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#1299 Lone Justice / Shelter (1986)

 2008-08-03
01. I Found Love
02. Shelter
03. Reflected (On My Side)
04. Beacon
05. Wheels
06. Belfry
07. Dreams Come True (Stand up and Take It)
08. The Gift
09. Inspiration
10. Dixie Storms

Shelter

1982年に結成されて2枚のアルバムを発表した後に解散してしまった、米カリフォルニア州LA出身のオルタナティブ・カントリー・ロック・バンド、ローン・ジャスティス(Lone Justice)。ルーツ・ロックなる言葉がいつ頃から音楽の世界で市民権を得たのかは知らないが、”出”があと少々遅かったらローン・ジャスティスに対する評価も違っていたのではないか、という評価が彼女らのバンドに対する評価を物語っている。今、”彼女ら”と書いたがバンドの顔というべき存在は女性リード・ヴォーカリストのマリア・マッキー(Maria McKee)。バンド解散後はソロとして活動を継続、既にかなりの枚数のソロ作品を発表してきたのだが現在の日本での評価は彼女の実力と比例しているか、と彼女の長年のファンに問いかければ大方の人がNOと即座に答えるだろう。まあ、彼女の様に自己の求める音楽が心の内部にしっかりと刻まれているアーティスト肌の人の場合、あまり人気が高まるのも問題だ。今のままで充分というのが大方のファンの逸話ざる本音なのかもしれないね。

結成は1982年。中心となったのはギタリストのライアン・ヘッジコック(Ryan Hedgecock) と1964年米カリフォルニア州ロサンゼルス出身のマリア・マッキー。ロカビリーやカントリー・ミュージックなどの米ルーツ・サウンドに畏敬の念を抱く2人を中心としたローン・ジャスティスは当初はカバー中心の音楽活動を展開していたというが、ベーシストの Marvin Etzioni やかつてエミルー・ハリスのバンドに属していたドラマーの Don Heffington(エミルー・ハリス「White Shoes」やレオ・コッケ「Time Step」、デリア・ベル「Delia Bell」、ドン・マイケル・サンプソン「Coyote」などに参加歴あり)らに即されてオリジナルを中心とした音楽活動を展開する様になる。リンダ・ロンシュタットとエミルー・ハリスとトム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズが合体した様な音楽性を誇る同バンドのデビューは1985年。アルバム「Lone Justice」は全米最高56位、カントリー・チャートでも62位。シングル「Sweet,Sweet Baby (I'm Falling)」は最高73位を記録。
また、同アルバムからのシングル「Ways To Be Wicked」は最高71位を記録した他、米ビルボード誌が1981年から開始した、シンプルで若々しいモダン・ロックを対象としたラジオ・ランキング”Mainstream Rock Tracks(現:Hot Mainstream Rock Tracks”)では最高29位を記録している。”Mainstream Rock Tracks”での記録を見る限りにおいては当時の若いロック・リスナーからまずまずの支持を獲得したと言えそうだし、新人バンドでありながらトム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズのメンバーや御大ボブ・ディランからの注目を獲得するなど、デビューしたばかりのバンドとしてはそれなりのスタートを切ったかに見えた。アルバム発表後のツアーではU2のサポート・アクトを担当、新作やツアーはメディアから概ね好意的に評価されたにも関わらず、バンドの後押しをした Geffen Records はどうやら不満足。デビュー・アルバム「Lone Justice」の米アルバム・チャートが最高56位では失敗、とばかりにメンバーの入れ替えを強要したのである。

マリア・マッキーとライアン・ヘッジコックは残ったが、大幅なてこ入れとしてベース&ドラムスのリズム・セクションが追い出されて新たにグレグ・サットンとルディ・リッチマンの新リズム・セクションが形成された他、2人目のギタリストとしてシェーン・フォンタインが、更にキーボード奏者として元パティ・スミス・グループのブルース・ブロディが参加した。翌1986年には早くも2作目となる「Shelter」が発表されたがアルバムは全米最高65位と低迷、シングル「Shelter」も最高47位止まり。Mainstream Rock Tracks での最高26位を見ればこのバンドには将来性があると評価してもよかったと思うが、投資に見合う成功を収められなければ失敗という評価を下すのが背広組の発想でもある。僅か2枚のアルバムで(内容の出来不出来は兎も角)ローン・ジャスティスは失敗という結論を下されてしまったのである。結局バンドは2枚解散。マリア・マッキーさえ居ればいんだから、というのが最終的にレコード会社が下した結論だったようである。

Lone JusticeThis World Is Not My HomeMaria McKeeLive at the BBCHigh Dive

■ Maria McKee - Vocals, Guitar, Piano
■ Shane Fontayne - Guitars
■ Ryan Hedgecock - Guitar
■ Greg Sutton - Bass, Vocals
■ Rudy Richman - Drums
■ Bruce Brody - Keyboards

