#1441 V. A. / A Breath of Fresh Air A Harvest Records Anthology 1969 - 1974 (2007)

 2013-02-16
Disc: 1
1. Evil - Edgar Broughton Band 2. Listen Learn Read On - Deep Purple 3. Druid One - Third Ear Band 4. Station Song - Pete Brown & His Battered Ornaments 5. Rainmaker - Michael Chapman 6. Singing A Song In The Morning - Kevin Ayers 7. Foresaking Our Captain Cried - Shirley & Dolly Collins 8. Careful With That Axe Eugene - Pink Floyd 9. Armchair Theatre - Tea & Symphony 10. Big Bear Ffolly - Bakerloo 11. Round And Round - Panama Ltd. Jug Band 12. Octopus - Syd Barrett 13. Painter - Deep Purple 14. Country Morning - Pete Brown & Piblokto 15. Francesca - Roy Harper 16. Bad Penny - Forest 17. Backwood - Chris Spedding 18. Real Cool World - Greatest Show On Earth 19. Breathe - Roger Waters & Ron Geesin 20. Taking Some Time On - Barclay James Harvest

Disc: 2
1. There's No Vibrations But Wait - Edgar Broughton Band 2. Soulful Lady - Michael Chapman 3. Entropy - Quartermass 4. Black Sheep Of The Family - Quartermass 5. Grass - Pretty Things 6. Salisbury Plain - Shirley & Dolly Collins 7. Embryo - Pink Floyd 8. Shouldn't Have Took More Than You Gave - Dave Mason 9. Speed King - Deep Purple 10. Magic Woman Touch - Greatest Show On Earth 11. Aeroplane Head Woman - Pete Brown & Piblokto 12. Baby Lemonade - Syd Barrett 13. Don't You Grieve - Roy Harper 14. October 26 - Pretty Things 15. Song From The Bottom Of A Well - Kevin Ayers 16. First Leaf Of Autumn - Michael Chapman 17. Call Me A Liar - Edgar Broughton Band

Disc: 3
1. She Said - Barclay James Harvest 2. South Africa - Roy Harper 3. Evening Over Rooftops - Edgar Broughton Band 4. Do Ya - Move 5. When The City Sleeps - Bombadil 6. Lady Rachel - Kevin Ayers 7. 10538 Overture - ELO 8. City - Marc Almond 9. Spaceship - Spontaneous Combustion 10. Macbeth - Third Ear Band 11. Fresh Air - Jan Akkerman 12. Twelve Hours Of Sunset - Roy Harper 13. Wells Fargo - Babe Ruth 14. Showdown - ELO 15. Jet Silver And The Dolls Of Venus - Be Bop Deluxe

A Breath of Fresh Air: A Harvest Records Anthology 1969 - 1974<br />

日本語に訳すると「収穫」という意味。「収穫」をレーベル名とする有名なレーベルと言えばブリティッシュ・ロック・ファンなら洋楽初心者以外なら誰でも知っている、ハーヴェスト・レコーズ(Harvest Records)である。これまで各アーティストのアルバムを紹介する度に何度か登場してきた、カリスマ、ドーン(パイ)、ヴァージン、アイランド、イミディエイト、ヴァーティゴ(フィリップス)、デラム&ノヴァ(デッカ)、ネオン(RCA)といったレーベルと同等、いやそれ以上にイギリスのロック史を語る際に重要かつ不可欠なレーベルである。思えば私にとってもハーヴェスト・レコーズは10代の頃の私を熱くした名前でもありました。ハーヴェスト・レコーズと言えばプログレッシヴ・ロック。プログレッシヴ・ロックと言えばピンク・フロイド。プログレッシヴ・ロックを聴き始めた頃の私の憧れのバンドでもあったピンク・フロイドが在籍していたのがハーヴェスト。自他共に認める、同レーベルのフラッグシップでもあります。

