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#1344 Rufus Zuphall / Weiß Der Teufel (1970)

 2009-11-15
01. Walpurgisnacht
02. Knight Of 3rd Degree
03. Spanferkel
04. Freitag
05. Weiß der Teufel

[Bonus Tracks Live Aachen 1972 Part 1]
06. 900 Miles
07. I Put A Spell On You
08. See See Rider
09. Avalon Suite
10. Summertime
11. Prickel Pit

Rufus Zuphall / Weiß Der Teufel (1970)

こんなバンドまでも再復活。血気盛んな20歳代にロック・バンドを結成した音楽活動を展開するも、経済的な理由なメンバーの不仲などにより空中分解。が、数十年の後に再結成を遂げるという図式が今じゃ特に珍しくもなくなった模様。特に1970年代、あの時代は2度のオイルショックがあったお陰で世界各国の経済が大混乱。当時のロック・バンドもこの波から逃れる事が出来ずに数多くの有能なバンドが経済的な理由により活動停止を余儀なくされた事はロック・ファンなら先刻ご承知の通り。このバンドも御多分に漏れず1970年代に僅か1枚をアルバムを発表しただけで音楽シーンから消えてしまったバンドなんだが冒頭でも触れた通り、1999年に復活を遂げて西暦21世紀以降アルバムを発表している。経済的、もしくは時間的に余裕が出来る年齢にさしかかって若い時分に結成していたバンドを再復刻させようという志、大変結構な事です。彼等の様な事例な最早ロックの世界には多く見られるようになったが、こういうクラシック・ロック世代の音楽家の活動は全面的に応援したいものです。

さて今回紹介するバンドの名前はルーファス・ズファル(Rufus Zuphall)。1969年、ドイツの連邦州のひとつであるノルトライン・ヴェストファーレン(NRW)州アーヘン出身。地理的にベルギーやオランダ国境に近接している場所でもある。彼等はジャンル的には1970年代前半のジャーマン・アンダーグラウンド・サイケの範疇に属するバンド。一応メンバーは4人(5人?)。実際のアルバムにはゲスト参加者もいたようだ。巷ではドイツのジェスロ・タルなどとも称されるバンドでもある。ちなみに彼等の MySpace を見ると影響された音楽にソウルやR&B、ブルース、ジャズ、そしてジミ・ヘンドリックスなどの音楽、更にアーヘン大聖堂聖歌隊、また AFN や Radio Caroline、Radio Luxemburg などから流れてきた音楽と記されている。若かりし日の彼等も1960年代後半の米英のサイケデリック・ロックやアート・ロック、そしてブルースやジャズなどの音楽に魅了されて音楽活動を行なう事を決断したのだろう。
ルーファス・ズファルが世にその存在を知らしめたのが結成の翌年となる1970年。同年の8月、Bilzen(ベルギー)で開催された音楽祭(Bilzen Jazz Festival=1965年から開催)に登場、知名度ほぼゼロのバンドでありながら、当地を訪れた凡そ3万人もの観客の注目を大いに浴びたのだという。ちなみにこの音楽祭、日本では前年の1969年にディープ・パープルやソフト・マシーン、ショキング・ブルー、ハンブル・パイ、ボンゾ・ドッグ・ドゥーダー・バンド、ムーディー・ブルースといったロック・バンドがジャズ演奏家達に混じって出演した事でも知られている。 ルーファス・ズファルが出演したのは1970年の第6回大会。ブラック・サバス、キンクス、メイ・ブリッツ、ハンブルバムズ、バッドフィンガー、キャット・スティーヴンス、スクリーミング・ロード・サッチ、ケヴィン・エアーズといった連中と同じステージに立った模様(どうやら同フェスティヴァル唯一のアマチュア・バンド扱いで出演?)。

1970年には最初のシングルとなる「Walpurgisnacht / Spanferkel」を自主制作で発表。録音に参加した演奏家は Klaus Gülden(フルート、パーカッション)、Günter Krause(ギター、キーボード、ヴォーカル)、Helmut Lieblang(ベース)、Udo Dahmen(ドラムス、タブラ)。バンドのフロントマンはフルート担当の Klaus Gülden。作詞はベーシストの Helmut Lieblang が、作曲は Günter Krause がそれぞれ受け持って作り上げていったのだという。同年最初のアルバム「Weiß der Teufel」が自主レーベル Good Will Records より登場する。自主制作の割にはアルバムはそれなりの成功を収め、更にアルバム収録曲「Spanferkel」がドイツのラジオ番組のプログラムに組みこまれたりしたというから、彼等の力量と音楽性を評価する人間は当時から少なくなかったようだ。翌年の春には2作目となる「Phallobst」を制作、そして発表。自主制作だった前作とはうってかわり、今回は Pilz(BASF系列)からの登場。1972年には通算3作目となる「Avalon And On」の発表が計画されるも、バンドが1972年9月に解散してしまった為、「Avalon And On」は当時発表するには至っていない(1993年に初披露目)。

Avalon and onColder Than HellOutside the Gates of EdenSpace N' Base

■ Klaus Gülden - Flute, Percussion
■ Günter Krause - Guitars, Keyboards, Vocals
■ Helmut Lieblang - Bass (1-5)
■ Udo Dahmen - Drums, Tablas

■ Thomas Kittel - Guitar (6-11)
■ Manfred Spangenberg - Bass (6-11)
■ Erich Engels - Percussion (2)

