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#1443 Junipher Greene ‎/ Friendship (1971)

 2013-02-24
01. Try to Understand
02. Witches Daughter
03. Music for Our Children
04. A Spectre Is Haunting the Peninsula
05. Sunrise / Sunset
06. Magical Garden
07. Autumn Diary
08. Maurice
09. Attila's Belly-Dance
Friendship 26:02
10. Prelude: Take the Road Across the Bridge
11. Friendship
12. Interlude
13. Mountain Voices
14. Land of the Foxes
15. Friendship That's Earned
16. Into the Cloudburst
17. Manitou's Skyland & Down to Earth
18. Friendship

Bonus Disc: Previously Unreleased Demo Recordings
Friendship 29:32
01. Prelude: The the Road Across the Bridge 02. Friendship 03. Interlude 04. Mountain Voices 05. Land of the Foxes 06. Friendship That's Earned 07. Into the Cloudburst 08. Manitou's Skylands & Down to Earth 09. Friendship

Junipher Greene / Friendship (Deluxe Edition, 2 CDs)

ジュニパー・グリーン(Juniper Green)という、似たような紛らわしいアコースティック・ロック・バンドが存在しているので、なんだが紛らわしいが、今回紹介するバンドもジュニパー・グリーン(Junipher Greene)という名前を持っていたバンド。過去形で紹介している事から判るとおり、過ぎ去った過去の時代に存在していたロック・バンドだ。何処に存在していたかと言えばノルウェー王国。ノルウェーは北ヨーロッパのスカンディナヴィア半島の西岸に位置する立憲君主制国家で、スウェーデン、ロシア、フィンランドと国境を接する国だ。かつて、「最も税金の高い国」としてギネスブックで紹介されたことがある国でもある。公用語はノルウェー語。北欧のロック、なんて書くと普段スカンディナヴィア半島出身のロック・バンドに関心のない人からすれば、『北欧のロックなんて米英のロックに比較してもレベル低いんじゃないの?』なんて偏見を持っておられる方もいるかもしれないが、それは大きな間違いだ。

私が今更書くまでもあく、北欧は今も昔も音楽大国。クラシック音楽の分野でもシベリウス、グリーグ、ゲーゼ、ニールセンといった作曲家が登場したし、ジャズの分野でもこれまで多くの有能な演奏家が登場している。そしてロックやポップス、フォークの分野でも多くの優秀な人達が登場してきた。北欧ロックの好きな方にとってはウィグワムやサムラ、アネクドン、アングラガルド、ボ・ハンソン、フラワー・キングス、カイパ、ケブネカイゼ、メイド・イン・スウェーデン、ムーン・サファリ、ノヴェンバー、パートス、ラグナロク、トレッティオアリガ・クリケット、ビョーク、ユッカ・トローネン、ペッカ・ポホヨラ、タブラ・ラーサ、タサヴァラン・プレジデンティといった名前はお馴染みの存在かもしれない。近年はメタルやゴシック・ロックの分野での成功も続いている。北欧のロックの特徴としては地理的に近いイギリスからの影響はもとより、ジャズやクラシック、トラッドなどからの影響も垣間見て取れる、ユニークでクール、そして個性的な形態が特徴でもある。

ノルウェーのプログレッシヴ・ロック・バンド、ジュニパー・グリーンの結成は1966年、 オスロにて。結成当初はブルース・ロックのコピー・バンドのような感じだったそうだが、1960年代後半の音楽シーンの移り変わりに影響を受けてか、徐々にプログレッシヴ・ロック・スタイルのバンドに変貌していったのだという。オスロの私立学校の友人同士だった、Geir Bøhren(ドラムス、ヴォーカル)、Øyvind Vilbo(ギター)、Bent Åserud(ギター)、Bjørn Sønstevold(ベース)が結成当初のメンバー。この4人にオルガン奏者の Helge Grøslie が参加、また、Bjørn Sønstevold が直にバンドを去ってしまった為、代わりのベース奏者として Øyvind Vilbo がベースを担当する事になった。当初はオルガンをフューチャーしたR&B志向のサウンドを奏でていたという。1969年、オスロ出身でギタリスト/ヴォーカリストの Freddy Dahl(余談だが、彼は1980年代にテリエ・リピダルと1969年に結婚した美人歌手の Inger Lise Rypdal とデュエット名義でシングルを発表している)。

