあるが、本作のイメージを覆す程派手なアレンジが施されている訳ではない。良い意味で素人っぽさが残っているバンド。ちなみに本作にはボーナス・トラックが更に7曲も追加収録。

「Yo Solo Estoy」は1972年のデビュー・シングルに収録されていたB面曲。ビーチ・リゾートの観光ホテルでの演奏活動を日課としていた時代の録音であるからなのか、緊迫感と圧迫感の感じられないリゾート・サウンドに終始。観光地にぴったりなラヴ・サウンドと言えるだろう。「Caminar en La Iluva」は1973年のシングル曲。原曲はピート・ハムの手によるバッドフィンガー「Walk out in the rain」。これも前曲同様、南国観光地のホテルのレストランで演奏されていても違和感が感じられない様なアレンジが施されている。「Sin Ti」は当時未発表に終わった1973年録音曲。原曲はこれも前曲同様バッドフィンガー「Without you」。ニルソンのカバーでもお馴染みのバッドフィンガーの定番曲だ。バッドフィンガーの曲に注目するセンスにはなんとなく胸が踊るね。「No Pierdas La Fé」と「Cado Uno」、「Un Buen Día」と「Imaginate en el Mundo」はそれぞれ1974年と1976年の Clave レーベル時代の曲。本編とはほぼ1年の時間の経過があるが、メロディ重視の基本路線は Clave レーベル在籍時代でも踏襲されたようだ。

SONDOR
Lion Productions

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