#1427 The Monks / Bad Habits (1979)

 2012-12-31
01. Johnny B. Rotten YOUTUBE
02. Drugs in My Pocket YOUTUBE
03. Love in Stereo YOUTUBE
04. Bad Habits
05. Spotty Face
06. Dear Jerry, Don't Try To Kill Me With Your Love, Norman
07. Nice Legs Shame About Her Face
08. Inter-City Kitty
09. Out of Work Musician
10. Ain't Gettin' Any
11. No Shame
12. Skylab (Theme from the Monks)

Bad Habits

今を去る事1978年に結成、1979年に最初のアルバムを発表したパワー・ポップ・バンド、ザ・モンクス(The Monks)。モンクスと名乗る(名乗った)バンドは音楽シーンにこれまで幾つか存在しているが、今回取り上げるバンドは時代的には所謂ニュー・ウェーヴと呼ばれるバンドが数多く存在していた1980年前後のイギリスで活動していた連中だ。ジャケットに写るセクシーで退廃的な尼さんのジャケに魅了されて随分と前に購入していたCDですが、すっかりレビュー意欲を失ってしまって以来、自宅の部屋で眠っていた1枚。もう年末なので最後に1枚位取り上げておかないと年がこせそうにもないので、なんとなく目についた本作を紹介してみる。さて、このバンドの構成要員に目を通してみるとストローブス(STRAWBS)と名乗るバンドの元メンバーが在籍している事に気がつく。そう、あのストローブスである。イギリスのフォーク・ロック・グループ、ストローブスの事だ。

ストローブスは1960年代半ばにデイヴ・カズンズとトニー・ホッパーが結成したデュオを母体とするバンドで1969年にデビュー・アルバム「Strawbs」を発表している。古株の日本のロック・ファンにはかつてリック・ウェイクマンがイエスに参加する前に在籍していた事でも知られるバンドでもある。ストローブスは1970年に2作目となる「Dragonfly」を発表、その後ストローブスは新メンバーを加えて3作目となる「Just a Collection of Antiques & Curios」を発表した。前作でゲストとして参加したリック・ウェイクマンが正式参加した事でも知られるアルバムだが、ベースとドラムスのリズム・セクションも新メンバーに交代している。それがベーシストのリチャード・ハドソンとドラマーのジョン・フォードの2人。2人はエルマー・ガントリーズ・ヴェルヴェット・オペラから流れてきたメンバーで同バンドでは「Elmer Gantry's Velvet Opera」「Ride a Hustler's Dream」の1960年代後半の2枚のアルバムに参加している。
その後も2人はストローブスに欠かす事の出来ない存在として「From the Witchwood」「Grave New World」「Bursting at the Seams」といったアルバムに参加するも、「Bursting at the Seams」を最後に両者は脱退、2人はハドソン=フォード(Hudson-Ford)というバンドを1973年に結成する。4人編成の同バンドは「Nickelodeon」「Free Spirit」「Worlds Collide」「Daylight」というアルバムを1977年までの間に発表するが、注目すべきは同バンドのサウンド。トラッドや中世古楽を取り入れたアコースティックなサウンドを真骨頂とするストローブスとは異なり、パワー・ポップ系のサウンド。当時のサウンドは動画サイトなどでも確認出来るので是非聴いて欲しい。また、ドラマーのジョン・フォードはハドソン=フォードではケン・ロウズという人にドラムは任せて自身はギターを担当している。ストローブスではシタールを担当などしていたのでが、一体どういう目論みでギタリストに転身したのだろうか。新バンド結成に際してギタリストが見つからなかったのだろうか。

なかなかレベルの高いアルバムを連発してたハドソン=フォードであるが解散、1978年に改めて結成したのがモンクス(The Monks)。バンドの中心はハドソン=フォード同様、リチャード・ハドソンとジョン・フォードの2人。なのでモンクスはストローブスの息吹を引き継ぐバンドではなく、パワーポップのハドソン=フォードの新装バンドという性質を持つバンドとして認識すべき。結成当初のメンバーはリチャード・ハドソン&ジョン・フォードに加え、クライヴ・ピアース(ドラムス)、ブライアン・ウィロビー(ギター)、テリー・キャシディ(キーボード)。サウンドはハドソン=フォード譲りのキャッチーなパワーポップに当時の流行であるパンクやニュー・ウェーヴ、レゲエのエキスを加えた物。1960年代後半から音楽シーンに身を置く10年選手の音楽家が流行に乗ろうとちゃっかり結成した訳だ。バンドは1979年に最初のアルバムとなる「Bad Habits」をEMIから(カナダではハーヴェスト名義)発表する。

■ John Ford - Guitars, Synthesisers
■ Richard Hudson - Bass, Synthesisers
■ Terry Cassidy - Vocals, Synthesisers
■ Clive Pierce - Drums
■ Brian Willoughby - Guitars

