(GB) David Bowie / The Next Day (2013)

 2013-03-31
David Bowie / The Next Day (2013)
「The Nex Day」
 [CD]
 アーティスト:デヴィッド・ボウイ
 レーベル:Sony
 発売日:2013-03-12
 by ええもん屋.com
[ディスク:1]
1. The Next Day
2. Dirty Boys
3. The Stars (Are Out Tonight) YouTube
4. Love Is Lost
5. Where Are We Now?
6. Valentine’s Day
7. If You Can See Me
8. I’d Rather Be High
9. Boss of Me
10. Dancing Out In Space
11. How Does the Grass Grow?
12. (You Will) Set the World On Fire
13. You Feel So Lonely You Could Die
14. Heat
15. So She
16. I’ll Take You There
17. Plan

「画像はありません」「Coming Soon」「Sorry, No Picture」の類かと思いました。初めてこのアルバムのジャケットを見た時は。多分大方の皆さんもそう思ったんじゃないでしょうか。1970年代の前半から洋楽を聴き始めてほぼ40年、今までこんなジャケットは見た事がありません。インターネットを介した音楽配信が当り前となりつつある時代、アルバムのジャケットを気にする人は年々少なくなっているかもしれませんが、それにしても驚きです。デヴィッド・ボウイ(David Bowie)。本名はデヴィッド・ロバート・ジョーンズ。1947年1月生まれなので、既に66歳を越えました。あと4年で70歳に到達します。今の若い世代の人には新進気鋭の映画監督、ダンカン・ジョーンズのお父さんと書いた方がよいのかもしれません。

思えば私が初めてデヴィッド・ボウイという存在を知ったのはテレビ。テレビの音楽番組か何かでデヴィッド・ボウイのステージを見たのが最初だったと思いますが、その時の最初の感想は、『わあ~、なんだか気持ち悪いなあ』です。無理もありません。ジギー・スターダスト=グラム・ロック期のデヴィッド・ボウイでしたから。当時10代の前半だった私からすれば、体にぴったりしたステージ衣装を纏ったデヴィッド・ボウイは男なのか女なのか判らない中性的な、なんとも如何わしい奇人変人。くねくねと気持ち悪い歌声でなんだか意味不明の歌詞を歌っているデヴィッド・ボウイの音楽は全く受付られませんでした。まあ、田舎育ちの10代前半の青臭い子供に理解出来る筈もありません。そうこうして、なんとあの気持ち悪いなよなよした男がスーツを着てアルバムのジャケットに収まっているじゃありませんか。

所謂、アメリカ時代にフィリー・ソウルに傾倒していた時期のデヴィッド・ボウイでした。でもまだ、本格的にデヴィッド・ボウイの音楽を聴く気ににはなりませんでした。気持ち悪い男の歌なんて聴く気にはなりませんでした。「Young Americans」「Station to Station」といったアルバムを経過して、次なる時代、ベルリン時代に突入するまでは。1977年、デヴィッド・ボウイは「Low」というアルバムを発表。俗に言う、ベルリン三部作の幕開けです。デヴィッド・ボウイは1976から1979年にかけてブライアン・イーノと共同して「Low」「Heroes」「Lodger」という作品を発表。その第一弾が「Low」でした。当時私はブライアン・イーノの俄かファンでして、イーノが関わったアルバムなら何でも聴くぞ、というスタイルでしたから、「Low」に関しても全面的に肯定的な姿勢で聴いたものでした。

それまでデヴィッド・ボウイのレコードは「Aladdin Sane」しか買った事がなかったのですが、「Low」を契機に本格的にデヴィッド・ボウイの音楽に関心を持って聴く様になったものです。続くベルリン三部作の第二弾「Heroes」は勿論、ライヴ「Stage」、過去作の「Space Oddity」「Hunky Dory」「Diamond Dogs」なんかも高校生の身分でせっせと田舎のレコード店で入手したものでした。グラム・ロック時代のデヴィッド・ボウイは多感な少年時代の私に大変なトラウマをもたらしたのですが、ベルリン時代のデヴィッド・ボウイは私に本格的に洋楽にのめり込ませるキッカケを与えたのです。当時、ベルリン時代のデヴィッド・ボウイの退廃的なシンセサイザー・サウンドは過去のエキセントリックなデヴィッド・ボウイを知る旧来のファンには不評だったそうですが、当時イーノやクラスター、タンジェリン・ドリームなんかを聴いていた私には無問題でしたね。

