#1428 Karthago / Karthago (1971)

 2013-01-02
1. String Rambler YOUTUBE
2. I Don't Live Tomorrow
3. But I Know
4. Morning Surprise
5. I Give You Everything You Want
6. I Know What You Can Do My Babe
7. Why Don't You Stop Buggin' Me Babe (Wave On) YOUTUBE
8. Black Fire YOUTUBE
9. Nos Vamos

Karthago (First Album Special Edition)

2004年12月にドイツで開催されたロック・フェスティヴァル「Rockparast」に出演したバンドの演奏を収録したライヴDVD「Krautrock Meeting」なるものがある。これは往年のジャーマン・ロック系アーティストの演奏を収録した二枚組DVDで、エピタフ、グル・グル、ジェーン、バース・コントロール、アモン・デュールII、カルタゴといった面々の演奏が収録されている。往年のロック・ファンにとってはこうしたバンドが今尚活動している事に驚きを隠せないが、日本のロック・ファンには余り馴染みのないバンドの名前がある。その一つがカルタゴ(Karthago)という名前のファンク&ジャズ・ロック・バンドだ。このバンドは1971年に独ベルリンで結成されたバンドで1970年代前半から後半にかけてシングルたアルバムを数枚発表している。アナログ・レコード時代には不幸にも1度も耳にする事のなかったバンドだし、CD全盛期の時代にもなし。個人的に昔から1度聴いてみたいと思っていたバンドだったのですが。

ドイツのロックの歴史に関心がある人なら知っているかもしれないが、ジャーマン・ロック系バンドのアルバムを紹介した雑誌(CD-ROM版もあり)に「The Crack In The Cosmic Egg」がある。私も昔から参考にしてきた物なのだが、この雑誌の表紙に紹介されていた、ある1枚のアルバムがずっと前から気になっていた。アルバムの名前は「Karthago」。割れた卵の中から目玉が覗く、1970年代のドイツ産ロックによくありがちな風変わりなジャケットのアルバムだ。これを最近になってようやく入手出来たので、今回はこのバンドを取り上げてみたい。カルタゴは1971年にジョーイ・アルブレヒト(Joey Albrecht、ギター、ヴォーカル)、トミー・ゴルトシュミット(Tommy Goldschmidt、ドラムス、パーカッション、ヴォーカル)、ウルフガング・ブロック(Wolfgang Brock、ドラムス、パーカッション、ヴォーカル)、インゴ・ビショフ(Ingo Bischof、オルガン、ヴォーカル)、ジェラルド・ルチアーノ・ハートウィッグ(Gerald "Luciano" Hartwig、ベース、ヴォーカル、パーカッション)らの面々で結成された。
結成の中心となったのはジョーイ・アルブレヒトとジェラルド・ルチアーノ・ハートウィッグ。彼等は1968年頃から(10代の頃から)ブルース・クラブなどに出入りして演奏活動を展開していたらしい。1970年頃に2人はボリビア出身のパーカッション奏者、トミー・ゴルトシュミットと接触、この後ほどなくして彼等はBASFと契約を結ぶ事に成功する。BASF、知っていますか。今じゃ世界最大の独・総合化学メーカーとして有名ですが、かつてはカセットテープを製造したり、音楽レコードの制作も行なっていました。さて、契約を結んだ後、3人じゃ無理だから、という訳でもないだろうが彼等は新たにインゴ・ビショフ、ウルフガング・ブロックの2人を参加させて5人編成となり、最初のアルバム制作に望む事になる。1971年、変形見開きジャケット仕様の最初のアルバム「Karthago」が発表される(1979年にブレインより再発)。翌1972年にはシングル「I Don't Live Tomorrow / I Give You Everything You Want」が発表される。

1973年には通算2作目となる「Second Step」登場。ウルフガング・ブロックが抜け、代わりにノルベルト・レーマンがドラマーとして参加。更にフランピー~アトランティスの姉御インガ・ランプもゲスト参加。ちなみにこの時のインガ・ランプとの競演がキッカケで後にインゴ・ビショフ、ジェラルド・ルチアーノ・ハートウィッグはアトランティスの活動に関わる事になる。1974年には通算3枚目となる「Rock 'n' Roll Testament」を発表。ベース奏者は一時的に抜けたジェラルド・ルチアーノ・ハートウィッグの代わりにジェスロ・タルのグレン・コーニックが参加。また、ドラム奏者は前作から更に別メンバー(コンスタンチン・ボマリウス)へと交代。1976年にはライヴ盤「Live」を発表(何故かほぼ同内容の「Live at the Roxy」というアルバムも同時期に存在)。1978年には「Love Is a Cake」「Best of Karthago」といった作品を Crystal や Bacillus Records といった所から発表するが、彼等の歴史はここまでだった。

カルタゴ以外のメンバーの足取りであるが、ジョーイ・アルブレヒトは Hellmut Hattler「Bassball」(1977年)というジャズ・ロック作品に参加したほか、Bad Boy、Veronika Fischer、 Joey Albrecht & Gustl Lütjens、イカルスといった人達のアルバム制作に関与、また盟友ジェラルド・ルチアーノ・ハートウィッグはアトランティス、グル・グル、Roland & die "Dadadogs"、エンブリオといった連中のアルバム制作に関与。また、インゴ・ビショフはグル・グル、アトランティスを経てクラーンに参加して同バンドの中心人物の一人として活動している。トミー・ゴルトシュミットはグル・グル、RMO、ノヴァリス、スーパーセッションらの活動に関与したが、近年の動向に関しては判らない。また、一時的にカルタゴの活動(「Rock 'n Roll Testament」)に関わったコンスタンチン・ボマリウスは Twenty Sixty Six And Then「Reflections!」、Os Mundi「Sturmflut」、Agitation Free「The other sides of Agitation Free」といった作品への参加で知られている。

