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#1367 Kathe Green / Run The Length Of Your Wildness (1969)

 2010-12-07
01. Primrose Hill
02. Ring Of String
03. Only A Fool
04. Why? (The Child's Song)
05. Bossa Nova
06. Tears In My Eyes
07. If I Thought You'd Ever Change Your Mind
08. Promise Of Something New
09. Once There Was You
10. Part Of Yesterday
11. I'll Never Forget
12. Run The Length Of Your Wildness
13. I Love You ('Though You Are Not Here)

Run the Length of Your Wildness

スーザン・ジョージ(Susan George)。1970年代、特に同年代の前半が多感な青春時代だった人には懐かしい名前だろう。1950年生まれのイギリスの女優さんなので既に還暦を過ぎてしまった人だが、彼女が若かりし日に出演した映画の数々は私個人にとっても、とても思い出深い作品ばかりなのである。ダスティン・ホフマンの妻役を演じた1971年の映画『わらの犬』、現金強奪に成功した若者3人組を描いた1974年映画『ダーティ・メリー クレイジー・ラリー』。この2本は特にに印象深い映画で、両方ともテレビでみたのだが、男を翻弄する子悪魔的な(田舎のつっぱり女性風の)コケティッシュなスーザン・ジョージの魅力に当時少年だった私は魅了されたものでした。他にも『おませなツインキー』『小さな目撃者』『マンディンゴ』『タイガーシャーク』などの映画に出演するも、1980年代以降はさしたる人気を獲得できずに今日まで至っている女優さんだ。その彼女の映画キャリアの中で『Die Screaming, Marianne』というタイトルの日本劇場未公開の英低予算映画がある。

公開は1971年。監督は英サセックス州ブライトン出身のホラー映画監督、ピート・ウォーカー。内容はサスペンス/スリラー物でスーザン・ジョージは劇中でマリアンヌという名前のゴー・ゴー・ダンサー(死語!)を演じているらしい。らしいというのもこの映画、日本では今もって劇場未公開でビデオもDVDも未発売らしい。B級低予算の低俗映画上がりの監督作品なので、まともに鑑賞に堪える映画ではないと思うが、20歳をすこし過ぎたばかりのスーザン・ジョージを見る事が出来る映画という訳で、個人的には死ぬまでに1度は見ておきたいと思っている。ここまで長々と書いてきたが、今回の主役である音楽作品となんの関係があるのかというと、今回の主役、キャシー(ケイティ?)・グリーンは実はこの『Die Screaming, Marianne』という映画で映画のタイトル・ソングを歌っているのだ。曲名は「Marianne」。曲を書いたのはハル・シェーバー&シリル・オーナデル。ちなみにあのアストラッド・ジルベルトが1978年の第9回世界歌謡祭出場の為に来日して歌った曲もハル・シェーバー&シリル・オーナデルの手による曲だった。
キャシー・グリーン(Kathe Green)は1944年9月22日生まれ。父は映画『ラスヴェガスで逢いましょう』『巴里のアメリカ人』『ウエスト・サイド物語』などの音楽を手掛けた事で知られる、作曲家、ピアニスト、指揮者、アレンジャー、プロデューサーの肩書きを持つジョニー・グリーン(母は Bonnie Nadine Waters、妹は Christopher Allison) 。母親似の長身の女性。 一応彼女には女優、モデル、歌手という肩書きがあって、CBS系のテレビ番組『The Many Loves of Dobie Gillis(1959-1963)』の中の1960年放映時のエピソード「Who Needs Elvis?」、1962年制作のコメディ番組『It's a Man's World』の中のエピソード「Howie's Adventure」などに出演している。映画出演は英俳優ピーター・セラーズの1968年のコメディ映画『パーティ』。監督は『ピンク・パンサー』シリーズを手掛けたブレイク・エドワーズ。ジーン・カーソンやマージ・チャンピオン、クロディーヌ・ロンジェ、ディック・クロケット、 ダニエル・デ・メッツ、スティーヴン・フランケンなども出演した映画。これまでみた事ないけど、まあチョイ役だったのだろう。

父親(ジョニー・グリーン)が業界の有名人だったから、親の七光りみたいな感じでテレビ番組や映画などに出演できたのかもしれない。この映画出演以外では映画監督として初めてナイトの称号を得た名監督キャロル・リードのミュージカル映画『オリバー!』(1968年)。正式には未クレジットだったそうだが当時子役のマーク・レスター(後に『小さな恋のメロディ』で有名になる、あの少年)の声を代役。これが契機になったかどうかは判らないが(父親の後押しもあったのかもしれない)、デッカ系列のデラム・レコーズと契約を結ぶ事に成功する。そうして1969年に最初のアルバム「Run the Length of Your Wildness」が発表される。更にシングル「Primrose Hill / If I Thought You'd Ever Change Your Mind」も同年発表された。ちなみに、このアルバムのタイトルは当時の彼女の親友だったアイルランド出身の俳優リチャード・ハリス(映画『ハリー・ポッター』シリーズの1作目と2作目でダンブルドア校長を演じた人)の言葉からの引用だったそうだ。