この後、デヴィッド・ボウイは再びアメリカに戻ってニュー・ウェーヴに接近、そして「Let's Dance」なるヒット・アルバムを作ってから商業路線に走ってメジャーな人気を獲得するも、その反動からか、ティン・マシーンなるバンドを結成して新たな活動を開始しますが、この時期、私は洋楽そのものに関心を失っていたので、必然的にデヴィッド・ボウイの音楽からも遠ざかってしまいました。その後、再びデヴィッド・ボウイの音楽を聴き始めたのが、2000年代に入ってから。ティン・マシーンの自然消滅後、発表されたソロ作品が結構いいんじゃないかと気付き初めたから、であります。1993年の「Black Tie White Noise」はまだ評価の低い作品ではありましたが、その後の「1.Outside」「Earthling」「'Hours...'」「Heathen」「Reality」なんてみんなそこそこ素晴らしい。「1.Outside」なんか1990年代中期の全ロック・シーンを代表するロック・アルバムと言ってもいい位。

そんな訳で再び出会ったデヴィッド・ボウイですが、再び、”地球に落ちてきた男”は沈黙してしまいます。原因は、「病」でした。地球に落ちてきた宇宙人が病を機会に隠居してしまうのも、また可笑しな話なのですが、彼は2000年代前半のツアー中、ハンブルクにて動脈瘤による心臓の痛みを訴え緊急入院、これにより残りの14公演を急遽中止した、という出来事が発生してしまいます。私の近親者にも動脈瘤破裂で亡くなった人がいるので大方判りますが、循環器の病である動脈瘤って本当に直前まで一般的には無症状だから判らないのだそうです。動脈瘤とは動脈の壁の一部が何らかの要因で薄くなり、その血管が膨らむことで瘤、つまりコブのようなものが出来上がること。脳に出来れば脳動脈瘤、大動脈に出来れば大動脈瘤。これが破裂すると動脈瘤破裂となり、一刻も早く対処する事が必要となります。

デヴィッド・ボウイの場合、心臓の痛みを訴えた、という事のようですから胸部大動脈瘤だったのかもしれません。治療には胸部下行大動脈瘤の手術、或いは足の付け根の動脈からカテーテルを挿入して行なうステントグラフト治療もあります。余談ですが、カテーテル、実は私は体験があります。胸の中に何かが入っていく感覚、凄いですよ。幸い何も症状がなかったので、治療は行なわなかったのですが、もう2度とやりたくありません。そんな訳で、デヴィッド・ボウイがステージ活動から遠ざかって自宅で創作活動に没頭したのも理解出来ます。妻のイマンやボウイの伝記を手掛けたポール・トリンカの言葉を借りるまでもなく、デヴィッド・ボウイは引退した、というのが大方の予想だった筈です。私もそう思いました。だから私の頭の中ではデヴィッド・ボウイはもう終わった人でした。自分の体に爆弾を抱えてしまったら、自宅を遠く離れるのは本当に怖いですから。

なので、「The Nex Day」の発表には本当に驚きました。宇宙人デヴィッド・ボウイの復活です。オリジナル・アルバムとしては2003年以来、実に10年ぶり。60代半ばという年齢からくるものか、ややミディアム・テンポの曲が多いのはご愛嬌ですが、年齢を考えればこれは立派。録音はマジック・ショップ・スタジオ(NY)、プロデュースにデヴィッド・ボウイ自身、そして盟友トニー・ヴィスコンティ。母国イギリスでは20年ぶりにアルバム・チャート1位を獲得。アメリカでも2位、そして近年洋楽不振が叫ばれる日本でもオリコン初登場5位を獲得しています。洋楽ファンの可也のウェートを占めるのは、デヴィッド・ボウイの全盛期を知る人ばかりですから、売れるのは当り前なんですが、YouTubeの時代では中身が伴わなければ売れません。 正直言って私もアルバム通して聴くまでは一抹の不安もありましたが、そんな不安は吹き飛びました。

「Heroes」のジャケットをベースにしてあるので、聴く前はひょっとしてベルリン三部作の補完的な内容に仕上がっているのかな、とも思いましたが、そうではありません。勿論、それ風のアレンジが施された曲もありますが、ベルリン三部作以外、例えばグラム・ロック時代やアメリカ時代を彷彿とさせる部分、ティン・マシーン時代のハード路線を彷彿とさせる部分、1990年代以降のソロ再出発路線を彷彿とさせる部分もあり、デヴィッド・ボウイの音楽を長く聴き続けてきたファンであればあるほど、ニヤリとする部分が仕掛けられている仕組み。勿論、この10年位に洋楽を聴き始めた若い世代にも(テンポが遅い曲が多いから苦しいかもしれませんが)アピール出来る部分もあると思います。どうぞお試しあれ。それにしてもまた再びデヴィッド・ボウイの新曲を聴けるとは思いませんでした。

しかし、デヴィッド・ボウイより5歳年上でデヴィッド・ボウイが隠遁生活を送っていた2004年から2012年までの間に別名義のアルバムやクラシック作品を含め5枚のアルバムを発表して、更に数多くのコンサートを敢行、それをベースにしたライヴ映像なども発表してきたポール・マッカートニーって、本当に凄い人。ポールはもう70歳越えですからね。

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