#1448 Television / Adventure (1978)

 2013-05-06
01. Glory
02. Days
03. Foxhole YouTube
04. Careful
05. Carried Away
06. The Fire
07. Ain't That Nothin' YouTube
08. The Dream's Dream

09. Adventure (Bonus Track)
10. Ain't That Nothin' (Single Version) (Bonus Track)
11. Glory (Early Version) (Bonus Track)
12. Ain't That Nothin' (Instrumental) (Bonus Track) (Run-Through)

Adventure (Television)

かつて知性派ロック・バンドとして一世を風靡した米ニューヨーク州ニューヨーク市出身のアート系パンク・ロック・バンドがやってくる。私が彼らの音楽を聴いていたのは1970年代限りだったので、来日というニュースを耳にしても、正直なんだかピンとこなかった。今だに現役バンドとして活動継続中だなんて、頭の片隅にもなかったから。日本公演を行なうのはテレヴィジョン (Television) という名前のバンドだ。この来日のニュースを知ってから大急ぎで彼らのバイオを調べてみたが、どうやら過去に度々再結成を繰り返していたらしい。まったく知らなかった。個人的にも彼らは私にとっては1970年代に誕生したアメリカ産パンク・ロック/ニュー・ウェーヴ・バンドとしてはトーキング・ヘッズに次ぐ様な存在だったから、元メンバー達とヨリを戻していたなんて知らなかった。トーキング・ヘッズのデヴィッド・バーンの様に解散後は自己の道をひたすら突き進んでいたと勝手に想像していたからね。

で、その日本公演は5月2日から同8日までの間に下北沢(GARDEN)、吉祥寺(CLUB SEATA)、福岡、大阪で行なわれるらしい。来日予定のメンバーはトム・ヴァーレイン、フレッド・スミス、ビリー・フィッカ、ジミー・リップの4人。彼らの来日を実現させたのは英国音楽 / VINYL JAPANの皆さん。創設以来からのメンバーでギタリストのリチャード・ロイドは2007年に脱退していたらしい。で、その来日公演とテレヴィジョン結成40周年を記念して登場したのが初期2作の紙ジャケ・タイトル。紙ジャケとは言っても当時のオリジナル・レコードを忠実に再現したものではなく、今流行りの海外デザインによるデジパック仕様となっている。2004年に発売された時にはあっという間に完売してしまった為、今回はなんとしても買いたいと思っていたのだが、幸運にも手にする事が出来た。2013年になってクールで知的なパンク・ロックを再び聴く事になって、なんだか個人的に感傷に浸ってしまった。

結成は1973年のこと。中心となったのはトム・ヴァーレイン(Tom Verlaine)、ビリー・フィッカ(Billy Ficca)、リチャード・ヘル(Richard Hell)の3人。3人は高校時代からの友人同士だったという。3人はテレヴィジョン始動前にニューヨークでザ・ネオン・ボーイズ(The Neon Boys)という前身バンドを1972年に結成。トム・ヴァーレインもリチャード・ヘルも共に1949年生まれで2人は地元ニューヨークの生まれではない。トム・ヴァーレイン(本名トーマス・ミラー)はニュージャージー州モリスタウンの生まれでリチャード・ヘルはケンタッキー州レキシントンの生まれ。高校時代に知り合った2人は成功を夢みてニューヨークに来てバンドを結成したのだった。バンドはライブを中心とした音楽活動を展開するも、翌1973年に解散してしまう。この後、3人はリチャード・ロイド(Richard Lloyd)を加え、新たにテレヴィジョンと名乗って音楽活動を継続するのだが、トム・ヴァーレインとリチャード・ヘルとの間に不協和音が勃発、結果リチャード・ヘルが脱退するという事態に。