5人編成となったジュニパー・グリーンは当時のノルウェーのアンダーグランド・ロック・シーンで数多くのコンサートを敢行、1971年には最初の作品となる「Friendship」を1956年にスウェーデンでジャズ専門レーベルとして設立されたレーベル、Sonet からアルバムを発表する。なんと2枚組。学生時代の1966年から数えて5年。アイデアもレパートリーも5年もの間にそれなりに蓄積していたのだろうが、それにしてもデビュー作で2枚組だから当時の彼等の勢いは凄かったのだろう。ちなみに今回紹介するデビュー作のCDにはボーナス・トラックとして1971年のデビュー作に収録されている曲の1970年録音ヴァージョンが追加収録されているが、1970年の時点でデビュー作のコンセプトは完成されていたと感じられた。2枚組でデビューを飾るという、バンドにとってもレコード会社にとっても危険な賭けを敢行したのだが、この投資を回収する為、1971年から1973年頃までの間に相当数のコンサートを行なったのだという。数多くの屋外イベントにも参加した。

そんなこんなで次回作は1973年。「Communication」というタイトルのアルバムがそれで、シングル「Ugha-Mugha! Sunshine Boy / Easy Flying」も発表した。発売は当時発足したばかりの On Records。ジュニパー・グリーンのシングルとアルバムが同レーベルの第一号だった。ちなみに同レーベルからは地元オスロの New Jordal Swingers を初め、Høst、Undertakers Circus、Vanessa といったアーティストの作品が1970年代を通じて発表されている。1972年に Freddy Dahl が脱退(この後、Ruphus に参加)、1973年には Helge Grøslie が、1974年には Øyvind Vilbo が脱退。主要メンバーが次々に脱退してしまうという事態にも遭遇するが、バンドはベース奏者に Sverre Beyer(1974年)、Arve Sakariassen(1975年)、Jan Devik(1976年-1977年)、Jørund Bøgeberg(1978年-1983年)、キーボード奏者に Lars Hesla(1975年-1983年)を招き入れて延命を図ろうと悪戦苦闘。

Communication The Best of Junipher Greene Hot Socks (Norway Rocks) RewindForbudte formiddagstoner

■ Freddy Dahl - Lead Vocals, Acoustic & Electric Guitar, Vibraphone [Vibraharp] –
■ Bent Åserud - Acoustic & Electric Guitar, Flute, Harmonica [Harp], Vocals
■ Øyvind Vilbo - Bass, Vocals
■ Geir Bøhren - Drums, Vocals
■ Helge Grøslie - Keyboards, Lead Vocals

ジュニパー・グリーンは1975年のベスト盤「The Best of Junipher Greene」の後には、Hammer から「Rewind」(1980年)、Musikkselskapet から「Forbudte formiddagstoner」(1983年)とそれぞれ発表する。晩年には当時の世相を反映して、ニュー・ウェーヴやポスト・パンクにも接近したが、これ以上バンド活動を継続する事は出来ずに1983年をもって活動は停止。解散後、Geir Bøhren と Bent Åserud は共同で音楽活動を展開、2人の連名名義で「The Ice Palace」というアルバムを発表した他、映画音楽の世界に身を置いて音楽活動を展開。また、Freddy Dahl と Øyvind Vilbo の2人は主にブルースの世界に身を置いて音楽活動にまい進していったという。2000年代に入って彼等の旧作が再評価、これにより2008年には再結成コンサートが行なわれたのだという。この後もジュニパー・グリーンとしての活動が継続、2010年のロック・フェス参加の際の演奏はDVD化もされたのだという。

