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#1297 Blonde on Blonde / Contrasts (1969)

 2008-07-21
01. Ride With Captain Max
02. Spinning Wheel
03. No Sleep Blues
04. Goodbye
05. I Need My Friend
06. Mother Earth
07. Eleanor Rigby
08. Conversationally Making the Grade
09. Regency
10. Island on an Island
11. Don't Be Too Long
12. Jeanette Isabella

13. All Day, All Night {'68 single} (Bonus Track)
14. Country Life {'68 single} (Bonus Track)

Blonde on Blonde / Contrasts

「Blonde on Blonde」という有名な作品がある。これはボブ・ディランが1966年に発表した通算7枚目のスタジオ作品で当時としては画期的な2枚組アルバム。「Rainy Day Women #12 & 35」「Just Like a Woman」などが収録された同アルバムは1960年代中期のアメリカン・ロックを代表するアルバムとして高く評価されているが、今回はこのアルバムの話ではなく、このアルバムのタイトルを名前としてしまったイギリスのバンドを紹介したい。実はブロンド・オン・ブロンドと名乗ってしまった例は今回のバンドだけでなく、他にも例がある。かつて日本でも『悩殺のディスコ・レディ』の邦題で日本盤が発売された事もあるブロンド・オン・ブロンドというユニットがそれだ。このユニットは金髪女性2人(ニナ・カーター、ジリー・ジョンソン)によるディスコ・ユニットで1970年代末に「Blonde on Blonde」「And How!」という作品を発表している。シングルも多数発表しているのだが、どれもが悩ましいジャケばかりなので、ジャケ買いマニアにはお奨めのグループと書いておく。

ブロンド・オン・ブロンド(Blonde on Blonde)は1967年、英ウェールズの都市ニューポートで結成。後にアキーラ(Aquila)というブラス・ロック・バンドに参加したメンバーが在籍していた事でも知られている。1972年前半に解散。結成当初のメンバーはヴォーカル/ギターのラルフ・デニア、ドラマーのレスリー・ヒックス、ベース及びオルガン担当のリチャード・ホプキンス、そしてギタリスト及び/シタール奏者のガレス・ジョンソン。バンドの名前の引用元は勿論前年のボブ・ディランのアルバムのタイトルから。サマー・オヴ・ラヴや「Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band」が発表された1967年に始動を開始したバンドだけあって、当時の時流であるサイケデリック・ミュージックやフリーク・ビート系のサウンドを好んで演奏していたのだという。メジャー志向の彼等は1968年にはウェールズからロンドンに上京、そこでパイ(Pye Records)の関係者の目に止まり契約を結ぶ事になる。最初のシングルは同年の「All Day All Night / Country Life」。
1969年にはブロンド・オン・ブロンドにとって最初のアルバムとなる「Contrasts」が登場。他にシングル「Need My Friend / Conversationally Making the Grade」も登場したが、同年夏のワイト島フェスティヴァル(Isle of Wight festival)を最後に中心メンバーの一人であるラルフ・デニアが脱退してしまう事態が発生してしまう。バンドはこれを機会にエンバー・レコーズ(Ember Records)に移籍、更に新メンバーとしてヴォーカリストのデヴィッド・トーマス(David Thomas)が参加。彼もまた英ウェールズ出身で1951年生まれだから参加時点でまだ20歳にも達していなかった事になる。大胆な抜擢だったんだね。バンドはテレビ番組のレギュラー出演獲得という忙しい日課の隙間を見計らって新作「Rebirth」を同レーベルから(フランスではフォンタナから)発表する。また、アルバムからは2曲仕様のシングル「Castles in the Sky / Circles」、4曲仕様のEP「Castles in the Sky」が登場した。

この通算2作目となる作品はサイケデリック・ミュージックがプログレッシヴ・ロックへ進化・発展する際の過渡期的な雰囲気が味わえる作品としてマニアからの支持も高い。日本では紙ジャケ化済み。新参加のデヴィッド・トーマスが「Rebirth」では曲作りにも積極的に参加している事から、ラルフ・デニアを失ったバンドが彼に大きな期待を寄せていた事が判る。1971年にはオリジナル・ベーシストのリチャード・ホプキンス(記載はリチャード・ジョン)が脱退してしまう2度目を悲劇を生むが、バンドは新たにグレアム・デイヴィス(Graham Davis)という新ベーシストを迎え入れて同年末にデヴィッド・トーマス体制としての続編となる「Reflections on a Life」を前作同様エンバーから発表するが、結局これが最後となってしまった。解散後のメンバーの足取りに関しては殆ど判らない。リチャード・ホプキンスがインペリアルズのヴォーカリスト、ラス・タフの1983年のソロ「Walls of Glass」に参加した経歴位しか調べられなかった。

Blonde on BlondeAquila (1970)リバース(紙ジャケット仕様)リフレクション・オン・ア・ライフ(紙ジャケット仕様)

■ Ralph Denyer - Vocals, Guitar
■ Gareth Johnson - Guitars, Sitar, Lute
■ Richard Hopkins - Bass, Piano, Organ, Harpsichord, Cornet, Celeste, Whistle
■ Les Hicks - Drums, Percussion