テレヴィジョンを脱退したリチャード・ヘルは元ニューヨーク・ドールズのメンバーとハートブレイカーズを結成するも、ここでもメンバーと対立して脱退。この後立ち上げたリチャード・ヘル&ヴォイドイズでは「Blank Generation」という名作を発表するが、活動は巧く続かなかった。脱線してしまうといけないのでテレヴィジョンの話に戻ろう。さて、リチャード・ヘルを失ったテレヴィジョンであるが、バンドは代役として元ブロンディのベーシスト、フレッド・スミス(Fred Smith)を招き入れて再スタートを図る。1976年、念願のレコード契約を大手エレクトラ・レコーズと結ぶ事に成功した彼らは翌1977年に待望のデビュー作品「Marquee Moon」を発表する。1973年の正式結成から4年。パンク・ロック・バンドとしては満を持してのスタートであった。当時の日本でも彼らの存在、彼らのレコードは高く評価されていたと記憶している。1978年、彼らは通算2作目となる「Adventure」を発表する。

前作に続きレベルの高い内容だったが、ブームとしてのパンク・ロック・ムーヴメントが急速に衰退していった時期でもあった為、登場当初のインパクトは薄れていた。たった1年でそんな事ないだろう、と思うなかれ。当時の音楽シーンの流行の移り変わりは速かったのである。パンク・ムーヴメントのピークは1977年、だが翌1978年にはもう下火。ダムドもクラッシュも大きく揺れたし、セックス・ピストルズも解散してしまった。そんな時代だった。1979年にはもうパンクは失速していたし、時代の好みはニュー・ウェーヴやノイズやインダストリアルといったサウンドに移ってしまった。若者の好みの対象はあっと言う間に変ってしまったのである。そんな時代の急激な進化にテレヴィジョンは乗れなかった。同時代のトーキング・ヘッズは第3世界の音楽を盛り込んでパンクからニュー・ウェーヴの時代を生き抜いていったが、テレヴィジョンは1980年の壁を超える事は出来なかった。

『満月の夜に解散したかった』とかなんとか、言ったかどうかは本当の所は判らないが、解散後トム・ヴァーレインはソロ活動を開始、1979年にはソロ第一弾となる「Tom Verlaine」を Elektra から発表。このアルバムには元メンバーのフレッド・スミスも参加。1980年代に入ってもトム・ヴァーレインは「Dreamtime」「Words from the Front」「Cover」「Flash Light」といったアルバムを Warner Bros.、Virgin、I.R.S. Records といったレーベルから発表する。1980年代の前半こそ、《テレヴィジョンの才人トム・ヴァーレイン》というイメージを売りにソロ作品を大手レコード会社から発表する機会が得られるものの、1980年代も後半にもなると流石にトム・ヴァーレインの名前だけではレコードは売れずじまい。1990年のソロ「The Wonder」では遂に母国アメリカでのレコード契約を失った(欧州地域では Fontana からCD発売)。まあ、もっとも売れ線のコマーシャル・ソングを作っていた人じゃないから、売れた売れないは当人の才能に対する評価には全く関係ない。

マーキー・ムーンTelevision醒めた炎夢時間Cover

■ Tom Verlaine - Guitar, Keyboards, Vocals
■ Richard Lloyd - Guitar, Vocals
■ Fred Smith - Bass, Vocals
■ Billy Ficca - Drums

1992年、14年ぶりにテレヴィジョンが再結成。同年、久しぶりとなる新作「Television」が発表される。日本公演他、ツアーも行なわれるが、同窓会的な色合いが濃かったのか、翌1993年には再び活動停止。ちなみにこの当時のステージの模様は「Live at the Academy, 1992」といったCDで聴く事が出来る。2001年に再々結成。2002年にはフジ・ロック・フェスティヴァル出演の為に来日。併行してトム・ヴァーレイン自身もソロ活動を展開、この間にもソロ作品を発表している。2007年にはリチャード・ロイドが脱退してしまったが、代役としてLA出身でヴァーレインのソロにも参加していたジミー・リップ(Jimmy Rip、テレヴィジョンと同時期に活動していたサン・フランシスコのパワー・ポップ・バンド、ザ・ビートの元ギタリスト)を新たに迎え入れて活動を継続中。さて、本作の紹介に戻ろう。テレヴィジョンには復帰後のアルバムを含めて3枚のオリジナル・アルバムが存在する。その内、パンク・ロック~ニュー・ウェーヴの時代に発表されたのは2枚。

