#1419 Joanne Shaw Taylor / Diamonds in the Dirt (2010)

 2011-09-04
01. Can't Keep Living Like This
02. Dead and Gone 《YouTube》
03. Same as It Never Was
04. Jump That Train 《YouTube》
05. Who Do You Love?
06. Diamonds in the Dirt
07. Let It Burn
08. World on Fire
09. Lord Have Mercy
10. The World and Its Way 《YouTube》

Joanne Shaw Taylor / Diamonds in the Dirt (2010)

YouTube で偶然耳(目)にした女性ブルース・ロック・ギタリスト。私の様な昭和30年代生まれの洋楽ファンの耳に心地良い、何処と無く古めかしいバドカンみたいなブリティッシュ・ブルース・ロック・スタイルに魅了されてアマゾンで購入。商業路線に乗ってくる流行りの米ポップスにまったくついていけない私からすると、安心して聴く事の出来るクラシック・ロック・スタイルなのがいい。どうです、著作権管理業界の皆さん、こうして私は YouTube 経由でCDを買うのですよ。彼女みたいにアルバム1枚とか2枚しか発表していないアーティストのアルバムを事前の予備知識無しで買う程、お金が余っている訳じゃないですからね。YouTube はこうして今日もCD売上に貢献するのです。で今回紹介する女性の名前はジョアン・ショウ・テイラー(Joanne Shaw Taylor)。1986年生まれのイギリス生まれのお嬢さん。今年の誕生日で25歳という、当ブログの紹介対象としては画期的に若い世代のアーティストという事になる。

彼女、8才からギターを弾き始め、アルバート・コリンズやジミ・ヘンドリクス、スティーヴィー・レイ・ヴォーンに憧れてブルースに傾倒したという。アルバート・コリンズ。そうですか。かつて当ブログでも紹介した、凶暴なるフェンダー・テレキャスター・サウンドでブルース・シーンを席巻した有名人。フェンダー・テレキャスターと言えばロックの世界ではジミー・ペイジ、ジョー・ストラマー、キース・リチャーズ、シド・バレット、ジェフ・ベック、ロイ・ブキャナン、スティーヴ・マリオット、マイク・オールドフィールド、ロビー・ロバートソン、ブルース・スプリングスティーン、アンディ・サマーズ、デヴィッド・ギルモア、ノエル・ギャラガー、ヒュー・コーンウェル、グレアム・コクソン、ボブ・ディランといった人達が(使用遍歴の大小はあるにせよ)使っているが、ブルースの世界ではなんといっても米テキサス州出身のアルバート・コリンズ。 従兄弟のウィロー・ヤング直伝の変則的なチューニングで世界を制した爆裂男が今年25歳のお嬢さんのお手本とは驚きだ。
ブルースを解体・再構築したジョン・スペンサーの登場から十数年。2009年の「White Sugar」でアルバム・デビューを飾ったジョアン・ショウ・テイラー。この時点で若干23歳だが、プロの音楽家との出会いはこれより7年程遡る。1980年代に「Sweet Dreams」というヒット曲を飛ばしたイギリスのグループ、ユーリズミックス。このバンドのメンバーで元ツーリスツのギタリスト、デイヴ・スチュワート(David A. Stewart、最近ではローリング・ストーンズのミック・ジャガーやジョス・ストーン、ボブ・マーリーの息子ダミアンらと”スーパーヘヴィ”なるバンドを結成して話題に)に認められのが16歳の頃だったという。翌年、ジョアンはデイヴ・スチュアート、キャンディ・ダルファー、ジミー・クリフからなるスーパー・グループ、D.U.P.のヨーロッパ・ツアーにギタリストとして参加。まだこの時点で17歳だったのだから驚きだ。デイヴ・スチュワートの推薦もあったのだろうか、彼女にはレコード会社との契約も用意された。

だが、レコード会社が運悪く倒産。しかし彼女はめげない。数年の下積み生活を経て、2009年に23歳で晴れてソロ・デビュー作品を発表。1994年に Thomas Ruf によって設立された独レーベル、Ruf Records(元来、《ブルース界のジミ・ヘンドリックス》との異名を誇るブルース・ギタリストのルーサー・アリスンのアルバムを発表する為に設立された様なブルース・レーベル)から登場した「White Sugar」がそれだ。この作品ではギター、ヴォーカルだけでなく作曲までも手がけるなど、デビュー作にして早くも非凡な面を披露する。プロデュースは彼女にとっては憧れの存在であるスティーヴィー・レイ・ヴォーンやアルバート・コリンズを手がけた事もあるジム・ゲインズが担当。録音はアメリカン・ルーツのメッカ、メンフィス。脇を固めた布陣はデヴィッド・スミス(ベース)、スティーヴ・ポッツ(ドラム)。ツアーも敢行。アメリカでのツアーにはカルフォルニア州ロスアンジェルス生まれで、シングル・マザーやポルノのモデル経験といった波瀾万丈の人生を送ってきたキャンディ・ケインが同行。

White Sugar
「White Sugar」
 [CD]
 アーティスト:Joanne Shaw Taylor
 レーベル:Ruf
 発売日:2009-05-12
 by ええもん屋.com