10代の頃の私が生まれて初めて買ったプログレッシヴ・ロックの初体験バンドはジェネシスでした。次がマイク・オールドフィールドの名作。その後、ほぼ同時期にイエス、ピンク・フロイド、キング・クリムゾン、EL&P、PFM、ユートピア、キャメル、スティックス、タンジェリン・ドリーム、ノイ!、ELO、プロコル・ハルム、リック・ウェイクマン、ジェントル・ジャイアント、アンジュ、イーノ、カンサス、キャラヴァン、ゴング、アフロディテス・チャイルド、ロバート・ジョン・ゴトフリー、マンダラバンドといったアーティスト達のレコードを1年位の間に少ない小遣いの中から工面して買ったもんです。私の青春時代と言えばイコール洋楽ロックのレコードを買うこと、でした。その青春時代にのめり込んだプログレッシヴ・ロック・バンドといえばジェネシスとピンク・フロイドでした。キング・クリムゾンは駄目でしたね。10代の私には難解で理解出来なかったのが本当の所なんですけど。

ハーヴェスト・レコーズ(Harvest Records)とは、英大手レコード会社のEMIが1969年に傘下に設立したレコード・レーベルのこと。1931年に英コロムビアと英グラモフォン(HMV)が合併して設立されたEMI(Electric and Musical Industries Ltd.)と言えば、かつてはユニヴァーサル、ソニー、ワーナー・ミュージックと共に世界4大レコード会社の一つと称されたのですが、近年同社の音楽資産はソニーを始めとする同業他社に買収される事により、徐々に規模を縮小させています。1950年代に米キャピトル・レコーズ、1990年代に英ヴァージンや独インターコードをそれぞれ買収するなど、規模を拡大させていた時期もあったのですが、2000年代にもなると音楽シーンの目まぐるしい移り変わり、パッケージ販売からダウンロード販売という時代の流れに乗り遅れて勢いを失い、更に、サブプライムローン問題(所謂サブプライム住宅ローン危機)をきっかけとした世界金融危機が追い討ち。今じゃすっかり衰退のEMI、となっています。

しかし一昔前は違います。EMIと言えばなんと言っても天下のビートルズ。1960年代の音楽シーンを牽引したリヴァプール出身の4人組であるビートルズはEMIにとっては最大のドル箱、稼ぎ頭。驚く事に今でもそうです。日本でもEMIは東芝音楽工業改め、東芝EMI(現EMIミュージック・ジャパン)として長らく洋楽ファンの間で親しまれて来ました。洋楽と言えばビートルズ、洋楽と言えばEMI。クラシック・ロック・ファン、1960年代や1970年代に洋楽ポップスを好んで聴いていた往年のファンの間では今でもこうした認知度が消える事なく残っている人も多いと思います。私もそうです。そのEMIが1960年代後半に設立したプログレッシヴ・レーベルがハーヴェスト。設立の動機は、他社(デッカ、パイ、フィリップス)と同様、新しい音楽の流れに対応するため。ある意味、ビートルズ「Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band」(1967年)の発表がこの流れを加速した、と言っても過言ではないでしょう。

EMIだけでなく何処のレコード会社でも傘下に多くのサブ・レーベルを抱えているのが通常。EMIもハーヴェスト設立以前にパーロフォン、コロンビア、HMV、リガール・ゾノフォンといったサブ・レーベルを抱えていましたが、1960年代後半以降の新たな音楽シーンの動向に符合する為には新たなレーベル設立が必要と判断されて1969年に設立されたのがハーヴェストです。設立の際に中心的存在となったのがEMIで渉外(外部プロデューサーとの交渉)を担当していた、マンチェスター大学経済学部卒のマルコム・ジョーンズ。ロックンロールからロックへ。ビートルズやジミ・ヘンドリックス、クリームらのエキセントリックなアルバム、サイケデリック・ムーヴメントからのカラフルなアルバムの登場にいてもたってもいられなくなった、というのが設立の動機の一つだったのでしょう。兎にも角にもハーヴェストは1969年6月から始動開始。ちなみに、同レーベル最初のレコード(シングル)はエドガー・ブロートン・バンド。ちなみに同社お馴染みのレーベル・マークであるグラモフォン・リムのデザインを担当したのはイエスと相思相愛のロジャー・ディーン。