Run’the Length Of Your Wildness

■ Kathe Green - Vocals
■ John Cameron - Musical Direction
■ Derek Varnals - Engineer
■ Peter Rynston - Assistant Engineer
■ Wayne Bickerton - Producer

このアルバム以外での音楽業界での仕事としては1969年結成(1970年解散、前バンド名は Tages)のスウェーデンのサイケデリック・ポップ・バンド、ブロンド(Blond)のアルバム「The Lilac Years」への作詞提供、冒頭で書いた映画『Die Screaming, Marianne』での主題歌の仕事、1976年にモータウンから発表されたディスコ物のシーン復帰作「Kathe Green」発表など。だが音楽の世界での仕事はここまで。これ以降は音楽業界から遠ざかってしまった模様。本人にどれだけやる気があったのかは判らないが、30代の中盤で音楽の世界に見切りを付けた彼女のここまでの人生も満足のいくものだったのかもしれない。さて、本作「Run The Length Of Your Wildness」は1969年にデラムから発表された彼女の最初のソロ作品。CDは復刻物コレクター諸氏から愛される Rev-Ola Records。デジタル・リマスター盤。プロデュースはビートルズの初代ドラマーであったピート・ベストが脱退後に結成したピート・ベスト・コンボの元メンバー、ウェイン・ビッカートン。ウェイン・ビッカートンはピート・ベスト・コンボ解散後、デッカ/デラムに拾われて契約した人でもある。

ワールド・オヴ・オズ、ダナ・ギレスピー、ジャイルズ・ジャイルズ&フリップ、パシフィック・ドリフトといった作品制作にも関与している事で知られるウェイン・ビッカートンだが、彼は作曲家、アレンジャー、指揮者のジョン・キャメロンの作品も手掛けている。そうした関係からか、ジョン・キャメロンは本作「Run The Length Of Your Wildness」で音楽監督を担当。そしてエンジニアにデレク・ヴァーナルズ。関与作としてワールド・オヴ・オズ、ダナ・ギレスピー、ムーディー・ブルース、キャラヴァン、イースト・オヴ・エデン、ジョン・メイオール、キーフ・ハートレイ・バンド、ジョニー・アーモンド・ミュージック・マシーンなど。アシスタントを務めたピーター・ラインストーンもデラム/デッカで仕事をこなすなど、堅いスタップに支えられて制作されたのが「Run The Length Of Your Wildness」という訳だ。 ワールド・オヴ・オズやダナ・ギレスピーのアルバムのスタップが揃っている事から、これらの作品との関係性も垣間見て取れる。

個別の曲にも簡単に触れてみる。「Primrose Hill」はリズ・サックス&キャシー・グリーン作。親の七光りで女優稼業、そしてアルバムも出してみました、という訳だが以外と彼女、才能があったのかも。歌手としてだけでなく自らのペンによる曲を数多く本作で披露するなど、その筋の才能は確かにあったみたい。ワールド・オヴ・オズでその才能を遺憾なく発揮したジョン・キャメロンの指揮によるオケが印象的。暗い音楽を想像させるジャケのイメージとは正反対な、まさに晴れやかで健康的な日向の音楽だ。「Ring Of String」はグリーン単独作。マリアンヌ・フェイスフル、サンディー・ショウ、ダナ・ギレスピーとの類似性を指摘される事も多いキャシー・グリーン嬢の歌声は素朴だが、心に染み入る様。「Only A Fool」はウェイン・ビッカートン&ジャッキー・ロマックス作。やや大袈裟なオケをバックにしたポップスはロック・ファンにはあまり支持されないと思うが。

続く「Why? (The Child's Song)」はグリーン単独作。ハープやフルートをバックにした美しいクラシカル・ナンバー。「Bossa Nova」もグリーン提供曲。タイトル通りのナンバーでソフト・ロックやモンド・ミュージックのファンの方にも受け入られそうだ。育ちの良いお嬢さんによる気品あるスキャットが楽しい。「Tears In My Eyes」はウェイン・ビッカートン&トニー・ワディントン作。契約作曲家としてデッカやデラムで仕事をこなしていたウェイン・ビッカートン&トニー・ワディントンらしい、手馴れたポップ・ナンバー。これもソフト・ロック・ファンに受けそう。「If I Thought You'd Ever Change Your Mind」はジョン・キャメロン作によるバラード・ナンバー。ドラマチックな仕上がりは流石。「Promise Of Something New」もネアカなオケをバックにした軽快なグルーヴ・ナンバー。「Once There Was You」はリズ・サックス&キャシー・グリーン作。品行方正で的確なアレンジ。この後も的を外さない曲が登場してアルバムは終わりとなる。ロック・ファンには少々退屈なアルバムだが、ソフト・ロック・ファンには間違いなく受ける作品だと思う。

Revola Records : Kathe Green

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