■ Joanne Shaw Taylor - Guitar, Vocals
■ Dave Smith - Bass
■ Steve Potts - Drums
■ Rick Steff - Keyboards

イギリス生まれの女性ブルース・ギタリストだが、アメリカ人にも理解され易いクラシカルなスタイルのブルース・ロック路線の音楽が功を奏したのか、このデビュー作は2010年に米ブルース・チャートで最高8位を記録。新人としては上出来の部類だろう。ブラインド・レモン・ジェファーソン、T・ボーン・ウォーカー、フィリップ・ウォーカー、アルバート・コリンズ、クラレンス“ゲイトマウス”ブラウン、ジョニー・ウィンター、ジョニー・ギター・ワトソン、ジョニー・コープランド、スティーヴィー・レイ・ヴォーン、等々。名だたるテキサスの歴代ブルース・マン達だが、イギリス生まれの現代っ子のお嬢さんが20代前半でテキサス・ブルースの遺伝子を感じさせる粋な音楽を作り上げた。2010年には2作目となる「Diamonds in the Dirt」を前作同様、Ruf Records から発表。全米ブルース・チャートで前作同様に最高8位を記録した。現在、米ミシガン州南東部にある工業都市デトロイトに在住。住むんだったら米南部、じゃなくてカナダ国境に接するミシガン州というのが少し意外。

今回取り上げる作品はジョアン・ショウ・テイラーの通算2作目に相当する作品。目下の所、彼女の最新作でもある。ギター&ヴォーカルはジョアンで作詞/作曲も彼女自身。シンガー・ソングライティング・ブルース・ウーマンという訳だ。演奏はベースにデイヴ・スミス(BluesCaravan、The Suicide Machines、Guy Sebastian、Ana Popovic、Todd Agnew、Joy Whitlock、Danny Liston、Coco Montoya、Shakura S'Aida、Zak Smith らの作品に参加)、ドラムスにスティーヴ・ポッツ(Anna Becky、Marti Pellow、Rufus Thomas、Shemekia Copeland、Louise Hoffsten、Wynonna Judd、Cat Power、O.B. Buchana、BluesCaravan、Albert Cummings、Hellhounds、Wynonna Judd、Axelle Red らの作品に参加)、キーボードにリック・ステッフ(Justifide、John Eddie、Jonah 33、William Lee Ellis、Cory Branan、Lucero、Giant Bear、The Afghan Whigs、Rocky Votolato、Todd Agnew、Drag the River、Eden Brent、Susan Marshall らの作品に参加)。

個別の曲にも触れてみる。冒頭曲は「Can't Keep Living Like This」。戦前のテキサス・ブルースを象徴するアコースティック・ギターの弾き語りブルース風のアレンジから始まり、レイド・バックしたリズムをバックにしたエレクトリック・ブルース・ロックが奏でられる。アルバムが発表された2010年の時点でまだ24歳。恐るべき熟成ぶりだ。アルバート・コリンズに影響されて手にする事になったフェンダー・テレキャスターもよく弾けている。ジョニー・ウィンターやスティーヴィー・レイ・ヴォーンのファンの方は勿論、クラシカルなブルース・ロックを好むオジサン世代の洋楽ファンの方にも安心してお薦め出来る。「Dead and Gone」はブギ・スタイルのハードなブルース・ロック。イギリス生まれの音楽家だが、奏でられる音楽はゴリゴリの泥臭いアメリカン・ロック。こんな泥臭い音楽を演奏するブルース・ギタリストなのに現住所が米北東部というのだから、やぱり以外。

続くは「Same as It Never Was」。ロッド・スチュワート当たりに歌わせてみたい、気持ちスワンピーな軽快なナンバー。いやしかし、嬉しいねえ。「Jump That Train」もやはり、1970年代の洋楽ロックにこんなリズムとメロディあったぞ、とオヤジ世代のロック・ファンに思わせるナンバーだ。軽快なギター・ワークが光る「Who Do You Love?」に続いて流れてくるのはタイトル曲の「Diamonds in the Dirt」。何処と無くAOR風な展開。続く「Let It Burn」では一転してハードなロッキン・ブルースが演奏される。この渋さ。プロデューサーのジム・ゲインズの手腕もあるだろうが、24歳のお嬢さんでここまで熟成した音楽が演じられようとは。全く驚きだ。21世紀の女レイ・ヴォーンの称号を与えてもいいかもね。続くは「World on Fire」。なんとなく1970年代のドゥービー・ブラザーズを彷彿とさせる、サザン・ロック・テイストな逸品。アルバムはヘヴィなブルース・ロック「Lord Have Mercy」に続いてジョー・コッカー当たりに歌わせたい「The World and Its Way」でアルバムは幕を閉じる。

メジャーな取り扱いを受ける様な類の音楽を演奏している訳ではないので、今後爆発的な人気を獲得するとは到底思えないが、最近の洋楽って聴くものない、とお嘆きの40代以上の洋楽ロック・ファンにお薦めしたい。

Joanne Shaw Taylor
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