通常はデビュー作「Marquee Moon」を紹介するのが大方の定番だろうが、今回は2枚目となる「Adventure」を取り上げる(このアルバムを初めて私が聴いた時には既にテレヴィジョンは解散していました)。発表は Elektra(当時)。デビュー当時の勢いは兎も角、「Adventure」発表当時でもまだテレヴィジョンは旬のバンドという扱いだったので、当時はアメリカやイギリスだけでなくイタリア、コロンビア、ドイツ、フランス、日本、スペイン、ギリシャ、カナダ、クロアチアといった地域で発売もされている。元来、テレヴィジョンはデビュー当初からアメリカよりもイギリスで評価の高かったバンドで(当時のアメリカでの旬の音楽と言えば、産業ロックとAOR、ディスコですから無理もない)、イギリスではデビュー作のチャート27位を上回る最高7位を記録している。最初のCD化は1990年。この後、暫く再発されなかったが、2003年にボーナス・トラック入りのリマスターCDがライノから発売されている。

デビュー作品はロンドン・パンクに対するニューヨークの回答、みたいな扱いで玄人筋だけでなく一般のリスナーからの評価も高かったのだが、1978年発表となる本作ともなると、世の流行はニュー・ウェーヴに早くも流れていた為、デビューから僅か1年後には既に旧態以前のスタイルとなっていたテレヴィジョン。今回の再発記念で久しぶりに聴いてみたが、前作程ではないが、この2作目のサウンドもなかなかいい。冒頭曲「Glory」はシングル・カットもされた、デビュー作「Marquee Moon」の勢いをそのまま引き継いだ様なナンバー。パンク・ロック・ミーツ・R&Bみたいな展開が面白い。続く「Days」はリチャード・ロイドとトム・ヴァーレインの共作曲。「Foxhole」は当時のテレヴィジョンのステージ上での定番レパートリー。ライヴ向けのパンチの効いたナンバーだ。「Careful」はテレヴィジョン結成当初に書かれた初期のナンバー。パンク・ロックやニュー・ウェーヴと言うよりはモダン・ポップ/パワー・ポップ風情のある曲。

「Carried Away」はスローなテンポのナンバー。文学的な色彩の濃いバンドとして今尚高く評価されるテレヴィジョンらしい詩的なナンバーだ。「The Fire」は旧アナログ・レコードのB面冒頭曲。根暗でメランコリックな旋律は私の世代だと、どうしてもピンク・フロイドを連想してしまう。「"Ain't That Nothin'」は当アルバムを代表する好ナンバー。ちなみに本曲にはシングル・ミックス版とアルバム収録版、インスト版の3種類が存在。テレヴィジョン版ローリング・ストーンズと言ってもいい位、ギターのリフが印象的なナンバーだ。「The Dream's Dream」はアルバムのエンディング曲。中近東風のアレンジが子気味よいナンバー。本CDにはこの後、4曲が追加収録。「Adventure」はタイトル曲でありながら、当時収録が見送られた曲。ブルース・ブギ風のルー・リードみたいな展開が面白い。何故当時収録が見送られたのか。パンク・ロック期に登場したバンドであるが故、パンク・ロックの世界で語られたバンドだったが、今改めて聴いてみると、アート志向の高い音楽性に驚かされる。今の若い世代のロック・ファンの方が彼らを正しく正当に評価出来るだろう。

The Wonder - Tom Verlaine, Television and Stuff

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