1969年7月には同レーベルからの最初のレコードである、ディープ・パープルにとって通算2枚目となる「The Book Of Taliesyn(邦題:詩人タリエシンの世界)」が登場。初期の同レーベル契約者はこの2組以外にはシャーリー&ドリー・コリンズ、マイケル・チャップマン。初期のハーヴェストには主にパーロフォンやコロンビアといった既存のレーベルからの移籍組、そして外部のマネージメント会社から送り込まれたアーティストなどで構成されていた。で、ディープ・パープル以降、ピート・ブラウン、パナマ・リミテッド・ジャグ・バンド、シャーリー&ドリー・コリンズ、マイケル・チャップマン、サード・イヤー・バンド、エドガー・ブロートン・バンド、バタード・オーナメンツ、フォレスト、ケヴィン・エアーズ、ティー&シンフォニーといったアーティスト達の作品が1969年中に発表されているが、個人的に注目するのが同年10月に発表されたピンク・フロイドの2枚組問題作「Ummagumma」である。

詩人タリエシンの世界(K2HD+HQCD/紙ジャケット仕様)ミール・ユー・キャン・シェイク・ハンズ・イン・ザ・ダークPanama Limited Jug BandAnthems in Edenウマグマ

1枚目がライブ盤で、2枚目がスタジオ盤という構成。「Careful With That Axe, Eugene」「Set The Controls For The Heart Of The Sun」などのライヴ音源が収録された1枚目は兎も角、スタジオ録音の2枚目の奇抜さは天下一品。リチャード・ライト、ロジャー・ウォーターズ、デヴィッド・ギルモア、ニック・メイスンのソロ作品が収録されているのだが、奇妙奇天烈珍無類。ロックとはこうあるべきもの、という伝統的手法を嘲笑うかの様な個性的サウンド。10代の頃、このエクスペリメンタルなサウンドに初めて触れた時には本当に驚いた。今尚、「Ummagumma」の2枚目は私にとってはトラウマである。この1年後にピンク・フロイドは更なる問題作である「Atom Heart Mother(邦題:原子心母)」を発表。全英初登場1位、全米でも55位を記録するなどのヒットを記録した。B面の小曲も素晴らしいが、なんと言っても凄いのがA面全部を使った組曲形式のタイトル曲「Atom Heart Mother」である。

デヴィッド・ギルモアのアイデアを元に誕生した原曲はメンバーの対立を経て、イギリスの前衛音楽家ロン・ギーシンの手助けを得た結果、オーケストラを大胆に導入した大作に仕上がっている。当時としては非常に画期的な作品なのであるが、オケが主導を握ったパートも随分とある為、ロック・ファンの間でも本曲は今なお賛否両論。個人的にはこれがピンク・フロイドの最高傑作だと思っているのだが、多くの人にとってはシンフォニックな展開をロック・バンドで演奏せずにオーケストラに演奏させた部分がマイナス評価になっているらしい。制作中にメンバーの対立を生んだ作品だけに、元メンバーのロジャー・ウォーターズは後にこのアルバムを「フロイドの中で嫌いなアルバムの一つ」と述べているそうだ。そりゃまあそうだろう、自分のアイデアじゃないんだから。ピンク・フロイドはこの後も「Meddle」「Obscured by Clouds」と発表、1973年発表の空前絶後の売り上げを記録した「The Dark Side of the Moon」で人気・実力共に頂点にのし上る。

Deep Purple In RockNo Answer彼女のすべてを歌に(紙ジャケット仕様)In Side OutDark Side of the Moon

この頃にもなると、ハーヴェストは事実上、ピンク・フロイド専門レーベルという性質を帯びてくる。「The Dark Side of the Moon」までの間にもBJH、グレイテスト・ショウ・オン・アース、プリティ・シングス、クォーターマス、ディープ・パープル、ラヴ、サード・イヤー・バンド、エドガー・ブロートン・バンド、ロイ・ハーパー、イースト・オブ・エデン、サザン・コンフォート、ケヴィン・エアーズといったアーティスト達がハーヴェストからアルバムを発表するが、作品の評価は兎も角、セールスの面ではどれもピンク・フロイドに遠く及ばない結果となっている。1970年代も中盤頃にもなると、音楽シーンの移り変わりにより同業他社のプログレシッヴ・レーベルは衰退してしまうが、ピンク・フロイドのお陰で経営基盤を確立させたハーヴェストは音楽シーンにおける新しい潮流にも対応して行き抜いていく。パンク・ロックやパンク・ニュー・ウェーヴといったジャンルの音楽にも同社は上手に対応していったのだ。