さて、本作「Contrasts」は1969年に発表されたブロンド・オン・ブロンドのデビュー作。デビュー作が最高傑作、という例はロックの世界にはよくある事だが2枚目と3枚目の作品の紙ジャケを発売してくれた日本の紙ジャケ・メーカーには申し訳ないが、個人的にはデビュー作が好き。なので今回はこれを紹介する。それにジャケットのセンスが素晴らしい。デビュー・シングルの評価が良くて発表に漕ぎ着けた作品だそうだが、レコード会社も彼等の売り込みに当時は結構力を注いでいたのだろう。全裸の金髪女性の後ろ姿の腰の付近にタレンチュラが這う、なかなかの構図。ちなみに「Contrasts」にはジャケが2種類あって、当CDで採用された英パイのジャケットの他、米市場ではカリフォルニアの Janus Records より女性の頭の部分だけをクローズ・アップした見開きジャケの物もあるそうです。もし仮に今後日本国内で紙ジャケ化の予定でもあるのなら、こちらの米ジャケの方も考慮に入れてもらいたい所だ。

ちなみにCDとしては1990年代半ばに See for Miles から1度登場済み。今回紹介するのは2001年マスター物で Sanctuary Records 系列の Castle Music から。オリジナルのプロデュースはバリー・マレー。作品はアート・ロック、ヘヴィ・サイケ、フリーク・ビート、ガレージ、ハード・ロック、フォーク・ロックといった音楽の要素が頭を過ぎる、なかなか多彩な音楽。個人的には大好きな雑多な質感を持った音楽なのでブリティッシュ・ロック・フリークに是非お奨めしたい。では、個別の曲に触れてみる。「Ride With Captain Max」はザ・フーとガレージ・ロックが合体した様なワイルドなハード・ロック。ベースとドラムスによるリズム・セクションは可也骨太で男っぽく格好良いし、ブルー・チアー当りのヘヴィ・ロックがお好きな方にもお奨めしたい。曲は一本調子になる事なく、フォーク・ロック調のアレンジをも盛り込むなど、なかなか凝った構成を見せてくれる。「Spinning Wheel」はシタールを導入した、風変わりなアート・ロック調のサイケデリック・ラガー・ロック。面白いね。

「No Sleep Blues」はコミカルな味わいが感じられるポップ・ソング。オリジナルはあのボブ・ディランも唸ったインクレディブル・ストリング・バンド「The 5000 Spirits or the Layers of the Onion」収録曲。全2曲とは異なり、リズム・セクションは幾分抑え目。「Goodbye」はハープシコードの音色が印象的なプロコル・ハルム然とした哀愁溢れるクラシカル調サイケ・バラード。「I Need My Friend」はブリティッシュ・インヴェイジョンからの影響を感じさせるビート・ポップ。フォーク・ロックをベースにした「Mother Earth」はガレス・ジョンソンのオリジナル。ピンク・フロイドの初期のアルバムによく見られる、牧歌的なフォーク・ロック調のあの雰囲気にも似た楽曲だ。「Eleanor Rigby」は勿論、あのビートルズのカバー曲。オリウジナルの格調性を尊重したのか、アコースティック・ギターによるイントロ部分からホーン・セクションが気前よく導入されている。オリジナル重視の方針だったのか、彼等ならではの個性という点では疑問符が残る選曲だ。

「Conversationally Making the Grade」は本作を最後に脱退してしまったラルフ・デニアの手による曲。冒頭部の曲同様、分厚いリズム・セクションを前面に押し出したヘヴィ・ロック。「Regency」ではリュートとハープシコードという、中世・ルネサンス期やバロック期によく用いられた楽器が使用されている。クラシック音楽調に書けば”リュートとハープシコードの為の作品”といった所だろうか。クラシック音楽の器楽(中世の音楽)の世界ではよく登場するコンビ。「Island on an Island」は印象的なトラッド・ソング。ケルト文化の伝統を今なお残しているウェールズ出身のバンドらしい、と一応書いておく。「Don't Be Too Long」はラルフ・デニアの手による洗練されたフォーク・ソング。「Jeanette Isabella」もプロコル・ハルムからの影響を感じさせるクラシカルなトーンのバラード・ソング。本編「Contrast」はここでお終い。そういえばここまでブルース色はあまり感じられなかったなあ。


そしてCDにはデビュー・シングルがボーナス・トラックとして追加収録。「All Day, All Night」は本編のSpinning Wheel」同様、シタールを導入したエキセントリックなフォーク・ソング。オリジナル本編でもインクレディブル・ストリング・バンドの曲がカバーされている事からも判る通り、当時のブロンド・オン・ブロンドのメンバーの音楽性にエキセントリックで異国情緒なインクレディブル・ストリング・バンドの音楽がビートルズや一連のブリティッシュ・サイケに属するバンド同様、多大な影響を与えていた事が伺い知れる。「Country Life」はジョン・ゴドフリーとアルバムのプロデューサーであるバリー・マレーの共作。俗に言う所の”サージェント・ペパーズ・シンドローム”的雰囲気を持つサイケ・ポップ。

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