さて、今回紹介するCDは1971年のデビュー作「Friendship」をベースに、ボーナス・トラックを1枚まるごとCDに収録したデラックス・リマスター・エディション。2008年、ユニヴァーサル・ノルウェーから。このデビュー作は過去、Sonet(1989年)、Dodo(2001年)、Universal(2003年)と度々CD化されているのだが、日本では殆ど知られていない存在だろう。では簡単に個別の曲に触れてみる。冒頭「Try To Understand」はジェスロ・タル風のフルートが導入された泥臭いブリティッシュ・ブルース・ロック風のいでたち。結成間もない時期に作られた曲なのだろうか、ここではプログレッシヴ・ロックというイメージは感じられない。「Witches Daughter」はClever Duck/Bent Åserud の手による曲。落ち着いたミディアム・テンポのブルース・ロック。続く「Music For Our Children」では、ジャジーな雰囲気が繰り広げられる。ジャズ・レーベルからデビューした事を受けてのサウンドだろうか。途中から楽曲はコロシアム風のジャズ・ロック風にシフト・チェンジ。

続く「A Spectre Is Haunting The Peninsula」は旧アナログ・レコードのB面冒頭曲。歌詞はこれまた Clever Duck が担当。R&Bもどきのオルガン演奏が印象的な、これも1960年代後半のブルース・ロックを彷彿とさせる展開だ。「Sunrise / Sunset」は Clever Duck/Bent Åserud の手による曲。導入部のR&B風な展開に彼等の高いセンスを感じさせる。「Magical Garden」ではピンク・フロイド調のメロディをベースにこれまた泥臭い展開が繰り広げられる。オルガンが初期のリチャード・ライト風だ。途中の騒がしい展開は1960年代後半の如何わしいサイケデリック・ロック調。「Autumn Diary」は旧アナログ・レコードのC面冒頭曲。歌詞はこれまた Clever Duck。ちなみにこの、Clever Duck なる人物は当時ノルウェー放送協会のディスク・ジョッキーだった Harald Are Lund のこと。「Maurice」はメンバー全員の手による曲で、Bent Åserud のフルート演奏が印象的な、愁いのあるインスト・バラード。

「Attila's Belly-Dance」は1分にも満たない、遊びみたいなスタジオ・ジャム・テイク。続く「Friendship」からがアルバム最大の聴き所。ここから、エンディングまでが「Friendship」組曲を形成している。ここまでの曲は1960年代風のブルース・ロックの域を出ていないレベルだったが、ここから一気に演奏も密度もレベルが上がっている。結成からデビュー作まで、およそ5年の月日が流れているが、本作制作の時点で、その5年の間に出来た曲を一気に吐き出してしまったのであろうか。曲は組曲冒頭の「Prelude: Take The Road Across The Bridge」から始まり、「Friendship」「Interlude」「Mountain Voices」「Land Of The Foxes / Friendship That's Earned」「Into The Cloudburst」「Manitou's Skylands & Down To Earth」「Friendship」へと流れていく。歌詞は Alex K. Carlsson が提供したものがベースとなっている。時間にして26分。堂々たるプログレッシヴな大作だ。但し、注意して欲しいのは、プログレッシヴ・ロックと言ってもイエスやジェネシスの様なロックを想像しないで欲しい。ここで披露されるのは当時で言う所のプログレッシヴなアプローチによるロックの事である。

アルバム2枚分位のアイデアをいきなりデビュー作で披露してしまったもんだから、次からの展開で彼等は大変苦労してしまったようで、事実、2作目以降の作品でデビュー作以上の勢いを作り出す事には成功しなかった模様である。1970年代初頭のノルウェーのロック・シーンにおける彼等の立ち位置がどうだったかについては正直よく判らないのだが、例えば同時期の Aunt Mary 当りと比較しても、彼等の実力は頭一つ抜きん出ていたと思う。ちなみに同時期の Sonet からは面白いアルバムが多数出ていたようで、Stefan Demert、Svein Finnerud Trio、Made in Sweden、Mike Castle、November、Arbete och Fritid、Karin Krog & Dexter Gordon、Pan、Day of Phoenix、Burnin Red Ivanhoe、Rainbow Band、Ola Håkansson、Kjell Bækkelund、Mecki Mark Men、Skäggmanslaget、Slim's Blues Gang、Asoka、Midnight Sun、De Gyldne Løver といった人達のアルバムがリリースされている。幾つかのバンドを除外すれば、私も殆ど知らない人達ばかりだ。私の音楽探求の旅はまだ尽きない様だ。

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