だが、そうした傾向も1980年代を超えるに従い、徐々に衰退していく。1980年代以降の同レーベルは事実上ピンク・フロイド関連レーベルといった形となり、1989年の発売を最後に同社は消滅。1990年には設立の際の中心的存在だったマルコム・ジョーンズが病に倒れて鬼籍入り。こうして同社の歴史は閉じる事になる。実際にはハーヴェストは1984年にキャピトルに吸収されているので、ロック・レーベルとしての寿命は1984年に尽きたと見るのが正確なのだろうけど。さて、今回紹介するCD「A Breath of Fresh Air: A Harvest Records Anthology 1969-1974」は2007年に発売された3枚組。タイトル通り、1969年から1974年までの間、ハーヴェストに残された音源を中心にセレクトされたレーベル・コンピ。実はこのCDタイトルとよく似たタイトルのレコードが1970年に発表されている。それが「Picnic – A Breath of Fresh Air」という2枚組のプロモーション・サンプラーだ。

1969年にハーヴェストは産声を上げた訳だが、1970年と言えば発足してまだ間もない時期。EMIとしてはハーヴェストの存在を世に広く知ってもらう為には同社所属のアーティストの曲を収録したプロモーション・サンプラーがどうしても必要だった。そこで用意されたのが「Picnic – A Breath of Fresh Air」という2枚組レコードである。同レコードにはピンク・フロイド、ディープ・パープル、BJH、バタード・オーナメンツ、シャーリー&ドリー・コリンズ、マイケル・チャップマン、パナマ・リミテッド、シド・バレット、エドガー・ブロートン・バンドらの曲が紹介されているのだが、そこに貴重な曲が収録されていた。その曲とはピンク・フロイドの「Embryo」。ロジャー・ウォーターズの手による、この曲が最初に吹き込まれたのは1968年。1970年から1971年にかけて、ステージでよく演奏された曲でもあったのだが、当時の公式アルバムに収録される事なく、代わりに、このプロモーション・サンプラー「Picnic – A Breath of Fresh Air」に収録される事となる。

その後も「Embryo」はオリジナル・アルバムに収録される事はなかった。CD時代に入り、1980年代半ばのコンピ「Works」に収録されたが、このCDもじきに廃盤となり、長らく入手困難な時代が続いていたのだが、ファンの希望に応えるかの様に2007年のレーベル・コンピ「A Breath of Fresh Air: A Harvest Records Anthology 1969-1974」に収録される事になる。一部では「A Breath of Fresh Air: A Harvest Records Anthology 1969-1974」が「Picnic – A Breath of Fresh Air」のCD再発盤という趣旨の説明をされているようでもあるが、実際には3曲しかダブっていない。上記の「Embryo」、パナマ・リミテッド「Round and Round」、そしてリッチー・ブラックモアのお気に入りのバンドでもあったクォーターマスの「Black Sheep of the Family」のみ。なので、当時のレコードを持っている人でも、この3枚組CDを買う大義名分は充分にあると思う。なんと言っても近年入手難のピンク・フロイドの「Embryo」を聴く事が出来るからだ。

勿論、ピンク・フロイド以外にも魅力的なアーティストの曲が沢山詰まっている。一部を除きデジタル・リマスター音源を収録。プログレッシヴ・ロックだけでなく、アート・ロック、ハード・ロック、フォーク・ロック、サイケデリック・ロック、トラディショナル、ジャズ・ロック、ブルース・ロック、エクスペリメンタル等々、さまざまなアーティストの曲を紹介していったハーヴェストだけにバラエティに富んだコンピに仕上がっているのが特徴だ。エドガー・ブロートン・バンド、ディープ・パープル、サード・イヤー・バンド、ピート・ブラウン&ヒズ・バタード・オーナメンツ、ケヴィン・エアーズ、シャーリー&ドリー・コリンズ、マイケル・チャップマン、パナマ・リミテッド・ジャグ・バンド、ロイ・ハーパー、クリス・スペッディング、フォレスト、ムーヴ、ELO、マーク=アーモンド、ベイブ・ルース、BJH、ビ・バップ・デラックス、ヤン・アッカーマン等々。1960年代末から1970年代前半までのイギリスでのロック・シーンの縮図みたいなコンピと言えよう。ジャケットもハーヴェストらしくて、とてもいい感じだ。

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