マリア・マッキーのソロ・デビューは1989年。美女ジャケのグループに属してもいい「Maria McKee」もゲフィンが提供したがなんとアルバム・チャートは最高120位止まり。ただ悪い事ばかりではない。映画『デイズ・オブ・サンダー』(1990年)のサントラに収録された「Show Me Heaven」が全英でシングル・チャート1位を記録したのである。この後も彼自身のソロ活動は続いているが、成功にはほど遠い、というポジションがレコード会社からみた彼女の立つ位置だろう。だがお金を払ってアルバムを買う人にとってはアルバムのチャートなど全く関係ない。今回はデビュー以来今もって根強いファンを獲得している彼女のローン・ジャスティス時代の作品の内、最終作となった「Shelter」の方を紹介してみる。ちなみに元々マリア・マッキーはソロ歌手として活動を開始した人で1984年公開のユニバーサル映画『ストリート・オブ・ファイヤー』のサントラに「Never Be You」という曲を吹き込んでいる。

デビュー当初に音楽メディアなどから好評を持って迎えられた事は上で触れているが、2作目が発表された1986年にもマリア・マッキーが書いた曲が他のアーティストによって全英1位に輝くなどの成功を収めている。そんな最中に発表されたのが本作「Shelter」。プロデュースは Jimmy Iovine、Little Steven & the Disciples of Soul、Lone Justice。収録は全部で10曲、ライアン・ヘッジコックの名前もあるが、ポップになり過ぎた路線に嫌気がさしたのか、アルバム発表後のツアーに彼の名前はなかった。マリア・マッキー以外のメンバーがデビュー1年かそこらで全部変わってしまった訳だが、所詮はマリア・マッキーを売り出す為の母体でしかった様だ、レコード会社にとっては。では簡単に個別の曲にも触れてみる。冒頭の「I Found Love」はポップなロックンロールでマリア・マッキーとスティーヴ・ ヴァン・ザントとの共作。1980年代に数々のヒットを放って一世を風靡したバングルスみたいな曲だ。この曲1曲で当時のレコード会社が彼女に何を望んでいたのかがよく判る。

続く「Shelter」もマリア・マッキー&スティーヴ・ ヴァン・ザント作。当時の全米ミニ・ヒット曲。こんな事書きたくはないが、いかにも '80年代らしいキャッチーな作り。彼女の歌も清々しい。当時の彼女もこの手のポップな歌を歌う事に然程抵抗はなかったのだろう。インディ路線にひた走るのは1990年代になってからだからね。「Reflected (On My Side)」は新加入のシェーン・フォンタインとマリア・マッキーの共作。彼はローン・ジャスティス参加以前にはボストン出身のシンガー・ソングライター、アンディ・プラットのソロ作、更にスティーヴ・フォーバート、ランディ・ヴァンウォーマー、ブライアン・ブリッグス、イアン・ハンター、ジョニー・アヴェレージ・バンドなどの作品も参加している人。これまたキャッチーな'80年代ポップ&ロックンロール。「Beacon」もシェーン・フォンタイン&マリア・マッキー作。ハードな音作りとアコースティック・ギターの音色を混在させたセンスの迸りを感じる良い曲だ。

「Wheels」はマリア単独の手によるオリジナル。ピアノ伴奏をバックにした感傷的なバラード・ナンバーだが、シンプルな構成にはならずに途中から音は分厚くなる。突っ走る曲ばかりだけじゃない、この手の曲は彼女にはよく似合うと思う。「Belfry」はマリア、シェーン、スティーヴの三者による共作。パワフルなマリアの歌がよく似合うトム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズを彷彿とするロックンロールなポップ・ロック。どの曲もそうなのだが、本当に映画の歌物サントラにどれも似合いそうだ。「Dreams Come True (Stand up and Take It)」は新加入のグレグ・ サットンとマリアの競共作。ポップス感覚とルーツ感覚が同居した様な曲、と書いておく。「The Gift」はマリア単独曲。幾分スローなテンポのオルタナティブ・カントリー。つくづく彼女らの登場は早かった、と感じてしまう。エミルー・ハリスが堂々と「Wrecking Ball」や「Red Dirt Girl」を発表してしまう時代に登場していればね。

「Inspiration」はグレグ・ サットン&マリア・マッキー作。こうして見ると新加入のメンバーは結構曲作りの面においても貢献している事がよく理解出来る。なにかと言われる脇役陣だが、せめてあともう1枚アルバムを作らせてもよかったのではないか。グー・グー・ドールズ(Goo Goo Dolls)だって10年かかったんだからね、レコード会社が懐の広さを見せていれば彼等の将来は違ったものになっていたかもしれない。「Dixie Storms」はアルバムのエンディング曲。マリア・マッキー作。アメリカのポップ歌手らしい、正攻法なバラード・ソング。

MySpace.com - Maria McKee - Indie / Glam
MySpace.com - Ryan Hedgecock - Punk / Country
MySpace.com - Marvin Etzioni - Folk Rock

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