シングル「I Ain't Gettin' Any / Inter-City Kitty」「Johnny B. Rotten / Drugs in My Pocket」「Love in Stereo / Drugs in My Pocket」「Nice Legs Shame About the Face / You'll Be the Death of Me」も立て続けに発表するが、「Johnny B. Rotten」なんてタイトル、見るからにあざとい仕事。1981年には2作目となる「Suspended Animation」を発表。ジャケには再びセクシーな尼さん登場。シングルも「Cool Way To Live/King Dong」「Don't Want No Reds / Plastic Max」「I Can Do Anything You Like / Monks Medley」と発表。こうしてみると結構恵まれていた連中だったのだろう。バンドは1982年頃まで活動を継続するも、その後解散。この後、リチャード・ハドソンとジョン・フォードの2人はハイ・ソサエティーというバンドを結成して1984年に「High Society」というアルバムを発表するが、1枚限りで解散。この後、リチャード・ハドソンはストローブスに復帰して「Don't Say Goodbye」「Ringing Down the Years」というアルバムに参加。

面白いのはモンクスの活動に関わっていたブライアン・ウィロビーやクリス・パレンといったメンバーもストローブスのアルバムに参加しているのだが、そうしたエピソードは本筋から外れるので、アルバムの紹介に移る。「Bad Habits」は1979年に発表した最初のアルバムで、ディーヴォみたいなニュー・ウェーヴ・サウンドにより接近した2作目とは異なり、(2年前という事もあるのだが)パンク・ロック系のサウンドを彷彿とさせる内容を誇っている。だが上でも触れた通り、彼等はロンドンの雑踏から登場したパンク・ロック・バンドじゃない。時代の流行に便乗しようと一儲けを目論んだ、所謂”なんちゃってパンク・ロック・バンド”である。まあ、中堅のミュージシャンと言う事もあって、「こうしろ」「ああしろ」というレコード会社の方針にもよく従ったのだろう、だからシングルも沢山リリース出来たのだろう。それにリチャード・ハドソン&ジョン・フォードの2人は曲作りに関しては秀でた才能を持つコンビ。そういう視線で見れば、本作は結構な出来なのである。

冒頭曲はそのものずばり「Johnny B. Rotten」。セックス・ピストルズ及びパンク・ロック・ブームにオマージュを捧げた便乗ソング。曲名からなんとなく想像出来る通り、セックス・ピストルズとチャック・ベリー「Johnny B. Goode」を足して2で割った様な楽しい歌だ。「Drugs in My Pocket」はイアン・デューリー&ザ・ブロックヘッズみたいなナンバー。「Love In Stereo」はリチャード・ハドソン&ジョン・フォードの曲作りの才能を感じさせるキャッチーなポップ・ソング。セックス・ピストルズというよりもゴーゴーズ風。「Bad Habits」はタイトル曲。印象は初期のディーヴォみたいな調子外れのニュー・ウェーヴ・ナンバー。当時のイギリスにおける音楽シーンよく研究している。続く「Spotty Face」は今度はポール・ウェラー率いるザ・ジャムだ。1980年前後の音楽シーンをよく覚えている人にはたまらないサウンドだろう。演奏もポット出の人達じゃないから安心して聴いていられる。

「Dear Jerry」ではザ・クラッシュもどきのレゲエ風のサウンドが流れてくる。「Sandinista!」当りに収録されていそうな楽曲でもある。「Nice Legs Shame About Her Face」ではザ・クラッシュとストレイ・キャッツを足して2で割った様なネオ・ロカビリー・サウンドが堪能出来る。「Inter' City Kitty」は割とストレートなサウンド。ストラングラーズのシングルB面曲みたいな雰囲気があると書けば判って貰えるだろうか。「Out of Work Musician」は初期ダムドのサウンドを表面だけ真似した様なサウンド。この曲だけでなく、どの曲でもキャッチーな印象が拭えないのは、彼等がハドソン=フォードの遺伝子を引き継ぐバンドだからだろう。「I Ain't Getin' Any」は1960年代後半、キャンド・ヒート「Going Up The Country」のリフによく似たサウンドをバックにパワー・ポップ&パンク・ロックのエキスを入り混ぜた様な風変わりな楽曲。ブリティッシュ・モダン・ポップの視点から語るのも面白いだろう。

アルバムは「No Shame」、そしてB-52のサウンド・ギミックを意識した様な「Skylab (Theme from the Monks)」へと流れていく。これでお終い。このアルバムを聴いて、『みんなどこかで聴いた様な感じだ』とか、『これは何がしからのぱくり』だなんて言ってはいけない。バンドの結成コンセプトが”なんちゃってパンク・ロック”、或いは”なんちゃってニュー・ウェーヴ”なのだがら、目くじらたてるのはNO。曲は粒揃いだし、ネタの拝借元が多岐に渡っているから、サウンドは結構バラエティに富んでいるし、演奏自体も当時の演奏キャリアの貧弱な若者バンドとは雲泥の差。収録されている曲もリチャード・ハドソン&ジョン・フォードの力量によって粒が揃っている。ザ・モンクス以外では然したるキャリアもないテリー・キャシディも曲作りの面で頑張っている。個人的に裏名盤としてお奨め出来る。なお、似た様なジャケットで「Thomas D'Arcy Presents: A Tribute To The Monks」というアルバムもあるが、これは彼等のトリビュート作品。

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