解散後、メンバーはロックやジャズなど、それぞれ様々な世界で活動を展開していた模様だが、西暦20世紀も押し迫った1999年にルーファス・ズファルは突如復活。メンバーは旧メンバーから3人(Klaus Gülden、Günter Krause、Helmut Lieblang)、そして新メンバーとしてキーボード奏者(Gero Körner)、ドラマー(Roland Hegel)が加わった5人編成だ。この布陣で2001年にライヴ録音「Colder Than Hell」を独Fünfundvierzig より発表する。2007年には「Outside the Gates of Eden」。これは2枚組で2006年のライヴ録音を中心とした物(一部旧録の掘り出し音源もあり)。流石に新曲を書く能力は既に失われてしまった様だが、いずれにせよ人生の終盤に差し掛かってきた連中の生き様は流石だ。曲りなりにも1970年代のロック・シーンに身を置いていた連中の音楽に対する情熱には素直に感服せざるを得ない。現在もライヴ活動は続けている模様だが、若い連中に負けずに頑張ってもらいたい。

さて本編。今回取り上げる「Weiß der Teufel」は1970年に発表された彼等のデビュー作。自主制作(当時)で発表されたものだが、作品のレベルはすこぶる高い。CDは2004年に仏Long Hair Music からボーナストラック込み&リマスター音源にて登場。また2006年にも別カバーにて独Little Wing of Refugees から登場している。でもまあ、買うならやはり当時のオリジナルジャケットを復元した仏盤だよね。CDは当時のオリジナル音源5曲、そしてCD化に際して1972年6月17日の地元アーヘンで行なわれたライヴ音源6曲が追加収録されている。これでボリュームたっぷりの76分。お買い得という訳だ。ライヴ音源だけで1枚のアーカイヴ物の単品として商売になりそうなものだが、レーベルは随分と気前が良い。サウンドは1970年前後の当時のロック界によく見られた雑多なごった煮ロック。ジャズともブルースともプログレともサイケデリックともフォークとも付かぬサウンドという訳だ。しかしその音楽性は上でも触れた通り、非常に高い。

冒頭曲「Walpurgisnacht」はアンダーグラウンドな響きがたっぷりなサイケデリック・ブルース・ロック。1960年代後半のアシッドな香り漂うサンフランシスコ・サウンド。彼等をロックの世界に導いたのもやはり1960年代のヒッピー・カルチャーなんだろうな。続く「Knight Of 3rd Degree」の出だしはパーカッション奏者が加わった悪魔的なサイケデリック・フォーク・ロック。ドイツのジェスロ・タルと称される通り、フルートが導入されるのだが、タブラや呪術的なリズム・セクションとの対比は実にユニーク。7分を越える大作で曲調は一本調子に終わらずに動と静の対比、陽と陰、朝と夜、とったテーマに基づいたのであろうか、実に複雑で巧みなアレンジが施されている。これが最初のアルバムとは思えないレベルの高い楽曲である。演奏能力も高い。続くは2分程度の「Spanferkel」。演奏能力に秀でていた連中だと理解するのに充分なテンポの良いナンバー。手数の多いドラムや確かなリズムを刻むベース等、リズム・セクションは強固。

「Freitag」も7分を越えるナンバー。これまでの曲と同様、泥臭くアングラな響きが印象的なカルト・サウンド。非常に暗いサウンドだが、先の「Knight Of 3rd Degree」と同様、巧みなアレンジが加えられているので一本調子な印象はない。ドタバタした演奏はいかにも1970年初頭のドイツ産ロックらしい。どの曲もフルート演奏がかなりのウェイトを占めているので、どうしたってジェスロ・タルと比較してしまうのだが、ジェスロ・タルがズブズブのクラウト・ロックの世界に行くとこうなる、といった感じだろうか。「Weiß Der Teufel」は17分を超える大作。ブルージーなジャズ・ロックを基本としながらも、どっぷりとしたアングラな響きが充満した楽曲に仕上がっている。超一流のB級ロックとも言うべきか、力まかせの強引な展開だ。途中、ジョージ・ガーシュウィンの有名なオペラ『ポーギーとベス』に登場する子守唄「Summertime」が引用される。音楽的教養も高かった連中なのだろう。

「900 Miles」から5曲はボーナス・トラック。この時点で既に1972年になっているが、1960年代後半の音楽シーンにおける澱んだ空気感を今だ引き摺っている様な演奏と音楽。発掘音源の類に属するサウンドだが、リマスターを担当した Jörg Scheuermann 氏の手腕の成せる技だろうか、アーカイヴ物の類にしては音質は非常にいいレベルだと思う。ちなみに Jörg Scheuermann 氏は他に Improved Sound Limited「Improved Sound Limited」、Drosselbart「Drosselbart」、Maxwells「Maxwell Street」、Fashion Pink「Encore」、Kollektiv「Kollektiv」、Wolfgang Dauner Quintet「The Oimels」、Et Cetera「Et Cetera」、Haboob「Haboob」、Odin「SWF Session 1973」、Mammut「Mammut」といった作品のCD化に関わっている。仏Long Hair Music レーベルにとって欠かす事の出来ない人材らしい。

Rufus Zuphall - Offizielle Homepage
Rufus Zuphall - MySpace
rock blues soul pop folk jazz jazzbilzen Bilzen

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