■ Joey Albrecht - Guitar, Vocals
■ Gerald Hartwig - Bass, Vocals, Percussion
■ Tommy Goldschmidt - Drums, Percussion, Vocals
■ Wolfgang Brock - Drums, Percussion, Vocals
■ Ingo Bischof - Organ, Vocals

さて、今回取り上げるCDはカルタゴの最初の作品となる「Karthago」(1971年)。過去2回、1997年に Repertoire から、そして昨2012年に Made in Germany Music からそれぞれCD化されている。私が今回取り上げるのは2012年に発売された方の紙ジャケット仕様のもの。妙ちくりんな変形ジャケットもどうやら再現されているのだが、この仕様が当時のオリジナルに忠実かどうかは私には判りません。録音は1971年10月、 Audio Tonstudios にて。曲作りに際してはメンバーがそれぞれ自作の曲を持ち寄っているが、曲によってはボブ・デヴリン(Bob Devlin)という人の名前が見られる。奇抜なジャケットは Uwe Doms という人の手によるもの。本作以外にノヴァリス、S.Y.P.H.、・エバルハルト・シェーナー、グローブシュニット、クラウス。シュルツェ、マイケル・シェンカー・グループ、 アインシュテュルツェンデ・ノイバウテンといった人達の作品のジャケットも手掛けているようだ。プロデューサーは Dieter Zimmermann。

製造枚数2000枚CD。限定だそうだが、そういう逸話はさておき、個別の曲に触れてみる。冒頭曲は「String Rambler」。重厚なイントロから始まるヘヴィなジャズ・ロック・ナンバー。結成当初若干20歳前後の若者達によるバンドとは思えないレベル。カルタゴの演奏以外にも各メンバーが他のアーティストの録音にひっぱりだこ状態だったのが頷ける、かなりレベルの高い演奏が駆使されている。楽曲は途中からジャズ、ファンク、アフロ、ブルースの要素が入り混じったアレンジが繰り広げられる事になる。見事だ。続く「I Don't Live Tomorrow」はシングル・カットもされた豪快なジャズ・ファンク・ロック。1971年録音のジャーマン・ロックと言えば、まだまだサイケデリック・ロックの残り香が感じられる泥臭い演出が感じられるバンドが多い中、彼等は時代を先取りした感のある洗練された演奏を披露している。「But I Know」は動的な1、2曲目とは異なる静的なアレンジから始まる。曲は途中から泥臭いブルージーな展開へと移り変わる。

「Morning Surprise」はアコースティックなアレンジから始まる意欲的な楽曲で、途中からパーカッションを駆使した洗練されたアレンジが繰り広げられる。2分半程度で終わってしまうのがなんとも残念。「I Give You Everything You Want」はドイツ産のバンドが奏でる音楽とは到底思えない、スピードと切れのあるファンク・ロック。歌詞が英語という事も影響しているのかもしれないが、同時代の垢抜けないジャーマン・ロック勢とは一線を画す洗練されたジャズ・ファンク・ロック・ナンバーだ。続く「I Know What You Can Do My Babe」はヘヴィなアレンジのブルージーなジャズ・ロック。ブリティッシュ・ジャズ・ロック・シーンにおける実力派のコロシアムもびっくりの骨太なナンバー。サンタナ、コロシアム、ファンカデリック、ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスといったバンドのメンバーが結集してアルバムを作ったら、こんな感じになるのかも。続く「Why Don't You Stop Buggin' Me Babe (Wave On)」も同傾向の骨太なファンク・ジャズ・ロック。

「Black Fire」は豪快な曲を聴き続けて少々疲れてしまった頭を癒してくれそうなバラード仕立てのナンバー。続く「Nos Vamos」はアルバムの最終曲。ハード・ロック風情のファズの効いたギター、粘っこいベース&ドラムスのリズム・セクション、モンド風情のキーボード、好印象のパーカッション、等々。アルバムの最後を飾るに相応しいナンバーだ。アルバムはこれでお終い。ボーナス・トラックなどは収録されていない。アルバムのジャケットの印象から、アモン・デュールみたいなドロドロとしたカオス・サイケを連想してしまいがちだが、実際には非常に洗練された、ジャズ、ブルース、ファンク、アフロの要素が入り混じった展開が披露されている。若干20歳前後のメンバーが作ったとは到底思えない、緻密に構成された楽曲の数々も見事だ。CDの入手し難さから、殆ど語られる事のないアルバムだが、このアルバムは非常にレベルが高い。過少評価されていると思う。機会があれば是非どこかで購入して欲しい。

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コメント
このジャケットがたしかに見覚えあったので思い出したところ、まさに手元にある「The Crack In The Cosmic Egg」のCD-ROM版のジャケットがこれとほぼ同じでした(目玉のところだけ微妙に違う)。ジャーマンの中でも結構古いアルバムなんですね。ご紹介を読んでいて気になったので、早速欲しいものリストに入れました。
【2013/01/05 01:24】 | いたち野郎 #ZpAXj7wg | [edit]
> このジャケットがたしかに見覚えあったので思い出したところ、まさに手元にある「The Crack In The Cosmic Egg」のCD-ROM版のジャケットがこれとほぼ同じでした(目玉のところだけ微妙に違う)。ジャーマンの中でも結構古いアルバムなんですね。ご紹介を読んでいて気になったので、早速欲しいものリストに入れました。

そうです、その通りです。私もずっと前からこのアルバムに興味がありました。
念願かなって購入できてよかったですよ。
【2013/01/06 12:36】 | Cottonwoodhill #- | [edit]












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